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極洋という企業をご存じでしょうか。80年近い歴史を持つ総合食品企業で、水産物を中心とした「キョクヨー」ブランドの冷凍食品やチルド食品、缶詰、健康食品などの家庭用食品や水産素材、冷凍野菜などの業務用食品を幅広く取り扱っています。
極洋の株主優待はどのような内容なのでしょうか。ここでは、極洋の企業情報や投資情報、株主優待情報などについて、紹介します。普段からキョクヨーブランドの商品を購入して食べている方や、水産系の銘柄に興味がある方は、参考にご覧ください。
目次
約80年の歴史を持つ総合食品企業国内・海外で魚を活かした事業展開
極洋は1937年に創立し、約80年の歴史を持つ総合食品企業で、水産商事事業、冷凍食品事業、常温食品事業、物流サービス事業、鰹鮪事業を中心に展開しています。
水産商事事業では、世界各国から農水産物を買い付け輸入し、中国で加工し欧米へ輸出するなど三国間貿易を行っています。冷凍食品事業では、製造した冷凍加工品を居酒屋や量販店、コンビニ、学校給食などに販売しています。常温食品事業では、魚介缶詰や野菜缶詰、DHAやグルコサミンなどの健康食品を製造販売しており、鰹・鮪事業では、グループ内の極洋水産株式会社がカツオを漁獲していて、世界各地からマグロの買付や、高知県・愛媛県の2ヵ所で本マグロの養殖も行っています。
業務用・家庭用ともに極洋の強みである魚を活かした商品幅広く展開をしています。また、公益社団法人日本カヌー連盟への協賛や生物多様性の保全、資源循環型社会の実現、低炭素社会の実現などへの取り組みにも力を入れています。
「極洋は何を製造しているのか?」水産物を中心とした家庭用・業務用食品を製造
極洋では、
- 香ばしえび旨フライRやさば味噌煮
- 白身魚明太マヨフライR
- さばの塩焼き
- えびコロマヨナゲット
- さば塩焼
- 海から生まれたグルコサミン
- デイリーヘルシングウコン粒
などの家庭用食品の他にも、
- 切身・フィーレ・加熱用水産加工品
- 冷凍野菜
- カニ風味かまぼこ・すり身製品
などの業務用食品を製造販売しています。
「極洋の実績や歴史」昭和12年に極洋捕鯨株式会社として創立 80年の歴史を持つ
極洋は1937年に設立し、資本金56億6,400万円、従業員数599名(グループ総数2,249名)の企業です。昭和12年に極洋捕鯨株式会社として創立し、昭和13年には南氷洋母船式捕鯨事業を開始します。
昭和24年には東京証券取引所、大阪証券取引所、名古屋証券取引所市場第一部に上場し、同年東京支社にて缶詰の製造を開始します。昭和27年には北洋母船式捕鯨事業を開始します。昭和32年には保土ヶ谷工場を買収して、魚肉ハムやソーセージの製造を開始します。昭和37年には遠洋トロール事業も開始します。
昭和38年には海外買付事業に進出して、アラスカ産スジコの輸入を開始します。昭和46年には株式会社極洋へと社名を変更し、同年、極洋商事株式会社、秋津冷蔵株式会社を設立します。
また、初の海外子会社であるKyokuyo USA Inc.を設立します。昭和48年には冷蔵運搬船事業へ進出します。
昭和59年には冷凍食品・チルド食品の製造を目的としてキョクヨーフーズ株式会社を設立します。
平成3年には宮城県に塩釜研究所を設置。平成9年には海外まき事業やカツオ・マグロの売買などを目的として極洋水産株式会社を設立します。平成16年には関係会社を含めたグループ全体でISO14001拡大認証を取得します。平成17年にはK&U ENTERPRISE CO.,LTD.や青島極洋貿易有限公司を、平成18年にはKyokuyo EuropeB.V.を設立します。
平成22年にはキョクヨーマリン愛媛株式会社や極洋フレッシュ株式会社、エス・ティー・アイ株式会社を設立し、海洋フーズ株式会社を子会社化します。平成27年にはカツオ・マグロその他の水産物加工などを目的として指宿食品株式会社を設立します。
株式会社極洋の株価や配当
ここでは、極洋の株価や利回り、必要投資金額などについて、確認していきましょう。
権利確定日は3月末日で優待は年1回受け取れます。実際に極洋への投資を検討する場合には、下記数値だけでなく、最新の情報や推移も必ず確認するようにしましょう。また、平成30年以降に優待内容が変わりますので注意が必要です。
事業の種類:水産・農林業 | 優待の価値:5,000円相当 | ||
---|---|---|---|
優待の種類 | 権利確定月・日 | 優待回数 | |
飲食料 | 3月末日 | — | 年1回 |
株価 | 配当利回り | 優待利回り | |
3,095円 | 1.62% | 1.62% | |
必要投資額 | 単元株数 | 1株あたりの配当 | |
309,500円 | 100株 | 50円 |
株主優待は100株以上で自社製品詰め合わせセット平成30年より内容変更
極洋の株主優待は100株以上保有の場合に下記内容が受け取れます。尚、平成30年以降から優待内容が変更になります。
100株以上保有の場合、5,000円相当の自社製品詰め合わせセット
■平成30年以降の株主優待
100株以上300株未満保有の場合、2,500円相当の自社製品詰め合わせセット
300株以上保有の場合、6,000円相当の自社製品詰め合わせセット
極洋のグループ会社及び関連会社は下記のとおりです。
極洋のグループ会社及び関連会社 |
