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世界には株式取引やFXで巨万の富を得た超凄腕の投資家がいます。株式取引で40年以上にも渡って20%以上のリターンを実現し続けているバークシャー・ハサウェイ会長のウォーレン・バフェット氏、幅広い投資手法で得た資産でシンガポールに移住し悠々自適な生活を送っているジム・ロジャーズ氏など、日本人のスケールでは測れないような規格外の大物が世界中のトレーダーから羨望のまなざしで見られています。
とりわけFXを実践している個人トレーダーにとって注目に値するのが、ジョージ・ソロス氏の存在です。ソロス氏はイギリス政府の為替介入に真っ向から歯向かい、為替取引で桁違いの利益を獲得しました。イギリスの中央銀行であるイングランド銀行を潰した男という異名は広く知れ渡っており、世界中のトレーダーから賞賛され続けています。
果たしてソロス氏はどんなテクニックを駆使して世界トップクラスの投資家の地位にまで上り詰めたのでしょうか?詳しい経緯を見ていきましょう。
ジョージ・ソロス氏の経歴
ジョージ・ソロス氏は、1930年にハンガリーのブタペストで生まれました。世界経済を陰で動かしていると称されることもあるユダヤ系の血を引いており、幼い頃から通貨取引を行って社会経済の知識を吸収する優れた能力を備えていました。
またヘッジファンドという概念さえなかった1969年、後に世界三大投資家の1人となるジム・ロジャーズ氏とともにクォンタム・ファンドを設立。10年以上にも渡って安定した運用実績を実現します。
そして迎えた1992年、イギリス政府の市場介入を利用した大胆な為替取引でおよそ15億ドルもの利益を獲得。この出来事により、ソロス氏は「イングランド銀行をつぶした男」と呼ばれるようになりました。
その後クォンタム・ファンドは名実ともに世界トップクラスのヘッジファンドに上り詰めます。ソロス氏の個人資産は2015年時点で270億ドルを超えており、世界で24番目の富豪にランクインしています。最近でもアベノミクスの量的緩和政策によって大きく円安に動いた為替相場でおよそ10億ドルもの利益を獲得しており、クォンタム・ファンドは無類の強さを発揮し続けています。
イングランド銀行をつぶした手法とは?
種を明かしてしまうと、ソロス氏が90年代に敢行した取引手法は極めてシンプルです。当時イギリスはポンド危機に見舞われており、政府は為替介入を余儀なくされていました。そこで当局がイングランド銀行にポンド買いを指示した後、ソロス氏は逆にポンドの空売りを大量に仕掛けていったのです。
売り仕掛けは失敗した時に桁違いの損失が発生する危険な手法です。一見無謀に思える戦略ですが、もちろんソロス氏には明確な勝算がありました。イギリス国家の経済力に対してポンドが無理に高く固定されていたため、たとえ政府が為替介入を行っても、ファンダメンタルズ的に見てポンドの長期的な下落を止めることが不可能であることをソロス氏は理解していました。
そしてソロス氏の予想は見事に的中。固定相場の弱点を突いた大胆な取引手法で、資金の尽きたイングランド銀行を打ち負かしたのです。
普通の人間なら「おそらく勝てるだろう」という漠然とした勝算があっても、しくじったときのリスクを考えればなかなか実際に勝負に踏み切れるものではありません。知恵と勇気が融合した恐るべきトレードセンスとしか言いようがありません。
ジョージ・ソロス氏から見た現代の世界経済
すでに投資活動からの引退を公言しているものの、ソロス氏は政治経済の評論家として持論を展開しています。独自の観点で株式・為替市場を分析しているソロス氏の意見は取引戦略を構築する上で非常に重要な指針になるため、多くのトレーダーが参考にしています。
ソロス氏は米国の株式を売り、国債を買うべきだと主張しています。近い将来、堅調に推移してきた米国株が全面安に陥るリスクがあることを示唆しているのです。また、中国の経済危機は非常に深刻であり、世界経済の安定化のためにはアメリカと中国が協力関係を築かなければならないとも主張しています。事実、ソロス氏は事前に中国株を大量に売却しており、世界同時株安を生んだチャイナショックのダメージを見事に回避しています。
ソロス氏も人間ですから、当然予想を外すことはあります。しかし、リーマンショック級の大混乱が再び世界の市場を席巻する可能性があるという助言は決して軽視すべきではないでしょう。
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