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南アフリカランドは非常に金利が高い通貨なため、世界中の投資家から人気があります。
しかし、人気の通貨とはいえ
「南アフリカランドの特徴は?」
「重要経済指標は?」
「どんな値動きをするの?」
など、疑問を持っているFX初心者は多いことでしょう。
そこで今回は、南アフリカランドの特徴や値動き、経済指標、リスクなどについて紹介しています。
この記事を読むことで、南アフリカランドへの理解が深まり、すぐに取引を始められるようになりますので、参考にしてください。
南アフリカランドの特徴
まずは、南アフリカランドの特徴について見ていきましょう。
通貨の特徴を知っていることで、相場分析や通貨選びがしやすくなりますし、他の通貨で取引するうえでも役立つこともあります。
南アフリカランド共和国で使える通貨
南アフリカランドは、南アフリカ共和国で使われる共通通貨で、FXの通貨コードは「ZAR」です。
南アフリカはBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国)の一員でもあります。
南アフリカは、まだまだ労働環境が整備されておらず、ストライキが頻発していることもあって賃金の上昇圧力が強いです。
そのため、長らくインフレ傾向が続いています。
中国・アメリカの影響を受けやすい
南アフリカの主な輸出先は中国とアメリカです(3位は日本)。
そのため、中国やアメリカの景気動向の影響を受けやすい特徴があります。
中国やアメリカの景気が落ち込めば南アフリカランド相場も下がり、景気が良くなれば南アフリカランドも上がるなど、連動性が見られる通貨です。
そのため、南アフリカの景気や資源価格だけでなく、中国・アメリカの景気動向も注意深く分析する必要があります。
資源国通貨で高金利
南アフリカは世界有数の資源国であり、特に金やプラチナ、ダイヤモンド、レアメタルなどは世界的に有名な産地となっていて、かつては金の産出量が世界1位でした(現在は世界7位)。
金融や保険などのサービス業も発展してきたため、昔ほどの割合ではありませんが、現在でもGDPに占める鉱業の比率は高いものがあります。
そのため、南アフリカランド相場をチェックする際は、資源価格も注視する必要があります。
また、南アフリカランドは高金利通貨としても有名です。
現在の政策金利は6.75%と非常に高く、世界中の投資家から人気があり資金を集めています。
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南アフリカランドの値動き
ここでは、南アフリカランドの値動きについて見ていきましょう。過去の値動きを知ることは、今後の相場予測にも役立ちます。
10年間の主な値動きや上昇要因・下落要因について紹介しています。
10年間の主な値動き
南アフリカランド円の約10年間(2008年〜2019年)の値動きを見てみると、2008年1月には1南アフリカランド=13円〜16円台でしたが、同年3月には11円〜13円台まで下がり、10月には一時7円台まで大幅に下落しました。
2009年1月には8円〜10円台、7月には10円〜12円台まで回復するも、2011年中旬から再び下落がはじまり、9月には一時8円台をつけます。
その後は8円〜10円で推移しましたが、2015年12月に7円台、2016年1月には6円台まで下落しました。
2016年後半からやや回復するも、現在まで7円〜9円台で推移をしています。
上昇要因
南アフリカランド円の主な上昇要因は以下のとおりです。
2010年 サッカーワールドカップ開催
下落要因
南アフリカランド円の主な下落要因は以下のとおりです。
- 2007年〜 サブプライムローン問題、リーマンショック
- 2015年 原油安
- 2016年 アメリカ経済・中国経済の停滞、トランプ大統領誕生
- 2018年 トルコリラ急落、米国株式急落、世界的景気後退
この10年間、南アフリカランド円は下落トレンドです。
それまで南アフリカランド円は15円〜20円で推移していましたが、サブプライムローン問題やリーマンショックによって一気に下落し、その後もほとんど回復することなく下落傾向となっています。
2015年には原油安、そして輸出国であるアメリカや中国経済の停滞など、上昇要因がほとんどありません。
アベノミクスなど日本円が上昇する要因はあるものの、南アフリカランドの下落要因の方が強いため、現在も上昇する気配がなく推移しています。
南アフリカランドの経済指標
南アフリカランド相場に影響力のある経済指標を把握しておけば、ファンダメンタルズ分析もしやすくなりますし、急な相場変動にも備えることが可能です。
売買タイミングや証拠金維持率、ポジションの持ち方なども変わってきますので、重要経済指標についてしっかりと把握しておきましょう。
南アフリカランド相場に影響を与える経済指標
南アフリカランド相場に影響を与えやすい経済指標は以下のとおりです。
経済指標 | 発表時期 | 日本発表時間 |
---|---|---|
国内総生産(GDP) | 毎四半期ごと | 18時30分頃 |
経常収支 | 3月・6月・9月・12月初旬 | 18時頃 |
消費者物価指数(CPI) | 毎月中旬 | 17時頃 |
小売売上高 | 毎月中旬 | 20時頃 |
SACCI景況感指数 | 毎月中旬 | 18時30分頃 |
製造業生産高 | 毎月中旬 | 20時頃 |
