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2007年8月9日、BNPパリバ傘下のファンド凍結のニュースが市場を駆け巡り為替相場が混乱に陥りました。
しかし
「パリバショックってなに?」
「何が原因でおこったの?」
と思っている方もいるはずです。
ここではパリバショックや、原因について説明していきます。
複雑なサブプライムローン
パリバのファンド凍結は、サブプライムローンが原因だと言われています。
信用力の高い“プライム層”ではなく“サブプライム層”向けのローンのことです。
個人の信用力はFICOスコアで測られ、金利や貸出条件が決められます。
信用力が低い人のローンなので、返済が滞るリスクを考慮している為に金利は高めに設定されます。
最初の数年間は金利を低くする、変動金利住宅ローンなどを開発し、所得が低い層でも借りやすくしました。
しかし、2007年に入りアメリカの住宅価格が急激に転落したことから返済に行詰る人が増え、このサブプライムローン問題が発生しました。
サブプライムローン問題で起こっているパニックの原因のひとつは、証券化にあるといわれています。
ローン会社はサブプライムローンを証券業者に売却を行なうことで、資金の回収を行いました。
はじめはある程度の高値で売買されたことより、サブプライムローンは拡大されました。
また、証券化に伴い、その他複数のローンなどと一緒に証券化されていき、サブプライムローンはさまざまな証券化商品に紛れ込んでいったのです。
このサブプライムローンやこれらがセットにされた証券化商品は、住宅価格の上昇が続きます。
借り手側が住宅の価格上昇分を担保にし、普通の住宅ローンである「プライムローン」に借り換えることができる間は良かったのですが、住宅価格の伸びが止まってこの手法が使えなくなると、次第に不良債権化されていきました。
きっかけはパリバファンドの解約凍結
問題は証券化にあるといいましたが、証券化のおかげでかつてないほど被害は拡大・複雑化していました。
市場関係者は徐々にサブプライムローン問題の危険性を意識していたとは思うのですが、マーケットへ強烈なインパクトを与える一番の要因にはなっていませんでした。
しかしながらそのリスクがだんだんと表面化してきます。
サブプライムローンの大半を買い取ったウォール街の巨大銀行や証券会社は、証券化商品として欧米をはじめ世界の金融機関や機関投資家へ大量に売っていたのです。
2007年4月アメリカででは、米業界第2位のサブプライム向け住宅ローン提供会社であるニューセンチュリー・ファイナンシャルが破産申請を行い、6月にはヘッジファンドが証券化商品などの投資で大損失を被り破綻しています。
2007年7月にベアー・スターンズ傘下のヘッジファンドが事実上破綻し、サブプライム問題の影響徐々に表面化。
翌月の8月には、欧州でも仏大手銀のBNPパリバが同行傘下のミューチュアル・ファンドの解約凍結を発表。
2007年8月9日投資家からの解約請求に応じなかったことで大問題となり、欧米の投資家たちは動揺し信用不安が高まりました。
そして、冒頭にも述べたとおり為替相場に衝撃が走ったのです。
その後もこのサブプライムローン関連のヘッジファンド破綻が続き、1年後の2008年9月にはリーマン・ブラザーズが破綻。
それを引き金に世界が同時に不況に陥っています。
【参考: リーマンショックの原因とは?】
- 為替相場の歴史
- ブレトンウッズ体制
- ブレトンウッズ体制の終焉
- プラザ合意
- アジア通貨危機
- ユーロ発足
- 円キャリートレードとミセス・ワタナベ
- BNPパリバショック
- なぜ起きたリーマンショック
- 100年に1度の大暴落!?
- 東日本大震災と米/ドル円の最安値更新。協調介入へ
- ユーロ・スイスフランが未曽有の大暴落!世界中のトレーダーが絶句する事態に
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