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カナダドルは比較的経済が安定しており、資源国通貨ということで、中級〜上級トレーダーにも人気がある通貨の1つです。
とはいえ、
「カナダドルの特徴がわからない」
「カナダドルがどのような要因で上昇・下落するのか知らない」
など、多くの疑問や不明点を持っている人も多いことでしょう。
そこで今回は、カナダドルの特徴や値動き、経済指標、経済状況、リスクなどについて紹介しています。
この記事を読むことで、カナダドルへの理解が深まり、安心して取引ができるようになりますので、参考にしてください。
カナダドルの特徴
ここでは、カナダドルの基本的特徴について見ていきましょう。
どのような通貨でどんな影響を受けやすいのか、基本的特徴を知っておくことで、取引や分析もしやすくなります。
特に、FX初心者の方は、しっかりと把握をしておきましょう。
カナダドルは代表的資源国通貨の1つ
カナダドルはカナダの通貨で、代表的資源通貨の1つです。
カナダはG7の一員であり、経済が安定していて資源も豊富なので人気があります。
- 天然ガス
- 石油
- 金属
- 小麦
などの生産輸出量が多く、世界有数の輸出国として知られている国です。
アメリカと地理的に近いこともあり、輸出入はアメリカが占める割合が非常に高く、アメリカの経済動向の影響を受ける傾向があります。
FXで取引する際は、「カナダドル=CAD」と表記されます。
アメリカ経済の影響を受けやすい
カナダ統計局によると,2017年の貿易額(通関ベース)は、輸出が5,020億カナダドル、輸入が5,611億カナダドルとなっており、構成比は原油を含む鉱物性生産品が24%、自動車・関連部品が15.5%です。
そして、貿易の最大相手国であるアメリカの構成比は75.1%もあります。
隣国がアメリカで地理的に近いこと、そして輸出入の多くをアメリカが占めていることもあり、アメリカ経済の影響をダイレクトに受けやすいです。
アメリカドルの動きと相関傾向があるため、カナダドルの動きを予測・分析するうえで、アメリカ経済の動向をしっかりとチェックする必要があります。
カナダドルの値動き
過去の値動きや上昇要因・下落要因を知っておくことで、今後の相場動向も予測がしやすくなりますし、リスクヘッジにもなります。
ここでは、カナダドルの値動きについて見ていきましょう。
値動き
カナダドル円の2008年〜2019年のおよそ10年間を見ると、2018年初旬は112円〜113円で推移していました。
2008年中旬〜下旬頃になるとリーマンショックの影響で、2008年末には80円台まで大幅に下落します。
さらに、2009年には国際的原油価格WTIが1バレル=30ドル台まで大暴落したこともあり、カナダドルも60円台まで下がりました。
その後、WTIが上昇したことで、カナダドル高・円安基調となり、70円台〜90円台で推移しています。
そして、2014年末には一時100円台まで上昇しますが、2015年に原油価格が再び急落、さらにはカナダ銀行が金利を引き下げたことで、カナダドルは大幅に下落しました。
現在は80円台で推移しています。
上昇要因
カナダドルの主な上昇要因は以下のとおりです。
- 原油価格(資源価格)上昇
- アメリカ経済好調
特に、WTI原油価格とは相関性が強いため、原油価格が上昇すればカナダドルも上昇、原油価格が下落すればカナダドルも下落します。
下落要因
カナダドルの主な下落要因は以下のとおりです。
- リーマンショック
- 原油価格(資源価格)下落
- アメリカ経済不調
上昇要因同様、通常は原油価格の影響を強く受けます。
ただし、アメリカ経済動向も注視が必要です。
カナダドルの経済指標
カナダドルの重要経済指標や経済状況を把握しておけば、相場の分析や売買判断がしやすくなります。
ここでは、重要経済指標や経済状況について確認していきましょう。
カナダドルに影響を与える重要経済指標
以下は、カナダドル相場に大きな影響を与える可能性がある、カナダの重要経済指標です。
経済指標 | 発表時期 | 日本発表時間 |
---|---|---|
貿易収支 | 毎月初旬 | 22:30頃 |
ivey購買部協会指数 | 毎月初旬 | 00:00頃 |
