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プラグパワー(銘柄コード:PLUG)は、水素燃料電池システムの開発を行う企業で、銘柄名「PLUG」で米国NASDAQに上場しています。
「水素社会の到来に向けてプラグパワーへ投資したいけど株を買う方法を知りたい」
「株価があまり良くないけど今後上昇するの?」
水素燃料電池システムは、カーボンニュートラルを実現する方法として注目されているため、気になっている方も多いはず。
そこでこの記事ではプラグパワーの事業実態や決算情報、業績分析、株価チャートや将来性について解説していきます。
米国株への投資をお考えの方に、参考になれば幸いです。
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目次
プラグパワーとは
「プラグ・パワー」は1997年設立のアメリカの会社です。
まだ若い会社ではありますが、水素燃料電池システムの開発、さらにその燃料である水素の供給、水素燃料電池を使った電気自動車のエンジン開発には定評があります。
水素燃料電池システムは、二酸化炭素を出さないクリーンエネルギーとして、ガソリンに代わる燃料として期待されていて、プラグパワーの水素電池システムはすでに業務用フォークリフトや無人車で実用済み。
システムの開発だけでなく、燃料である水素ガスの販売網の構築、「水素ハイウェイ」と呼ばれる供給システムの建設までを手掛けています。
石油社会から脱却し、水素を主な燃料としたクリーンな「水素経済」を目標として掲げています。
プラグパワーの望むエネルギー革命が成功した場合、供給システムをすでに確保しているプラグパワーは大きな影響力を持つことになるでしょう。
主な事業内容は、水素燃料電池システムの開発を中心に、電気自動車に使用するエンジン技術、水素燃料の供給、貯蔵、それに付随した省エネ、少コスト技術の開発など多岐にわたります。
先行き不透明な水素ビジネスに変革をもたらす可能性が高い
プラグ・パワーの強みは、根本の燃料電池システムの開発はもちろん、それに付随する水素燃料ビジネスを総合的に行っているところです。
クリーンなエネルギーである燃料電池が注目を浴びるほど、プラグ・パワーの価値は加速度的に上がっていくことになります。
圧倒的な物流量の高さを誇るAmazon社で使用されるフォークリフトも、プラグ・パワーの燃料電池が採用されています。
これは燃料電池単体での販売ではなく、水素燃料用のインフラも同時に提供するものです。
ただ注意したいのは、プラグ・パワーの価値は現在、水素燃料電池の価値に大きく依存している点。
水素燃料電池が普及されればされるほど価値は高くなりますが、その逆の可能性もあります。
脱炭素化の実現に向けてクリーンな次世代型エネルギーとして欠かせないとされている「水素燃料電池」ですが、製造時に二酸化炭素が発生するなど弱味はまだあり、他のエネルギーに代替されないか注意が必要です。
しかし現状ではトヨタもガソリンや軽油に代わる代替燃料として水素に力を入れており、将来的に水素市場が盛り上がるほどプラグ・パワーの存在価値も大きくなる可能性が高いです。
買収戦略により水素業界のリーダー的存在を目指す
プラグパワーは、2020年に燃料電池関連の垂直統合を目的に大手液体水素メーカーとして世界的に名が知られる「ユナイテッド・ハイドロジェン」を買収しました。
これによりプラグパワーは、1日に6.4トンの液体水素を生産する能力を有するプラントをテネシー州チャールストンに所有。
民間としては、最大の液体水素プラントを所有する企業となりました。
さらに、その勢いは留まることを知りません。
同年2020年に水から水素を生み出すことができる電解槽の技術を有する「ギナーELX(Giner ELX)」も買収。
その2ヶ月後には長崎に25kWのスケールを誇る電解槽装置を設置し、アジア地域における垂直買収戦略を順調に進めています。
なお、プラグパワー内にはすでに、燃料電池関連の技術や原料すべてを内製できる状態が整っています。
まさに水素経済における業界リーダーとしての地位をすでに確立済みといっても、過言ではありません。
プラグパワーの競合企業
垂直的なグリーン水素生成企業としての確固たる地位を築きつつあるプラグパワーの競合他社には、下記のような企業があります。
プラグパワーの主な競合企業
- エアープロダクツアンドケミカルズ
- リンデ
- CFインダストリーズ
- エアリキッド
- バラード・パワー・システムズ
- トヨタグループ
