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日本には漢数字を名乗る銀行が数多くあります。現在でも残っているところは少ないですが、十六銀行や十八銀行は旧国立銀行の名前をそのまま名乗っています。
このように国立銀行時代からその地域に根差し、1県1行主義の中でも名前を残しているところもあり、経営基盤は盤石のところも多いです。ここでは十六銀行の株主優待や経営の変遷に注目をします。
国立銀行からの出発
十六銀行は明治10年に発足しました。旧国立銀行は国法銀行と呼ばれ、民間資本による銀行ではあるものの、現在の銀行とは違い、国立銀行法の下、不換紙幣の発行権を持った銀行として、金貨との兌換紙幣の発行権を持つ第一から第五の4行を含め、明治12年までに153の国立銀行が発足した中で、当時の名を遺す中の1行となっています。
十六銀行は明治10年に創業し、29年には株式会社化した銀行で、岐阜県の中竹屋町に本店がありました。
昭和9年には外国為替取引をはじめ26年に名古屋支店、31年には東京支店を開設しました。昭和44年の10月に名古屋証券取引所2部上場をし、昭和47年9月には東証1部上場を果たしました。
平成に入っては元年に香港に支店を進出、平成9年に十六地域振興財団を立ち上げ、翌年には全支店での外国為替業務の導入をしました。その後は地方銀行との業務提携や子会社化を図りながら成長を続けてきました。
十六銀行の特徴としては。東海地域でトップクラスの経営規模を誇るものであること、傘下に岐阜銀行を持ち岐阜県内では対抗できる銀行がないことがありますが、弱い点として他行との差をつけられる特定顧客の集客ができていないことがあり、他の地銀などと比べると法改正などに強さを発揮できない点があります。
株式会社十六銀行の株価や配当
事業の種類:銀行業 | 優待の価値:3,000円(5,000株以上保有) | ||
---|---|---|---|
優待の種類 | 権利確定月・日 | 優待回数 | |
カタログギフト | 3月31日 | ※中間配当ありの場合は 9月30日も含まれる |
年2回 |
株価 | 配当利回り | 優待利回り | |
395円 | 1.7% | 0.15% | |
必要投資額 | 単元株数 | 1株あたりの配当 | |
395,000円 | 1,000株 | 7円 |
岐阜県ならではの株主優待とは
十六銀行は、年に2回株主優待を出しています。中でも注目なのは、カタログギフトがあることです。カタログギフトは株主優待の中でも評価が高く、その地方の名産品などを味わえる内容となっています。
十六銀行の場合、主に業務を展開している岐阜県、愛知県、三重県の特産品から選択が可能です。そのため、中には飛騨牛や味噌、きしめんや志ぐれ煮などの食品が選択できます。株主優待が自分に合ったものでないと、せっかく株主優待を受けられるとしても役に立ちません。
そのため投資家に喜ばれるのがこのようなカタログギフトです。
この点において十六銀行は岐阜県という東海地方ならではの色を出しているといえます。もちろん投資家にとっては株主優待よりも魅力的な部分があるかもしれませんが、利益追求のみではない投資家にとって、この上ない株主還元であるといえます。
この優待を受けるためには、単元株数である1,000株の保有が必須となります。
しかし1,000株では受けられる優待に限りがあり、ミネラルウォーター24本のみしか受けられません。対して5,000株以上を9月30日時点で保有している投資家はこのカタログギフトを受け取る権利が発生します。
1,000株のみの方は3月31日の配当と同時期に優待が受けられ、5,000株以上の投資家は9月30日にも受け取ることができます。
また十六銀行は同行が中心となるグループに、事務受託業務、経営相談室、クレジットカード業務、リース事業信用保証業務をそれぞれ担当する子会社を抱えており、これらが銀行の付随する業務を担当することで東海地方における財務会計の包括的事業を手掛けています。この点も、他の企業と提携している銀行よりも強みとして挙げることができます。
安定の銀行株としての業績と今後の予想
十六銀行は国立銀行時代から東海地域の基幹銀行として機能しています。
本店は岐阜県にありますが、愛知、三重の両県にも重点的な店舗として出店しており、銀行預かり金額では東海地方で寡占状態にあります。他行の追随を許さない一方で、他の地域の地方銀行に比べ貸出金が少なく、金利収入が多く見込めないという状況にあります。
債権の信用格付けでは東海地方が日本でも上位ですが、貸出金額の少なさも地域別でみると非常に少ないという特徴を持っています。そのためほかに比べて国債等の収益比率が高い傾向にあります。
マイナス金利下では預金比率が高い十六銀行のような銀行は収益が減少しやすいです。
しかしその反面、最低限の収益は非常に高い確率で回収ができます。そのため安定型株式として有名な銀行株式を代表するように近年の収益は横ばいを続けています。
今後については金利が低い国債等を購入もしており、海外支店との協力により業績が変化する可能性があります。
しかし特に注意すべきはやはり地域の基幹銀行としての地域金融の活性化であり、十六銀行もその点を中期経営計画に組み入れています。この計画が達成できるか否かによって今後の成績は大きく変わる可能性があります。
十六銀行の狙い目と向いている投資家像
十六銀行は、その盤石の資金力が魅力であるといえます。一般に貸出金が多いとその銀行は収益について高い評価を受ける一方で、貸出金が焦げ付くリスクも同時に高いという評価になります。
住宅市場を見てみると、バブル期以来の市場規模になっており、7兆円という巨大市場に危険性が言われています。
貸し出しが少ないということは、経営に対するリスクが少ないことを意味し、株価の変動も限られたものになりがちです。
さらに収益の安定化は低成長とみなされる傾向にあるため、株価は割安圏を移動する時間が長くなります。こういった側面から、十六銀行をお勧めするのは、長期保有型、割安株、低成長株型ポートフォリオを形成する投資家です。
リスクを極力抑えることにより、値動き収益よりも着実なチャート推移による収益を狙う投資家にお勧めです。
長期安定型と株主優待のマッチ企業
十六銀行は、旧国立銀行時代から続く老舗銀行ですが、収益においては非常に安定した側面を見せています。
その反面、収益の高成長が望めないこともあり、短期的な高騰は期待ができません。しかしながら長期的に保有することにより、配当や株主優待で着実に元本の回収ができます。
そういった低成長でも着実な収益を重ねることで、今後のポートフォリオバランスをパッシブに変化させることができる可能性を高めることも、株式投資には必要です。