雇用統計(失業率、雇用者数変化) | 毎月第1金曜日 | 22:30頃 |
住宅着工件数 | 毎月10日頃 | 22:15頃 |
住宅建設許可件数 | 毎月上旬 | 22:30頃 |
四半期設備稼働率 | 3月・6月・9月・12月中旬 | 22:30頃 |
新築住宅価格件数 | 毎月中旬 | 22:30頃 |
消費者物価指数(CPI) | 毎月中旬 | 22:30頃 |
小売売上高 | 毎月中旬 | 22:30頃 |
GDP(国内総生産) | 毎月末(月次)、2月・5月・8月・11月下旬(四半期) | 22:30頃 |
BOC(カナダ中央銀行)政策金利発表 | 年8回 | 23:00頃 |
特に、相場へ影響を与える可能性が高いのが、
- BOC(カナダ中央銀行)政策金利発表
- GDP(国内総生産)
- 雇用統計(失業率、雇用者数変化)
- 貿易収支
- ivey購買部協会指数
- 消費者物価指数(CPI)
- 小売売上高
です。
これらの指標はしっかりとチェックをしましょう。
カナダの経済状況
これまでカナダの経済は比較的堅調に推移していましたが、2018年10〜12月期実質GDP成長率は前期比+0.4%であり、前期の+2.0%に比べると大きく減速しています。
また、CPIも前月から大幅減速、製造業PMIも低下。
カナダ中央銀行は、景気動向が見通しを下回っていることを認め、利上げを見送りすることを決定しました。
年末の景気回復を見込んではいますが、懸念する声も多いです。
景気減速の影響で、市場は利上げではなく利下げを見込む向きも広がっています。
カナダドルと連動性が高いWTI原油価格は、2019年10〜12月期には1バレル=60〜70ドルでの推移を予想しており、現在よりも原油価格の安定が期待できるためカナダ経済にとっては追い風です。
カナダドルの政策金利
カナダの政策金利は、2006年〜2007年で4%以上でした。
しかし、2008年には3%、そしてリーマンショックが発生してわずか1年足らずで0.25%も金利を下げています。
その後、2010年9月に1%まで利上げするも、2015年から原油価格の低下を受けカナダドル安に推移したように、1月には0.75%、同年7月には0.5%まで利下げしました。
景気回復も見られ2017年9月に1%、2018年1月には1.25%、同年7月には1.5%、10月には1.75%へと利上げしています。
しかし、2018年〜2019年にかけ景気減速も見られているため、今後利下げを押す声も広がっている状況です。
カナダドルの考えられるリスク
カナダドルのリスクについて把握しておくことで、大きな損失を負いづらくなります。
ここでは、主な2つのリスクについて見ていきましょう。
アメリカとの結びつきが強い
カナダドルは地理的に近く、輸出入の最大相手国であるアメリカとの結びつきが強いため、良くも悪くもアメリカへの依存度が高いです。
米中貿易摩擦をはじめ、アメリカはさまざまな問題を抱えているため、アメリカ経済動向には注視が必要です。
原油価格の動向に注意
カナダは代表的な資源国であり、カナダドル相場はWTI原油価格と相関性が高いです。
WTI原油価格が下落すれば通貨安、原油価格が上昇すれば通貨高へと動く傾向があります。
原油価格と連動することは、過去のチャートを見ても明らかなので、しっかりと原油価格を注視するようにしましょう。
まとめ
今回は、カナダドルの特徴や値動き、経済指標、経済状況、リスクなどについて紹介いたしました。
あらためて最後に大事なポイントをまとめると、次の3点が挙げられます。
- カナダドルは資源国通貨で「資源価格」の影響を受けやすい。特に原油価格をチェック
- 輸出入の最大相手国であるアメリカの経済状況の影響を受ける可能性
- 新興国通貨のような値動きの激しさはないためFX初心者でも取引がしやすい
ぜひ、ここで紹介した内容を参考にして、早速カナダドルで取引をはじめてみてください。
カナダドルのデータ | |
---|---|
国名 | カナダ |
首都 | オタワ |
通貨単位 | カナダドル、セント |
表記 | CAD |
輸出先 | 米国、ユーロ圏、日本、英国、中国 |
輸入元 | 米国、中国、メキシコ、日本、英国 |
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