- ゼネラル・モーターズ
- カミンズ
- パワーセル・スウェーデン
- フュージョン・フューエル・グリーン
- フュエルセル・エナジー
- ブルームエナジー
- ウェストポート・フューエル・システムズ
水素だけでなく、酸素などの産業用ガスの生産を手掛けている「エアープロダクツアンドケミカルズ」。
水素の輸送や貯蔵施設などを展開しており、まさにプラグパワーの競合です。
また、水素をはじめとした産業用ガスの生産に加えて、液化や極低温制御液化や極低温制御を得意としている「リンデ」も外せません。
さらに、管理の難しさが流通の弊害となっている水素の運搬の代替としての役割が期待されるアンモニア製造を手掛ける「CFインダストリーズ」も、広い意味ではプラグパワーの競合他社です。
そのほか、水素の生産や運送、流通全体を行う「エアリキッド」や、燃料電池開発に注力している「バラード・パワー・システムズ」、燃料電池自動車やフォークリフト開発を手掛けている「トヨタグループ」などもあげられます。
加えて、「パワーセル・スウェーデン」や「ブルームエナジー」もプラグパワーの競合他社と言えます。
プラグパワー(PLUG)の株価、チャート推移
以下はプラグパワー(PLUG)のリアルタイム株価チャートです。
2023年2月現在は底値圏は脱出しましたが、2022年8月につけた30ドル、2021年1月につけた75ドルにはまだまだ及びません。
企業業績を足元で固めてしっかりと利益を出さない限りは、株価が再び75ドルを超えていくのは難儀なものになるでしょう。
リーマンショック前後以降から10年以上株価は低調に推移
プラグ・パワーは1997年に設立され、およそ5年後の2002年に米国NASDAQへ上場を果たしています。
上場後は下げては反発しながらもジリジリと値下がりし、2008年9月のリーマンショックが起こるとプラグ・パワー株価は暴落。
2008年9月の1ヶ月間で28ドルから10ドルを割るまでに下落しました。
それ以降、長い間、低調なままで推移することになります。
2013年には1ドルを割れるほどまで値を下げ、その後は仕手株的な動きで10ドルを超える水準まで急騰する局面もありましたが、基本的には1ドルから3ドルのレンジで推移していました。
コロナバブルで「ダブルテンバガー」を達成
動きがあったのは2020年に入ってからです。
コロナ禍によって、IT・ハイテクセクターの株価がバブルの様相を帯びると、テスラを筆頭にEVや燃料電池関連の株価が上昇し、それに追随する形でプラグ・パワーも高騰。
2021年1月には、75ドルを突破。
2020年3月の安値3ドルから20倍超えの「ダブルテンバガー」を達成しました。
しかしながら、その後は急落し4ヶ月後の2021年5月には20ドルを割れ、ピーク時の株価からおよそ4分の一に。
2023年2月現在は20ドルを上に見ながら推移している状態です。
水素燃料電池が注目を浴びていることもあり、関連の思惑につられて、大きな値動きをする銘柄です。
水素燃料電池事業が期待されれば、大きく値を上げることになるでしょう。
プラグ・パワーの将来性・成長性、今後の見通し
現在、多くの先進国で再生可能エネルギー、クリーンエネルギーへの移行が進んでいます。
プラグ・パワーは、石油に変わるエネルギーとして注目される、水素燃料電池の開発を行っています。
水素燃料電池が次世代のエネルギーとして普及すれば、水素インフラを持つプラグ・パワーは重要な立ち位置を持つでしょう。
現在、売上高は上昇しており、その上、営業利益率の向上に注力しており、投資家への好感材料となっています。
燃料電池ギガファクトリー及び、次世代技術の開発により、大きなコストカットが可能と見られています。
Amazon社へのフォークリフト燃料電池の提供や、ルノーとの合併事業など、良い材料が多いです。
クリーンエネルギーへの追い風など、これからの急進も期待できる分野でしょう。
しかし、現状としてプラグ・パワーは大きな利益をあげておらず、株価もそれほど反応していない状態です。
世界的なコロナ禍、景気後退懸念の中で、クリーンエネルギー事業への投資は弱含みとなる可能性があります。
総合して、大きく期待の持てる分野でありますが、目先はまだ不透明と言えるでしょう。
プラグパワーの決算情報・業績・ファンダメンタルズ分析
ここからはプラグパワーの決算情報をもとに、売上高や営業利益、財務体質の面からファンダメンタルズを分析していきます。
現状の企業業績と今後の予測から見て株価は買ってよいのかを検証するので、ぜひ参考にして下さい。
プラグパワーの売上高(毎期増収傾向か?)
