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オーストラリアドルは経済や政治が比較的安定しており、昔から高金利通貨として人気のある通貨です。
とはいえ、
「いまいちオーストラリアドルの特徴がわからない」
「どんなことが要因で相場が動くかわからない」
など、多くの疑問を持っている人もいることでしょう。
そこで今回は、オーストラリアドルの特徴や値動き、経済指標、政策金利、経済状況、リスクなどについて紹介しています。
この記事を読むことで、オーストラリアドルへの理解が深まり、取引の幅を広げることができますので、参考にしてください。
オーストラリアドルの特徴
特徴を理解しておくことで、取引や分析がしやすくなります。
まずは、オーストラリアドルの基本的な特徴について確認していきましょう。
オーストラリアドルは「資源国通貨」
オーストラリアドルは、オーストラリアで採用されている通貨のことであり、通貨コードは「AUD」です。
米ドルと区別するために豪ドルと呼ばれたりします。
オーストラリアドルの主な特徴は以下の2点です。
- 高金利通貨資
- 源国通貨
世界屈指の資源国であるオーストラリアは
- 金
- 石炭
- 鉄鉱石
- 亜鉛
- 原油
など豊富な資源を持ち、中国や日本を相手に輸出しているのも特徴です。
世界第2位の金産出国(1位は中国)でもあります。
そのため、原油や金などの資源価格や、輸出国(特に最大輸出国の中国)の影響を受けやすいです。
そのため、オーストラリアドルの相場は「資源価格」「輸出国状況」「自国状況」に、特に気をつける必要があります。
資源価格や中国の景気動向の影響を受けやすい
オーストラリアは、豊富な資源を持ち、資源の多くを中国や日本に輸出しています。
そのため、中国の景気動向の影響を受けやすいという特徴があります。
一概には言えませんが、中国の景気が良くなるとオーストラリアドルの価格も上昇、景気が悪くなるとオーストラリアドルの価格も下落、といった動きです。
そのため、特に中国の景気動向には敏感でいる必要があります。
また、資源国ということもあり、鉄鉱石や石炭、銅、金、原油など、資源価格の影響を受けやすい通貨です。
これらの資源価格が上がるとオーストラリアドル価格も上昇し、資源価格が下がるとオーストラリアドル価格も下落すると、基本的には連動した動きを見せます。
オーストラリアドルの値動き
ここでは、オーストラリアドルの過去の値動きについて見ていきましょう。
どのような値動きをしたか把握をすることで、今後の相場展開が予測しやすくなります。
値動き
オーストラリアドル/円の過去10年間(2008年〜2019年)を見ると、2008年頃は1豪ドル=95円〜104円前後でした。
しかし、2008年9月のリーマンショックの影響で、2008年末〜2009年初旬にかけて、一時50円台まで大幅下落してしまいます。
2009年以降は中国の大型景気対策や資源輸出の回復により、2010年から2012年頃までは75円〜85円前後。
2013年から2015年までは90円〜105円前後で推移しました。
2016年には再び70円前後まで下落し、2018年にかけて80円〜90円まで回復、その後緩やかな下落が続いており、2019年1月には一時70円を付けています。
上昇要因
過去10年間のオーストラリアドルの相場のなかで、主な上昇要因は以下の2つです。
- BRICs経済台頭による輸出拡大(〜2008年)
- 中国が約80兆円の大型景気対策(2009年〜)
BRICs台頭の影響で輸出拡大したことで2006年〜2008年までオーストラリアドルは高い水準を維持していました。
また、リーマンショック後に最大輸出国である中国の大規模な景気対策によってオーストラリアドル高・円安基調に転じます。
下落要因
主な下落要因となるのは以下の3つです。
- リーマンショック(2008年〜)
- 原油安(2014年〜)
- 中国景気減速(2014年〜)
2008年のリーマンショックは、オーストラリアドル/円だけでなく、ほとんどの通貨が大幅下落しています。
その後、中国の大規模な景気対策によってドル高に転じますが、原油安や中国景気の減速で輸出が停滞し、ドル安に転換しました。
オーストラリアドルの経済指標
ここでは、オーストラリアドルに影響の大きいオーストラリアの経済指標や、現在と今後の経済状況について紹介しています。
経済指標を把握しておけば、売買判断もしやすくなりますので、一つひとつ確認していきましょう。
経済指標
ここでは、オーストラリアドル相場に影響を与えやすい主な経済指標について見ていきましょう。
経済指標 | 発表時期 | 日本発表時間 |
---|---|---|
四半期消費者物価指数(CPI) | 1月・4月・7月・10月下旬 | 10:30頃 |
四半期卸売物価指数(PPI) | 1月・4月・7月・10月下旬 | 1:30頃 |
RBA政策金利発表 | 毎月第1火曜日 | 13:30頃 |
