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- 移動平均線のチャートの見方・使い方を完全網羅【レジスタンス・サポートライン・売買ポイントを解説】
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移動平均線は株式投資やFXなどで多くの投資家が利用している、レート推移の平均値を表したラインです。
一般的にはローソク足と共に利用され、ローソク足が棒グラフであれば、移動平均線は線グラフ。このふたつの組み合わせで相場の動きを見るものになります。
移動平均線はその名の通り平均値を表すことで、ローソク足では表すことのできない情報をチャートから得られ、さまざまな予測や分析に役立ちます。
ここでは、そんな移動平均線の内容や特徴、いろいろな分析・予測方法について紹介します。
株式投資初心者の方で、相場の分析・予測について学びたい方は、ぜひ参考にご覧ください。
目次
移動平均線とは?
移動平均線とは、簡単にいえば「一定期間の終値の平均値」を結んだ線のことです。
一定期間というのは5日間や25日間、75日間など、どちらかというとキリのいい日数で区切ったものになります。よく使われるのが25日、75日、200日移動平均線で、ほかには13週、26週があります。
この期間の長さによって、移動平均線は3種類のものが存在します。
中期移動平均線:20日や25日など中期の終値を結んだ平均線
長期移動平均線:100日以上など長期の終値を結んだ平均線
移動平均線はチャート全体を見てみると、山になったり谷になったりなど変化していることがわかります。
もし移動平均線が上向いている場合は相場が上昇傾向にあることを意味するケースが多く、逆に線が下へと向いている場合は相場の下落傾向を表すとされます。
感覚的に相場のトレンドが掴めるので、非常にわかりやすいものになります。
この3本の線をローソク足との位置関係などを組み合わせて読み解いていくことで、相場感やトレンド転換点、押し目買いや戻り売りのタイムを予測し、狙うことができます。
単純に移動平均線のいずれかを見るだけでも相場のトレンドがわかるので、分析の参考になることでしょう。
移動平均線は意外に簡単に算出できるもの
この平均値の算出方法は実はそれほど難しいものではありません。例えば、一定期間が5日間だったとする場合に下記のような終値で推移していたとします。
2日目の終値 111円
3日目の終値 112円
4日目の終値 111円
5日目の終値 110円
6日目の終値 111円
7日目の終値 112円
この場合、1日〜5日目までの終値の平均値は110円80銭でした。
すると、まず6日目に打たれる平均値が110円80銭になります。次に、2日〜6日目までの5日間の平均値が111円でした。すると7日目に現れる平均は111円で、この平均値を繰り返し算出して結んでいくことで移動平均線が現れるのです。
つまり、直近5日間の終値の平均値を算出していき、線で結んでいったものが移動平均線で、一定期間が25日、200日となっても同じように算出されていきます。
移動平均線はどのように読み解く?
移動平均線は算出方法からもわかるように、難しいものではなくて非常にシンプルで、さまざまな方法で相場動向の予測に使えます。基本的に守るべき原則はたったのふたつだけです。
・ローソク足との位置関係を調べる
・移動平均線の傾きを調べる
たったこれだけです。
ローソク足との位置関係で読み解く
ローソク足との位置関係ですが、そのときに考えられる状態というのは下記の3ケースになります。
- ローソク足が移動平均線より上 →強気相場(上昇トレンド)
- ローソク足が移動平均線より下 →弱気相場(下降トレンド)
- ローソク足と移動平均線がほぼ重なっている →横ばい
このルールはあくまでも原則ではありますが、一目でわかるルールでもあります。
ローソク足だけでは読みにくいですが、移動平均線を組み合わせることで、こんなにもトレンドが読み取りやすくなります。