株価が上昇するためには前期比で増収傾向が続くのが必須条件です。
プラグパワーのような有望な成長企業は毎期30%~50%程度の増収率が望ましいです。
以下はプラグパワーの2014年期から2021年期の売上高推移です。
※業績の通貨単位は「百万米ドル」
売上高成長率はマイナスになる期もありますが、概ね右肩上がりで推移しているのがわかります。
2021年期では前期比+639.8%と大幅に売上高を伸ばし、5億ドル超えを達成しています。
プラグパワーの営業利益率(目安10%以上が優良)
営業利益は「売上-経費」で計算し、本業でどれだけ稼いだかを表す利益のことです。
営業利益率が高い=「儲かるビジネス」を手掛けているという判断がつきます。
現在、プラグパワーの営業利益率は2020年期を除きプラスで推移しています。
※通貨単位は「百万米ドル」
直近の売上高営業利益率は-87.1%でした。
売上が伸びても赤字幅が拡大しているため、営業利益率もマイナスで推移しています。
プラグ・パワーは2026年と2030年の売上高目標をそれぞれ50億ドル、営業利益率目標をそれぞれ17%および22%とするガイダンスがあるので、目標達成するためには、ここから大きく巻き返さなければなりません。
プラグパワーのEPS(1株当たり純利益)
計算式は「当期純利益÷発行済株式数」です。
EPSがこれまでの水準より高くなると株価に織り込まれて上昇しやすくなります。
プラグパワーは毎期赤字が続いているため、EPSもずっとマイナスが続いています。
EPSがプラスに転じないと株価が上がり続けることはないでしょう。
プラグパワーの営業キャッシュフロー
営業キャッシュフローは「期中に本業で発生した入出金で残ったお金はいくらになったのか?」を表す現金収支の数字です。
以下のようにプラグパワーの営業キャッシュフロー(営業CF)はマイナスが続いています。
※通貨単位は「百万米ドル」
このまま営業キャッシュフローのマイナスが続けば、現預金を切り崩して事業に充てたり、資金ショートしないように金融機関やその他から借入するか、株での資金調達などが必要担ってくる可能性があります。
そのようなことが起きれば、株式価値の希薄化につながるので避けたいところです。
プラグパワーの現金等残高(業績悪化の耐性は?)
プラグパワーの通期ごとの現金残高の推移です。
※通貨単位は「百万米ドル」
2020年、2021年と立て続けに現金が殖えていますね。
これは、
2021年:新規株式発行によって多額の資金調達を実行
したことが要因です。
株価的にはマイナスに作用しますが、企業の財務的には現金を手厚く用意されている状態はポジティブといえます。
プラグパワーの自己資本比率(目安40%以上が健全で高いほど良い)
自己資本比率(株主資本比率)は、現状の財務体質が健全かどうかを計る指標です。
高ければ高いほど安定した財務で倒産リスクが低くなります。
数値的には「40%以上:健全」「70%以上=極めて健全」な状態で、少なくとも30%程度の数値は上げておくとよいと言われています。
現在のプラグパワーの自己資本比率は77.4%と極めて健全な水準です。
赤字体質ではあるものの、前述のとおり株価が上昇したタイミングで現金を資金調達しているので、財務体質は極めて健全な水準だというのがわかります。
プラグパワーの配当金・配当利回り
プラグパワーは配当を出していません。
赤字なのに配当を出すのは株主から見てもよいものではありません。
配当を出すよりは、剰余リソースを事業成長に全振りして、早期黒字転換を目指すという段階なのでしょう。
プラグパワーの当期純利益(毎期増益傾向か?)
