• 空き家対策特別措置法とは?何のために作られどんな効果が期待できるのか?
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措置対象の物件所有者に助言や指導、勧告、命令などができ罰則もある

2017年9月9日

日本全国で空き家が年々増加しており、2033年には空き家率が30%を超えるという予測もあり、約3軒に1軒が空き家という状態になってしまうかもしれません。

空き家が問題なのは数が増えることもそうですが、不適切な管理の空き家が増えることも問題です。
壁が落書きだらけだったり、老朽化が進み今にも崩れ落ちそだったり、ゴミが大量にあり悪臭や虫がすごかったりと、衛生面や安全面、景観など、周辺にさまざまな悪影響を及ぼします。

このような迷惑な空き家を対処する法整備が今まで追いついていませんでしたが、空き家対策特別措置法ができて本格的に厳しく取り締まれるようになりました。

空き家対策特別措置法とは?

空き家対策特別措置法とはどのような内容なのでしょうか。また、どんな空き家であれば措置の対象となるのでしょうか。
年々増加する空き家に対して、市町村などの各自治体が厳しく対応をできるようにした法律です。場合によっては自治体の方主導で強制撤去をすることもできます。

空き家対策特別措置法の内容や特徴、その目的について見ていきましょう。

空き家対策特別措置法とは?何のための法律でどんな内容?

空き家対策特別措置法とは平成26年2月26日に施行された、空き家を取り締まるための法律です。
これまで問題となっていた周辺に悪影響を及ぼし迷惑をかけるような空き家に対して、各地方自治体が指導や勧告、命令ができるなど、これまで以上に踏み込んだ対応が可能になります。

著しく悪影響を及ぼす空き家は「特定空き家」として、固定資産税の軽減措置の対象外になったり、場合によっては50万円以下の罰金が科せられます。

空き家対策特別措置法の目的とは?各地方自治体が空き家の強制撤去も可能

人口減や少子高齢化に伴い全国的に空き家が増加しています。
また、「更地に戻すと固定資産税が高くなる」「解体をしたいけど解体費用が捻出できない」「いつか使うかもしれないので放置している」「愛着がある家だから残しておきたい」などのさまざまな理由で空き家をそのまま放置している人も多いです。

野村総合研究所の発表によると、空き家の数は2013年時点で全国に819万戸、空き家率は13.5%もあります。
年々増加していく予測となっており、2023年には空き家1,394万戸で空き家率は21.0%、2033年には空き家2,146万戸で空き家率は30%を超える予測です。

先述のようにいろいろな理由で空き家を放置し、なかには壁や屋根など損傷や老朽し倒壊の恐れのある建物や、放置されたゴミや汚物から悪臭がしたり虫が湧いていたりするもの、不審者が自由に出入りしているものや草木が生い茂る建物など、著しく景観を損なったり、周辺に悪影響を与える迷惑な空き家がたくさんあります。

空き家対策特別措置法が施行されるまでは、これらの空き家を撤去するには所有者に対応してもらうしかなく、各地方自治体で踏み込んだ対応をすることはできず、強制的に撤去することもできませんでした。
しかし、空き家対策特別措置法が施行されてからは、各地方自治体が所有者に対して助言や指導、勧告や命令、もしくは行政代執行(強制撤去)ができるようになりました。

これにより、不適切な管理で周辺に迷惑のかかる空き家に対して踏み込んだ対応ができるようになり、所有者に対しても厳しく指導等できるようになりました。

周辺に迷惑をかける空き家がもたらす悪影響とは?さまざまなリスクがある

空き家は周辺にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。
管理がされていないため、老朽化によって壁や屋根が剥がれ落ちて近くにいる人が怪我をする恐れもあります。また、不審火などで火事になり近くの建物に燃え移る可能性もありますし、放置された大量のゴミや汚物で悪臭がしたり衛生面に大きな問題が生じることもあります。

不審者が空き家を活用し犯罪の温床になる可能性もあります。
周辺に悪影響を及ぼす空き家があることで、さまざまなリスクが生じ、場合によっては周辺物件に賃貸が付きにくくなるなど、資産価値にも影響を及ぼすことも十分に考えられます。

空き家対策特別措置法の与える影響とは?罰則や今後の空き家問題は?