そのため、チャートを開いたらまず見ることはこの移動平均線とローソク足の位置関係ということを習慣づけてください。たったそれだけで、今後の投資家ライフが大きく代わっていくことでしょう。
移動平均線の傾きでトレンドを読み解く
最初に移動平均線とローソク足の位置関係を確認し終えたら、続いて移動平均線の角度を見てください。
これによってトレンドの強さがわかりますので、今後どう相場が動いていくかがわかってきます。
この移動平均線の傾きもまた3つの原則を憶えておくだけでかなり分析の精度が違ってきます。
- 移動平均線が上がっている →上昇トレンド
- 移動平均線が下がっている →下降トレンド
- 移動平均線が水平に近い →横ばい
移動平均線が右肩上がりでも右肩下がりでも、その移動平均線の角度が急であればあるほど、トレンドは強いと見ていいです。上がり方が急なら上昇トレンドが強い傾向で、下がり方が急なら下落のトレンドもまた強いということです。
移動平均線の角度などに振り回されないことも大切
移動平均線が上と下のどちらを向いているか、ローソク足が移動平均線の上にあるか、下にあるか。
そういったことを見極めるのは初心者の方でも簡単です。ですが、単純に移動平均線に振り回されて分析を進めるのもいけません。
ここでは応用として次の可能性も憶えておきましょう。
最初に紹介している移動平均線の中でも短期、中期、長期の期間で見た移動平均線も組み合わせていきます。
短期線が上向きでも中期、長期線が右肩下がりなら、強気にならないこと
仮に短期移動平均線が上向きでも、中期移動平均線や長期移動平均線が下向きであれば、単純に強気相場になるとは限りません。
下の画像はそれに当たります。
短期線、中期線は上昇していますが、長期線は下降気味。この後、下降トレンドに転換していきます。
もし短期、中期、長期のすべての移動平均線が上向きであれば、相場が長期で見ても短期で見ても、上昇トレンドなのがわかるため、我々は強気で買いを入れることができます。
短期線が下向きでも中期、長期線が右肩上がりなら、慌てないこと
短期移動平均線が上向きで中期・長期移動平均線が下向きの時同様に、短期移動平均線が下向きだからといって、中期・長期移動平均線が上向きの場合はその後に相場が下落するとは限りません。
下の画像は短期線は下落していますが、中期線は横ばい、長期線は上昇しています。
短期的に下落しても、中期・長期的には上がるのですぐに値を戻し、再び上昇する可能性があります。ですので、すぐに保有する株を手放すなど慌てた行動に出る必要はありません。
もし、短期移動平均線が下向きで、中期・長期移動平均線も下向きに動いた場合は、下降トレンドが強い可能性が高くなりますので、戦略上で損切りラインに近づく人は株を手放すことも視野に入れて、その後の動きを見守った方がいいです。
とにかく、短期移動平均線だけが下落気味の場合は、惑わされず様子を見ましょう。
移動平均線はレジスタンスラインやサポートラインとしても活躍する
売買のタイミングとしては上がりきったときに売り抜け、下がりきっているときに買うのがベストです。
ということは、株式売買で大切なのはレートが反転するタイミングになります。上がりきって下がり始める瞬間、下がりきって上がるタイミング。これが絶妙に読み取れることが株やFXの売買で最も重要です。
そのタイミングとして多くの投資家が意識するポイントであるのが
- サポートライン
- レジスタンスライン
です。サポートラインは下値支持線のことで、上昇トレンドの際に安値を水平に結んだ右肩上がりの線。レジスタンスラインは上値抵抗線のことで、下降トレンドの際に高値を水平に結んだ右肩下がりの線です。
このふたつのラインは、押し目買いや戻り売りを狙ったり、トレンド転換を予測することが可能です。
そして、これらのラインは一般的にはトレンドラインを引いて形成するわけですが、実は移動平均線を使うこともできるのです。
ここでは、サポートラインやレジスタンスラインの内容や特徴、移動平均線をサポートラインやレジスタンスラインの代わりに使う方法などについて、確認していきましょう。
投資家が意識するポイントであるサポートライン、レジスタンスラインとは?
