日本で初めてコインロッカーを開発、自動車のインテリジェントキーシステムなども手掛ける

アルファという企業名を聞いても、ピンとくる人はなかなかいないでしょう。
2023年には創業100周年を迎える老舗企業であり、自動車や駅、マンション、倉庫、フェンス、住宅、オフィスなどのキー＆キーレスのロックメーカーとして、日本だけでなく北米や韓国、中国、ASEAN、インド、欧州などで、さまざまな製品を提供しています。

アルファの株主優待はどのような内容で、投資先としてはどんな魅力があるのでしょうか。企業の内容や製品、歴史、株価や業績などをしっかりと理解した上で、投資するかどうかを判断していくようにしましょう。

「安全・安心・利便性」を絶えず追求した商品を開発・提供するグローバル企業

アルファはキー＆ロックを中心とした自動車部品や住宅製品、コインロッカーなどの製造販売をグローバルに展開している企業です。

キー＆キーレスのロックメーカーとして創業90年以上の老舗企業であり、国内3社・海外15社のグループネットワークを構築しています。
1933年にダットサンに国産初の自動車用カギとして採用され、今では電子キーやインテリジェントキーを大手自動車会社などに提供しています。

住宅製品としてもICカードやタッチパネル、スマートエントリーシステムなど、常に新しい技術をいち早く錠前へと応用してきました。
また、1964年には日本で初めてロッカーを製造販売した企業でもあります。新しい技術を用い「安全・安心・利便性」を絶えず追求した商品を開発・提供し続けています。

なにを製造しているのか？インテリジェントキーやドアハンドル、ロッカーなど

アルファでは、主に自動車・住設機器・ロッカー関連を中心とした製品を多数手掛けています。

自動車部品事業では、

• インテリジェントキーシステムや光学センサー
• アウトサイドドアハンドル
• インサイドドアハンドル
• キーセット
• 二輪バイク用盗難防止バーロックなど

住設機器事業では、

• ハンズフリー認証・RF-ID認証を搭載した住宅用ドアハンドル
• 電気錠シリーズ
• サッシロック
• ミリオンロック
• 南京錠など

ロッカーシステム事業では、

• 電子マネー決済対応のAITロッカー
• 指静脈認証式フリーボックスなど

他にもたくさんの製品を製造販売しています。

「実績や歴史」創業90年以上八万ロックやコインロッカーを日本で初めて開発

アルファは1923年創業で資本金は27億6,000万円、従業員数は単体455名、連結4,527名（2017年3月期）の企業です。

1923年に建築金物やシリンダー錠の製造販売を目的に創業しました。1933年には日産自動車やトヨタ自動車向けの自動車キーセットの製造を開始。
1938年に社名を国産金属工業株式会社へ変更。1947年にはエール式南京錠の製造販売を始めます。

1984年にはキーレス玄関錠のデジタロックの製造販売を開始。1990年には社名を国産金属株式会社から株式会社アルファに変更。翌年にはフリーボックスがグッドデザイン賞を受賞します。
1992年に宅配ボックスの製造販売を開始し、2000年にはピッキング防止性能の高い住宅用の取替錠の製造販売を始めます。2002年には日産マーチにインテリジェントキーシステムが採用。

2004年に東京証券取引所市場第二部に上場し、2005年に東京証券取引所市場第一部銘柄に指定。2007年には指静脈認証式のフリーボックス、2009年にはカスタム南京錠の製造販売を開始します。
2011年には20年ぶりにフルモデルチェンジとなる新型のフリーボックスFBSシリーズの製造販売を開始。翌年にはYKK AP株式会社とスマートコントロールキーを共同開発し販売を開始します。

2013年にAELシリーズという交通系ICカード専用のロッカーを販売。2014年には創業90周年を迎え記念商品として高機能電気錠のedロックPLUSを販売開始。
同年、赤外線式のバックドアセンサーが日産グローバルイノベーション賞を受賞します。また、太陽光発電設備を山梨県南アルプス市に建設して売電を開始します。2016年には群馬工場の敷地内に太陽光発電設備を建設して売電を始めます。

株式会社アルファの株価や配当

ここではアルファの株価や利回り、必要投資金額などについて見ていきましょう。株価は半年程前から上昇し、高値圏を維持しています。実際に投資を検討する際は、最新の情報や過去からの推移などもしっかりと確認した上で判断するようにしましょう。

（2017年8月21日現在）

食品や地方特産品などを保有株数に応じて選んで貰える

アルファの株主優待は100株以上保有で、オリジナルカタログ（食品や地方特産品など）から保有株数に応じて好きな商品を受け取れます。

アルファは国内だけでなく、海外に多くのグループ会社を持っておりグローバルに展開しています。

など、他多数

2018年3月期は増収増益予想1Qの経常利益進捗率は約38％と順調に推移

第1四半期時点の経常利益の進捗率は約38％と順調です。
セグメント別の業績では、自動車部品事業が国内では主要得意先の生産台数・販売台数増加のため売上高は前期比増、営業損失6,100万円（前期は営業損失2億300万円）。
北米では売上高・利益ともに前期比増。アジアは売上高は前期比増、営業利益は前期比減となりました。
今期より加わった欧州エリアに関しては売上高22億2,100万円、営業利益は1,600万円です。

セキュリティ機器事業では、国内は賃貸住宅向け電気錠が順調、さらにレジャーロッカー・貴重品ロッカーの販売が好調で売上高・営業利益ともに前期比増でした。
海外においても売上高・営業利益ともに前期比増と好調です。2017年8月21日現在のPERは14.07倍、PBRは0.83倍となっています。株価はここ10年で見ても高値圏を維持しています。

優待利回りは0.67%と低い食品関係などの優待を狙っている方におすすめ

アルファの株主優待は100株以上保有で食品や地方特産品などが中心のオリジナルカタログの中から、1,500円相当の商品を選ぶことができます。必要投資金額は220,900円（2017年8月21日現在）で、優待利回りは0.67%です。

必要投資金額は決して低くなく、優待利回りも低いため投資初心者や少額投資希望者にとっては手が出し難い銘柄です。
ただし、内容は食品などですし、自分で好きなものを選べますので、特に主婦には嬉しい限りで食費の節約にも繋がります。

2016年3月期は3億9,700万円もの赤字でしたが、2017年3月期では3億7,700万円の利益、次期には15億円の利益を予想しています。
第1四半期段階で経常利益進捗率は非常に順調ですので、今後の四半期業績によっては更に株価が上がりそうです。

優待利回りが低いだけでなく配当利回りも1.36%と低いですので、優待目的の投資ではなく、売却益を狙った方が賢明と言えます。食品関係などの優待を狙っている方におすすめです。

1度は使ったり目にしたことがある物を製造販売企業を応援しつつも売却益を期待

アルファは、自動車のインテリジェントキーシステムやアウトサイド・インサイドドアハンドル、住宅やオフィスのドアハンドル・電気錠・FBロック・南京錠・サッシロック、ロッカーなど、誰もが1度は使ったり目にしたことがある物を製造販売しています。

業績も赤字時期もあったものの回復基調となっており、今期も1Qまで順調に推移しています。優待利回りなどは低めですが、もうすぐ100周年も迎えるグローバルな老舗企業です。興味がある方は、中長期で保有し企業を応援しつつも売却益を期待しましょう。