空き家対策特別措置法が施行されたことで、空き家に対してどのような影響を与えるのでしょうか。
また、周辺へ迷惑をかけると「特定空き家」に指定された場合は、どのような処置や罰則が科せられるのでしょうか。これらを知っておくことは、今後の空き家問題がどういった方向へ進むか、自分が空き家を所有した場合はどうすればいいかなどを考えるきっかけにもなります。

空き家対策特別措置法ではどんな処置・罰則が科せられるのか?

空き家が対策特別措置法が施行されたことで、周辺に悪影響を及ぼす可能性のある空き家に関しては、各地方自治体から調査が入ります。
調査が入った結果「特定空き家」に指定された場合は、改善点に関しての助言や指導が行われます。

そして、助言や指導があったにも関わらず、管理状況に改善が見られない場合は、勧告が行われます。
特定空き家に指定された後に勧告されると、改善されるまで固定資産税の軽減措置の対象外となるため、最大で従来の6倍の固定資産税を支払わなければなりません。

また、勧告されても対応が見られない場合は地方自治体から命令が出ます。命令は非常に重い行政指導であり、命令を受けても所有者が対処しない場合は50万円以下の罰金が科せられます。

空き家対策特別措置法が施行されたことで迷惑な空き家は減っていく?

空き家の数は増える一方ですが、空き家対策特別措置法が施行されたこともあり、特に周辺に悪影響を及ぼす可能性のある建物については各地方自治体で厳しく取り締まれるため、多くの空き家が強制撤去なども含め対処されていくと考えられます。

しかし、これから空き家の数は急増することが予想されているため、いくら空き家対策特別措置法で対応しても次から次へと新しく問題のある空き家が現れる可能性もあり、イタチごっこになるのではと懸念する声もあがっています。
また、近隣に迷惑な空き家がある場合は厳しく対応してくれるので良いのですが、仮に自身が空き家を所有している場合は気をつけなければなりません。
賃貸や売却など、今後の方針が決まっていない場合は管理も行き届いていない可能性が高いです。

万が一、不適切な管理で放置したままになっている場合は、なるべく早く方針を決め対処しておきましょう。
でなければ、場合によっては多額の固定資産税や罰金が科せられる可能性があります。

空き家対策特別措置法で措置の対象となる条件を知っておく

空き家対策特別措置法において、どのような空き家が措置の対象となるのでしょうか。
特に空き家を所有している場合は、このことを知っておかなくては所有物件が措置の対象となるかもしれません。
どのような状態の空き家であれば措置対象となるのかを知っておけば、自身の所有物件の対策も講じれますし、近隣に措置対象となりえる空き家がある場合は地方自治体に知らせることもできます。

最終的には調査を行った上で総合的に判断されますが、どのような項目があるか参考として踏まえておきましょう。

措置の対象となる空き家は?「特定空き家」に指定されると助言や勧告などを受ける

空き家対策特別措置法で是正措置対象となるのが「特定空き家」です。下記のような状態に該当する空き家があると、各地方自治体の調査員が建物を調査し、総合的に判断して特定空き家に指定された場合は、助言・指導、勧告、命令、行政代執行などの対象となります。要は周辺に悪影響を及ぼし迷惑をかける空き家が措置の対象となります。

■建物に著しく破損や不朽があり、倒壊の危険性がある
■ゴミや汚物などが散乱・放置されてあり、衛生上有害となる恐れがある
■不審者の侵入などがあり、周辺の安全性に影響を与える恐れがある
■壁に落書きや立木の繁殖など、周辺の景観を著しく損なう恐れがある
■その他周辺の生活環境に悪影響を与える恐れがある

空き家対策特別措置法があることで空き家を放置していた人が活用し始める?!

今までは周辺に悪影響を及ぼす迷惑な空き家に対して、自治体もなかなか厳しく取り締まることはできませんでした。
しかし、空き家対策特別措置法が施行されてからは厳しく対処できるようになり、特定空き家に指定された場合は固定資産税の軽減措置対象外になったり罰金が科せられることもあります。

空き家を所有している場合は、特定空き家に指定されないように早めに対応し空き家を有効活用しましょう。
罰があることで、これまで放置していた空き家を活用しようとする人もきっと増えてくるはずです。

著者情報
オールマイティなトレーダーを目指して日々奮闘中 投資で5000万円貯める事が目標。 基本ビビりなので日々可愛い利益をコツコツ貯めています。

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