相場というのは上がり下がりを繰り返しながら上昇トレンドや下降トレンド、レンジ相場などを形成します。
それを分析する際に、多くの投資家が注目するのがサポートラインとレジスタンスラインで、これを見ることでトレンド転換を予測することが可能だとされます。
サポートラインは下値支持線で、上昇トレンドの際にレートがサポートライン付近まで下がったとしても、多くの投資家が注目しているので逆に多くの買い注文が入るようになり、再び値を上げることが多いです。
そのため、ライン付近まで下がったら再度上昇することを見越して押し目買いを狙うことがひとつのテクニックになります。
レートがサポートラインを割り込むこともあります。
そのときは逆に上昇トレンドにはならず、強めの下降トレンドへと転換する可能性が高いです。
もう一方のレジスタンスラインは上値抵抗線で、下降トレンドの際にレジスタンスライン付近まで上昇をしても、多くの投資家がポジションを手放す可能性が高くたくさんの売り注文が入ると予想されるため、再び下落する可能性が高まります。
一方で、レジスタンスラインをレートが突き抜けていく場合もあり、そのときは下降トレンドから上昇トレンドへと一気に転換する可能性が高いです。
サポートラインやレジスタンスラインは、レンジ相場でも高値や安値を結んでラインを引くことができます。
サポートラインやレジスタンスラインは、チャートに自分でトレンドラインを引いて相場を調べることが一般的ですが、移動平均線をラインの代わりすることも可能です。
なぜ移動平均線がサポートラインやレジスタンスラインとして機能するのか?
移動平均線がサポートラインやレジスタンスとしてなぜ使うことができるのでしょうか。
それは、根本的な部分でいうと、移動平均線は一定期間内の終値の平均値を結んだものですから、多くの投資家が株を買ったレート付近でもあるということになります。
そのため、移動平均線はすなわち「投資家の損益分岐点付近」だとも考えられるのです。
移動平均線よりもレートが下がれば損失を負うし、逆にが上がれば利益を得られるということを強く意識するポイントであるということです。
たくさんの投資家が同時に意識することで売買のトレンド、つまり相場は移り変わっていくことになります。
同時に移動平均線というのは、一定期間の平均を算出して出現しますから、基本的にはリアルタイムの株価の後を追って動いていくということになります。
ですので、ライン付近まで下がると買い注文が多く入り、価格が上昇していきます。
そのため、押し目買いを狙うこともできますし、逆にレートが移動平均線を割り込んだ場合は上昇トレンドから下降トレンドへの転換する可能性があり、そのポイントを狙って売買することも可能です。
サポートラインやレジスタンスラインは、多くの投資家が意識するポイントをラインにしたものであり、移動平均線も多くの投資家が意識する線でもあるため、自動的にトレンドを作り出すラインとなりますから、従来のサポートラインやレジスタンスラインと同じ役割を果たすわけです。
移動平均線をサポートライン・レジスタンスラインと見た場合の売買のポイントとは?
ここでは移動平均線をサポートラインやレジスタンスラインとして使う場合、どのような動きをすれば売買ポイントと捉えることができるのか見ていきましょう。
売買ポイントを知ることで、取引の幅が広がり、チャンスが広がります。
買いタイミング
まず、「買い」のタイミングを見てみましょう。
これは、レートがサポートライン付近まで下がった時です。ライン付近まで下がれば、多くの買い注文が入る可能性が高まり、レートが反転して再び上昇をすることが多いです。
そのため、サポートライン付近まで下がった時は買いポジションを持つことで利益を狙うことが可能です。
移動平均線をレジスタンスラインとした際の買いのタイミングは、価格がラインを下から上に突き抜けた場合です。
このケースでは強い上昇トレンドへと転換することがよく見られ、大きくレートが上昇する可能性が高まります。ラインをブレイクした場合は買いポジションを持つことで、利益を狙うことができます。
売りタイミング
移動平均線をサポートラインと見た場合における「売り」のタイミングとは、まずはレートがラインを上から下へ割り込んだ場合です。
この場合では多くの投資家が意識するラインを突き抜けてしまったわけですので、強い下降トレンドへと転換する可能性があり、一気に下落することも考えられます。