生産者物価指数(PPI) | 毎月下旬 | 18時30分頃 |
貿易収支 | 毎月下旬 | 21時頃 |
南アフリカ中央銀行政策金利 | 1月・3月・5月・7月・9月・11月 | 0時頃 |
これらすべての経済指標のチェックが難しい場合は、特に影響力が大きい以下重要指標だけでも重点的に追うようにしましょう。
- SACCI景況感指数
- 消費者物価指数(CPI)
- 南アフリカ中央銀行政策金利
また、南アフリカランドは最大貿易相手国である、中国やアメリカの景気動向にも左右されるため、以下の中国・アメリカの重要経済指標もチェックすることをおすすめします。
中国 | アメリカ |
---|---|
製造業購買担当者景気指数 | 小売売上高 |
マークイット製造業購買担当者景気指数 | ISM製造業景気指数 |
固定資産投資 | ISM非製造業景気指数 |
貿易収支 | 新規失業保険申請件数 |
中国主要70都市新築住宅価格指数 | 非農業部門就業者数 |
外貨準備高 | 失業率 |
消費者物価指数 | 国内総生産(GDP) |
小売売上高 | FOMC政策金利発表 |
国内総生産(GDP) | FOMC議事録公表 |
生産者物価指数 | 建設許可件数 |
南アフリカランド自国の経済指標も重要だが、中国やアメリカの経済指標もしっかりと確認をしましょう。
数は多く感じますが、いずれも月に1回程度の発表なので、それほど負担にはなりません。
南アフリカの経済状況
2018年11月に2年8ヶ月振りの利上げが実施され、2018年7月〜9月期の実質GDP成長率は前期比+2.2%の好水準でした。
しかし、世界的な景気後退懸念や米中貿易摩擦、貿易国である欧州の景気見通しの下方修正など、南アフリカランドにとって取り巻く環境はよくありません。
そのため、2019年も相場は下落基調となる可能性があります。
ただし、2019年以降はアメリカの利上げが休止する見通しのため、相対的に南アフリカランドへの魅力が増し、相場が上昇するという見方もあるため今後の動向を注視したいところです。
南アフリカランドの政策金利
南アフリカランドの政策金利は、2008年7月には12%だったのが、リーマンショック発生1年後には7%、その1年後には6.5%まで下がっています。
その後も徐々に利下げがおこなわれていき、2010年11月には5.5%、2012年7月には5%まで下がりました。
2014年1月には5.5%、7月には5.75%まで利上げされます。
その後も少しずつ利上げが実施され、現在は6.75%の金利水準で移行しています。
リーマンショック以前は10%以上の非常に高い金利水準でしたが、リーマンショック以降は10%を割り、現在は6%〜7%台で推移中です。
リーマンショックや原油安、アメリカ・中国経済の減速などで金利がさらに下がりそうですが、インフレ傾向が続いているため恒常的に高水準を維持しています。
南アフリカランド円など、低金利通貨とのペアであれば高スワップポイントを獲得することが可能です。
南アフリカランドの考えられるリスク
南アフリカランドにどのようなリスクがあるかを把握しておくことで、必要以上に損失を負うことを防げるようになります。
ここでは、南アフリカランドの主な2つのリスクについて見ていきましょう。
新興国通貨でボラティリティが高い
南アフリカランドは新興国通貨なので、米ドルやユーロ、円などのメジャー通貨と比べると、どうしても取引量は少なくなります。
そのため、要人発言や経済指標発表など、ちょっとしたことでも相場が大きく変動する恐れがあるため注意が必要です。
南アフリカランドは高金利ということもあり、世界中の投資家から好まれ資金が集まっていますが、世界的景気後退懸念などリスクが高まると、一気に投資家たちが手を引き大きく下落する恐れもあります。
ボラティリティが高い通貨なので、大きな損失を負ったりロスカットにならないように、ポジションの持ち方や証拠金維持率には十分に気をつけなければなりません。
インフラが未整備
南アフリカに限ったことではありませんが、まだまだインフラ整備が追いついていません。
アフリカ有数の経済大国ではありますが、インフラ未整備の部分は非常に多いです。
インフラ整備が不十分だと、自然災害などで経済が大打撃を受ける可能性もありますし、インフレ要因の1つになってしまいます。
2018年には、中国からインフラ整備や農業、科学技術分野に対して約1兆6,340億円もの投資を受けていますが、十分に整備されるまでにはまだまだ時間がかかりそうです。
まとめ
今回は、南アフリカランドの特徴や値動き、経済指標、リスクなどについて紹介いたしました。
最後にもう1度、ここで紹介した大事なポイントをまとめると、次の4点が挙げられます。
- 南アフリカランドは資源国通貨であり高金利通貨
- 南アフリカランド円などのペアで高スワップポイントが期待できる
- 資源価格や中国・アメリカの景気動向をチェックする
- ボラティリティは高いがリスク管理さえすればFX初心者にもおすすめの通貨
興味がある方は、ここで紹介した内容を参考にして、南アフリカランドで取引をはじめてみましょう。
南アフリカランドのデータ | |
---|---|
国名 | 南アフリカ共和国 |
首都 | ブレトリア |
通貨単位 | ランド、セント |
表記 | ZAR |
輸出先 | 米国、英国、ドイツ、オランダ、日本 |
輸入元 | ドイツ、中国、米国、日本、英国 |
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