- 不動産
- 土地の実勢価値は最も現実的で参考になる売買価格に近い数値
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土地や不動産の売買を行うときに価格を知っておくべきなのは当然です。
そこで価値の目安・水準となる「固定資産税評価額」や「公示地価」などを参考にすることもありますが、最も多様され、信頼されているのが『実勢価値』になります。
ここでは実勢価値がどのように用いられているのか、他の価格との違いは何かを考えてみましょう。
目次
実勢価値は過去の実績に基づいた価格基準
実勢価値を簡単に説明するなら「実際に売買された過去の価格」です。相場に則った価格、とも言えます。
不動産は需要と供給によって価格が変動します。年に1回発表される「公示地価」とは違って、1年のうちに大きく変動する可能性があります。
例えば近所に駅ができたり、大型ショッピングモールができたり…といった環境の変化で需要が高まれば、引越ししたい、住みたい、という人が増えて、当然値段も上がりますよね。
スーパーで売られている生鮮食品と同じように考えて良いでしょう。旬の食材は供給が増えるので販売価格が安くなります。逆に旬のものではない食材は需要があるのに供給が追いつかないので値上がりします。
もちろん生鮮食品ほど明確に、短期間で価格が上下するわけではありませんが、不動産売買にも日々変動する実勢価格が存在し、この価格を参考に土地の値段・価値が変わっています。
実勢価値の基準は過去の取引を参照して決められる
実勢価格は似たような不動産の売買価格を寄せ集め、それらを参考にして決めた価格です。
全く同じ物件は存在しないのであくまでも目安として扱われていますが、公示地価や路線価よりも信頼性の高いデータとして認識される傾向が強いです。
もちろん不動産売買は売主本人の希望額で売却できるので実勢価値を無視した価格設定も可能。ですが、買主も当然実勢価値をベースに不動産を探すわけですので、ここから大きく離れているとなかなか買い手が見つからないことになります。
言い換えれば、実勢価値よりも安い値段に設定すれば買主を見つけやすくなる、とも言えます。
実勢価値は検索して調べられる!
実勢価値はインターネット上のあらゆるデータサイトから検索できます。
信頼度が高いのは国土交通省が提供している『土地総合情報システム』や、公益財団法人東日本不動産流通機構が提供している『REINS(レインズ)』が挙げられます。
土地総合情報システム(国土交通省)を使って住まいの実勢価値をチェックしてみましょう。
今回は「東京都」「世田谷区」「上北沢」で検索してみます(取引時期は平成28年第2四半期~平成29年第1四半期)。
2番と6番がどちらも面積60㎡で、取引総額が2900万円と3000万円。坪単価は150万円と170万円になっています。他の番号を見ても、坪単価150万円~190万円に落ち着いているので、このあたりが実勢価値の参考値になりそうだ、と判断できます。
ただ8番の取引価格が110㎡に対して11000万円、坪単価330万円となっています。どのような土地なのか大変興味深いですね。
こうやってデータがズラリと並んでいるだけで色々と予測できることもあります。例えば5番を見てください。最寄駅「上北沢」から2分の距離にも関わらず、坪単価は170万円。5~7分の距離にある他の土地とさほど変わりません。
治安や騒音など、実際に土地に出向いてみないと分からない何かがあるのかもしれませんね。
ここでは土地総合情報システムでの検索方法を紹介しましたが、他にも参考になるサイトがいくつかあります。下にまとめてあるのでチェックしてみてください。
実勢価値を知ることがなぜ大事になってくるのか?
上記したように、土地の価格は極力公示地価に近い数値であることが望ましいのですが、実際にはそれ以上だったり、それ以下だったりとまちまちです。
売主は「高く売りたい」と考え、買主は「安く買いたい」と考えるのは当たり前のこと。また売主の中には「多少安くなっても良いから、できるだけ早く売れて欲しい」と考える人だっています。
こういった様々な事情が複雑に絡み合うため、土地の価格は常に不安定と言えます。土地は絶対的な価値ではなく、あくまでも流動的な価値なので仕方がありません。
つまり年に1回しか公表されない公示地価や、3年に1回しか改定されない路線価を頼りにするよりも、直近の新鮮なデータを参考にするのが土地売買の常套手段になります。
より実践的に、すぐに役立つデータとして実勢価値を知ることは不動産売買におけるセオリー。もちろん全く同じ不動産はこの世に2つと存在しないので、あくまでも参考にするに限りますが、精度の高さを求めるなら利用するべきだと言えます。
実勢価値を知っていれば、売買時や投資時に推測しやすくなりますし、不当な取引を未然に防ぐ手助けになってくれるでしょう。
実勢価値を知るのに役立つサイトはこれ!
実勢価値はインターネットから簡単に検索できますが、各サイトごとに取り扱うデータの内容が異なっていたり、得意とする分野が違っています。なので次に紹介するサイトを幅広く活用して、より詳細な実勢価値を見極めるのが大事です。
◇土地総合情報システム(国土交通省)
全国の土地の取引価格を四半期ごとに公表。住所検索も可能です。
◇不動産流通機構(REINS)東日本不動産流通機構
各地域の成約物件単価に関する情報が記載されています。また『REINS Market Infomation』には戸建・マンションの取引情報も掲載されているので参考にしやすいでしょう。
◇土地総合情報ライブラリー|地価LOOKレポート(国土交通省)
三大都市圏をメインにした地価動向を分かりやすくまとめてあるレポートを掲載しています。今後の動向を知りたい、把握したい人はぜひチェックしてみてください。
全国の地価動向を住宅地・商業地ごとに分かりやすく公表しています。こちらも動向を知りたい方向けのサイト。
実勢価値は参考にするべき情報であるが注意も必要
実勢価値は流動的だからこそ参考にするものであり、流動的だからこそ参考に留める必要がある存在です。なので完全に鵜呑みにするのは早計かもしれません。
周辺地域の地価トレンドだったり、環境の変化だったりで大きく変動しますし、また個人間のやりとりだと公示地価や路線価から大きく離れた金額でやりとりされることも珍しくありません。
不動産売買や不動産投資を考える人は常に新鮮な実勢価値を意識すること、そして周辺地価の動向も合わせてチェックすることが重要になります。