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キョクヨー秋津冷蔵株式会社(冷蔵倉庫業) |
極洋商事株式会社(水産物・農産物・畜産物の買い付け販売) |
極洋食品株式会社(冷凍食品・チルド食品の製造) |
極洋水産株式会社(海外まき網事業、カツオ、マグロの加工、冷蔵倉庫業) |
キョクヨー総合サービス株式会社(保険代理業・各種物品あっせん販売) |
極洋フィードワンマリン株式会社(水産物の種苗生産、養殖、販売など) |
キョクヨーフーズ株式会社(冷凍食品・チルド食品の製造) |
極洋フレッシュ株式会社(マグロその他水産物の加工および販売など) |
キョクヨーマリン愛媛株式会社 (マグロその他水産物の養殖、加工および販売など) |
キョクヨーマリンファーム株式会社 (マグロその他水産物の養殖、加工および販売など) |
指宿食品株式会社(カツオマグロなどの水産物及び農畜産物の加工や販売) |
インテグレート・システム株式会社 (コンピュータ・システムに関する総合的サービス) |
海洋フーズ株式会社(定塩鮭、切身、フレークなどの加工販売) |
サポートフーズ株式会社(冷凍食品、チルド食品の製造) |
株式会社ジョッキ(海産物珍味の加工並びに販売) |
株式会社エイペックス・キョクヨー (焼き魚製品各種の加工および販売) |
株式会社新東京フード(食品の卸売、加工および輸出入事業) |
KYOKUYO AMERICA CORPORATION (水産物の買い付けおよび日本向け輸出) |
K&U Enterprise Co.,Ltd(冷凍水産加工品の製造および販売) |
青島極洋貿易有限公司(中国国内向販売および輸出) |
KYOKUYO EUROPE B.V.(欧州向け販売および輸出) |
Kyokuyo(Thailand)Co.,LTD(商製品の輸出入など) |
2017年3月期は増収増益で利益は前年対比+34.6%と業績好調
2017年3月期業績
売上高 :2,365億6,100万円(前年対比+4.4%)
営業利益:37億2,300万円(前年対比+53.0%)
経常利益:37億900万円(前年対比+31.8%)
利益 :24億2,200万円(前年対比+34.6%)
2018年3月期の会社予想
売上高 :2,500億円(+5.7%)
営業利益:40億円(+7.4%)
経常利益:40億円(+7.8%)
利益 :27億円(+11.5%)
セグメント別の概況は次のとおりです。
水産商事セグメントは、魚価が堅調に推移したのと、むきエビなどの付加価値製品の拡販、中国や米国マーケットでの拡販に力を入れ、売上高は前期比9.7%増、営業利益は前期比61.8%増です。
冷凍食品セグメントは、生食用商品や「だんどり上手」シリーズの拡販、家庭用冷凍食品の商品群増加などにより、売上高は前期比2.0%減も、営業利益は前期比294.3%増。常温食品セグメントは、サバやイワシなどの水産缶詰の拡販を図り、海産珍味類の販売は順調に推移するも、原料であるイカの不漁により原料価格高騰となり、売上高は前期比4.8%増も営業利益は前期比73.7%減となりました。
物流サービスセグメントは、冷蔵倉庫事業は売上・利益ともに前期を上回るも、冷蔵運搬船事業では、海運市況の悪化もあり事業から撤退します。よって、売上高は前期比45.8%減、営業利益は前期比36.0%減です。
カツオ・マグロセグメントは、加工および販売事業は外食・量販店向けに拡販、養殖事業は養殖技術向上に努め、海外まき網事業は水揚げ数量は減少するも、魚価は高値で推移しました。結果、売上高は前期比4.5%増、営業利益は前期比96.5%増となりました。
2017年6月14日現在のPERは12.04倍、PBRは1.30倍、年初来高値は3,210円、年初来安値は2,681円です。
業績が好調なこともあり、株価はここ5年の高値圏に位置していますが、若干割安感があります。
優待利回りは1.62% 業績は比較的好調株価は若干割安感がある
極洋の株主優待は100株以上で5,000円相当の自社製品詰め合わせセットが受け取れます。必要投資金額は309,500円で優待利回りは1.62%とやや低めです。平成30年以降の株主優待は100株以上で2,500円相当の自社製品詰め合わせとなるため、価値が今の半分まで下がります。優待利回りは決して高くはありませんが、さまざまな缶詰が入っており、お酒のつまみにも良いですし、毎日の食卓の+αの一品としても使えます。保存がきくため主婦にも嬉しい内容です。
業績は好調ですが、株価は若干割安感があります。株主優待目的として投資するのもいいですが、そこまで利回りは高くないですし、平成30年以降はさらに利回りが下がるため、あくまでも売買益を第1に考えて保有した方がいいでしょう。できれば割安感のある時に判断をしたいものです。
平成30年からは優待価値が半減優待目的としてはハードルが高い
極洋は、水産品を中心に家庭用・業務用商品の製造販売などを行っている、老舗の総合食品企業です。優待内容は5,000円相当の自社製品詰め合わせセットとなっており、缶詰は期限を気にせず使えるので助かりますね。
平成30年以降は100株保有時でも2,500円相当自社製品詰め合わせとなり、価値が下がる予定です。業績は比較的好調で、株価も若干割安感がありますが、優待が半額の価値になると現在1.62%の利回りが、0.81%程度まで下がることになるため、優待を目的とした投資対象としては、ハードルが高くなります。
普段からキョクヨー商品を購入している方など、ぜひ検討してみてください。