RBA理事会議事録 | 毎月第3日用日 | 10:30頃 |
雇用統計(新規雇用者数・失業率) | 毎月中旬 | 10:30頃 |
四半期GDP | 3月・6月・9月・12月上旬 | 10:30頃 |
小売売上高 | 毎月上旬 | 10:30頃 |
ウエストパック消費者信頼感指数 | 毎月上旬 | 9:30頃 |
NAB企業景況感指数 | 毎月10日頃 | 10:30頃 |
住宅建設許可件数 | 毎月上旬 | 10:30頃 |
貿易収支 | 毎月上旬 | 10:30頃 |
特に注目したい指標が
- RBA政策金利発表
- RBA理事会議事録
- 雇用統計(新規雇用者数・失業率)
- 四半期GDP
- 小売売上高
- 四半期消費者物価指数(CPI)
などです。
オーストラリアドルの取引をする場合は、これらの指標に注目しましょう。
オーストラリアの経済状況
オーストラリア経済は、2四半期連続前期比マイナスとなる「景気後退」に、過去28年間陥ることなく、プラス成長を続けています。
ただし、2018年10〜12月期の実質GDPは、前年同期比で+2.3%と、7〜9月期の+2.7%を下回るなど、足元の景気は減速傾向です。
また、2018年10〜12月期の消費者物価上昇率は前年同期比+1.8%でしたが、2〜3%のインフレ目標を下回っています。
2019年3月5日のRBA金融政策会合では金利の据え置きが決定していますが、利下げ観測も強まっており、利下げした場合はアメリカとの金利差が拡大してしまう点もオーストラリア経済のリスクです。
今後のポイントとしては、米中貿易戦争や連邦政府選挙があります。
米中貿易摩擦により中国経済が減速すればオーストラリアにも影響が大きいです。
また、次回の選挙で野党・労働党勝利が予想されていますが、保守連合が発表するかもしれない景気刺激策などが経済を大きな影響を与える可能性があります。
2019年は米中貿易戦争と選挙の動向に注目です。
オーストラリアの政策金利
オーストラリアの政策金利は、2008年初旬〜中旬頃までは7.25%でした。
しかし、同年9月にリーマンショックが発生したことで、その1年ほどで7.25%から3.00%まで下がりました。
その後、2010年〜2011年は4%台まで上昇するものの、その後金利は下がり続け、2016年8月には1.50%となります。
2019年3月時点でも1.50%であり、2年半以上も低金利の水準が続いているのです。リーマンショック以降、金利が低水準の1番の理由が、中国経済の失速です。
中国経済が失速したことで、資源価格の下落や中国との貿易条件が悪化し、オーストラリアは不況になり金利を下げています。
しかし、オーストラリアの経済は堅調のため、今後、近い将来、金利が上向く可能性は考えられます。
オーストラリアドルの考えられるリスク
ここでは、オーストラリアドルの主な2つのリスクについて紹介しています。
自国の経済状況や中国の動向、資源価格などによるリスクだけでなく、ここで紹介するリスクについても把握をしておきましょう。
多くのリスクを知っていることで、リスク回避もしやすくなります。
自然災害の影響
オーストラリアは自然災害が多い国でもあるため注意が必要です。
干ばつや山火事、洪水などの自然災害が発生することで、農業がダメージを受けてしまいます。
農業がダメージを受けると、資源価格が影響を受け、オーストラリアドルが大きく変動する可能性があるため自然災害時の相場には気をつけなければなりません。
金利動向によって大きく変動
オーストラリアドルは、金利動向によって大きく変動します。
海外から多くのお金を流入させるために高金利を維持していましたが、最近は金利水準が低めです。
金利が引き上がれば高金利目当てで多くのお金が流入し、相場も大きく上がる可能性があります。
しかし、さらに金利引き下げとなった場合は、落胆で売りが相次ぎ相場が大きく下落する可能性があるため注意が必要です。
まとめ
今回は、オーストラリアドルの特徴や値動き、経済指標、政策金利、経済状況、リスクなどについて紹介いたしました。
最後にもう1度、ここで紹介した内容をまとめると、次の4点が挙げられます。
- オーストラリアドルは「資源国通貨」「高金利通貨」
- 特に「中国経済」「資源価格」「自国経済」の3つの影響を受けやすい
- 経済は堅調で今後金利が上昇する可能性はある
- 新興国通貨のように値動きが激しくないため初心者でも取引がしやすい通貨
ぜひ、ここで紹介したことを参考にして、オーストラリアドルでの取引を検討してみましょう。
豪ドルのデータ | |
---|---|
国名 | オーストラリア連邦 |
首都 | キャンベラ |
通貨単位 | オーストラリアドル、セント |
表記 | AUD |
輸出先 | 日本、米国、中国、ニュージーランド、韓国 |
輸入元 | 米国、日本、中国 |
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