逆に、移動平均線をレジスタンスラインとした場合では、レートがライン付近まで上昇した時が売りポイントです。
ライン付近まで上昇すれば、多くの売り注文が入るようになる傾向があり、再び下落する可能性が高まります。ですので、そのポイントを売りのタイミングとして狙うことができます。
ゴールデンクロスやデッドクロスを移動平均線から読み取る
移動平均線はすでに説明しているように、短期の線、中期の線、長期の線があります。
これらの位置関係や、前項のように実際のレートが移動平均線をどう交差するかでトレンドを推測することが可能です。
この交差する方向を分析する中では、特に移動平均線において「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」と呼ばれる交差の仕方が売買シグナルとして有名で、多くの投資家がこれらを利用して、トレンドの転換点や相場動向を予測しています。簡単に説明すると、ゴールデンクロスとデッドクロスは下記のようなものです。
ゴールデンクロス | 短期移動平均線が中期・長期移動平均線を下から上へ突き抜ける=基本的には上昇トレンド=買いシグナル |
---|---|
デッドクロス | 短期移動平均線が中期・長期移動平均線を上から下に割り込む=基本的には下降トレンド=売りシグナル |
これも原則は非常に単純なので、先のように移動平均線とローソク足の位置関係、移動平均線の角度などと同時に、移動平均線同士がどう交差するかを見るだけで、売買のタイミングを図ることができます。
しかし、大きな問題もあって、ゴールデンクロスとデッドクロスの売買シグナルの出現は比較的多くあり、その中にはダマシ(原則通りにはトレンドが動かないこと)もあるため注意が必要です。
クロスするときの移動平均線の向きや角度も大きく関係する
移動平均線は株価との位置関係や、向きや角度によっても今後の相場の動きを予測することが可能であることは説明済みです。
角度は簡単にいえばトレンドの強さを表すものになります。
これらの特徴をあらかじめ知っておくことで、ほかの投資家が意識しているポイントを推測することができ、先回りして売買するタイミングを図ることができます。
移動平均線における売買シグナルであるゴールデンクロスやデッドクロスにおいても、角度によってその後のトレンドの強弱が変わってきます。
買いに走っていいのか、売りに走るべきなのか、その強気弱気もわかってくるのです。
まず、短期移動平均線が長期移動平均線を下から上へと突き抜けるゴールデンクロスの場合では、両線の角度が深ければ深いほど強いゴールデンクロスであり、その後のトレンドは強く上昇することになります。
一方で角度が浅ければ浅いほど弱いゴールデンクロスであることを示します。
そうなると、ゴールデンクロスとはいっても原則通りにならず、上昇トレンドとしては期待できないかもしれません。
逆に短期移動平均線が長期移動平均線を上から下へと突き抜けるデッドクロスにおいては、両線の交差する角度が深ければ深いほど強いデッドクロスを表し、下降トレンドも強いものであると考えられます。
そして、角度が浅ければ弱めのデッドクロスであることを示すというわけです。
ゴールデンクロスは上昇を、デッドクロスは下降を表すことが原則ですが、交差する角度によってもまたその後の上がり方と下がり方が変わってくるのです。
ただ、先ほども説明したようにダマシも少なくないので、必ずしも原則通りに分析するのではなく、あくまでも1つの参考指標として把握しておきましょう。
実際のレートと移動平均線の距離感が数字でわかる移動平均乖離率
ここまでは移動平均線とローソク足の位置関係、移動平均線同士の交差の仕方など、移動平均線の動きを中心に紹介してきました。
しかし、実はもうひとつ重要なポイントがあり、移動平均線と実際の株価の位置関係もよく見ておかなければなりません。
実際の株価と移動平均線がどれくらい離れているかという位置関係を見るには、株価と移動平均線がどれだけ離れているかを数値で示す「移動平均線乖離率」という指標を確認することです。
移動平均線との距離が近い時、離れている時の中では特に離れている時に今後の展開を注視するべきです。
あくまでも原則ですが、株価というのは移動平均線との距離が離れた後は、やがて平均値近くまで戻ってくるという性質を持っています。
株価と移動平均線の距離が離れた場合は、やがて近づいていくという性質があることを認識した上で、今後の展開の予測に役立てましょう。
移動平均線乖離率はどんな特徴を持つ?