プラグパワーの当期純利益は通期ベースで赤字が続いています。
※通貨単位は「百万米ドル」
四半期決算ベースでも2014年06月期を最後にずっと赤字ですので、この状態が続けば、何か業績を変化させる材料等が出てこない限り株価が大きく上昇することは望めないでしょう。
プラグパワー株の買い方、購入できる証券会社
ここからはプラグパワー株を買うことのできる証券会社と手数料や銘柄数等のスペックを比較していきます。
プラグパワー株式の現物取引が可能なネット証券会社一覧表
プラグパワーの売買が可能なネット証券会社は以下の表のとおりです。
現物取引可能業者 | 米国株取扱銘柄数 | 手数料 | プラグパワーの取扱い |
---|---|---|---|
DMM 株 | 2,099銘柄 |
無料 ※売買時の為替スプレッドとして1ドルあたり 25銭がかかる |
あり |
楽天証券 | 約5,000銘柄 |
約定代金の0.495%(税込) ※最大22米ドル(税込) |
あり |
SBI証券 | 3,040銘柄 |
約定代金の0.495%(税込) ※最大22米ドル(税込) |
あり |
マネックス証券 | 約5,000銘柄 |
約定代金の0.495%(税込) ※最大22米ドル(税込) |
あり |
上記は現物取引に対応している証券会社となります。
レバレッジを効かせて大きく利益を狙うならCFD取引がおすすめ
米国株式への投資をするには現物取引以外にもCFD取引をする方法があります。
CFD取引とは、差金決済取引のことで言わば『自由度の高い信用取引』と言えます。
空売りが可能で、金利がかからず、FXのようにレバレッジ取引(最大5倍)にも対応しています。
少額から株投資を始めたいという方にとってはCFDはまさにうってつけの取引方法です。
プラグパワーへの投資であれば、1株あたり200円~300円程度で取引を開始できます。
プラグパワー株のCFD取引ができるネット証券会社一覧表
下の表は米国株の個別銘柄のCFD取引に対応しているネット証券各社を比較した一覧表です。
CFD取引可能業者 | 米国株取扱銘柄数 | 手数料 | プラグパワーの取扱い |
---|---|---|---|
GMOクリック証券 | 147銘柄 | 無料 |
なし |
IG証券 | 約17,000銘柄 | 2.2セント/株 |
あり |
サクソバンク証券 | 約6,000銘柄 | 約定代金の0.15% |
あり |
SBIネオトレード証券 | 31銘柄 | 無料 |
なし |
現在プラグパワー株をCFD取引できる証券会社は、IG証券とサクソバンク証券の2社です。
プラグパワーへの投資を検討中の方は、上表に記載の証券会社の中から口座開設してみてくださいね。
まとめ
以上プラグパワーの企業情報や決算情報、チャート及びファンダメンタルズ分析、株の買い方などを紹介しました。
ますますの発展が確実視されている水素市場で、プラグパワーはひときわ大きな存在になっていくことが期待されています。
プラグパワー株のこれまでのポイントを振り返ると
プラグパワー株への投資のポイント
- 水素及び燃料電池システムに関するビジネスを網羅的に展開している
- コロナバブルでプラグ・パワー株はダブルテンバガーを達成
- バブルがはじけると赤字体質のプラグ・パワー株価は暴落
- 早期黒字転換することが株価上昇のキーポイント
の4点が挙げられます。
「将来を見据えて水素関連事業に賭けてみたい」
という方は、プラグパワーの取引ができる証券会社へ口座開設をしておくことをおすすめします。
以下がプラグパワー株を取り扱っているネット証券会社4選です。
CFD取引でプラグパワーの売買をしたい方は以下2つの証券会社を利用してください。
上記したネット証券の口座開設手続き・維持費ともに無料です。
ノーリスクで手続きができるので、まだ口座開設していないという方は米国株投資の準備の一環としてでも、一旦開設だけしておきましょう。