株価と移動平均線の位置関係を見れば、次にどのように動くか予測できる場合があります。
そして、位置関係を把握するときに確認する指標が「移動平均乖離率」です。移動平均乖離率を使えば、どれくらい離れているかを数値で判断することができます。
移動平均乖離率を用いれば「株価と移動平均線が結構離れているな」や「少しだけ離れている」、「前回と同じくらい離れている」など、「なんとなくの距離感」ではなく、数値化して具体的に離れている距離を示すことができます。
一般的に移動平均線から5%以上離れた場合は相場が過熱していることを表し、多くの売り注文が入る可能性があります。
さらに、10%以上離れた場合は天井圏である可能性が高く、多くの売りが入り、強いトレンドで下落していく恐れがあります。
逆に、移動平均線が5%以上離れると多くの買い注文が入る可能性があり、10%以上離れた場合は底値圏で反発し、上昇トレンドが強めで推移していく可能性があります。
一方、株価が移動平均線よりも下にある場合は「下方乖離」といって、マイナスのパーセンテージで表示されます。
この移動平均乖離率を計算する式は下記の通りです。
例えば、株価の終値が1100円で移動平均値が1000円だった場合は、
((1100円−1000円)÷1000)×100=+10%
となります。つまり、10%ほど上方乖離しているといえます。
逆に、株価が850円で移動平均値が1000円の場合は、
((850円−1000円)÷1000円)×100=−15%
ですから、-15%も下方乖離しているといえます。
このように、移動平均乖離率を求めれば、何%ぐらい株価と移動平均線が離れているかがわかり、過去の乖離率と比べたり、買い戻しを狙うポイントにすることも可能になるのです。
買われすぎ、売られすぎを移動平均乖離率から判断する方法
株価が移動平均線から大きく離れた場合は、買われすぎ・売られすぎの状態であれば、やがて元の位置付近まで戻ってくるとされます。
しかし、「買われすぎ」あるいは「売られすぎ」は何をもって判断すればいいのでしょうか。判断する際に役に立つのが移動平均乖離率です。
移動平均乖離率は株価と移動平均線が離れている距離を数値化できるため、過去の乖離率と比較したり、ボーダーラインを設けることで、株が買われすぎ・売られすぎの状態かどうかの判断ができます。
では、具体的にどう移動平均乖離率を見ることで買われすぎなのか売られすぎなのかを判断する方法を見てみましょう。それには大きく分けて2つの判断方法があります。
①過去の乖離率と比較
まずは現在の乖離率と過去の乖離率を比較します。
そうすることで、その銘柄の乖離率はどれくらいが妥当なのかがわかり、移動平均乖離率のピークを把握することができます。
ほかにもさまざまな見方や把握の仕方がありますが、シンプルな方法は過去1年以上のチャートを確認し、検証することが確実です。
過去の乖離率の大きい部分を見て、最大値を把握すればおおよそのピークがわかります。
ピークがわかれば、どれくらいの乖離率が出た場合に逆張りしたらいいかというのもわかってくるでしょう。
例えば、過去の乖離率が−5%〜+5%の範囲でレートが推移していた場合は、現在の乖離率が−5%や+5%付近に達したら、買われすぎ・売られすぎの状態と判断し、売買ポイントと捉えることができます。
これはその銘柄によって違うので、個別に判断する必要があります。
②±10%を売買サインの目安にする
一般的に乖離率が−10%〜+10%以上になると、移動平均乖離率における売買サインとも言われています。
銘柄や状況によって異なるため、絶対というのはありませんが、ひとつの参考指標として判断に使えます。
しかし、上でも説明している通り、移動平均乖離率は、過去の乖離率との比較が銘柄ごとに必須であり、単純に−10%・+10%以上になった場合は買われすぎ・売られすぎと判断して逆張りすることは危険でもあります。
銘柄によって上昇する勢いや下落する勢いがまったく異なるため、平均的な乖離率も違えば、大きく離れた際の乖離率も違うのですから。
株価と移動平均線が大きく離れた際の乖離率ひとつとっても、8%の銘柄もあれば、12%の銘柄もありさまざまです。
銘柄によって投資家や出来高も違い、相場の動き方もまったく違います。ですので、単純に−10%・+10%以上を乖離率からの売買シグナルであると判断するのは危険です。
ひとつひとつの銘柄を丁寧に研究し、売買のポイントとなる乖離率を導き出す必要があります。
移動平均乖離率はひとつの売買シグナルではありますが、これだけで相場動向を完全に読み解くことは不可能なのです。乖離率の指標通り、買われすぎ・売られすぎにより、価格が戻る可能性もありますが、相場は複合的な要因で動いているため、さらに下落や上昇を続けることもあります。
「移動平均乖離率はあくまでも参考指標のひとつにすぎない」ということを念頭に置いた上で、取引をするようにしましょう。
まとめ
移動平均線は単純な指標でありながら、さまざまな見方ができ、いろいろな相場予測の方法があります。
そのため、多くの投資家が意識する損益分岐点という見方もできます。それをサポートラインやレジスタンスラインと見ることもできますし、ゴールデンクロスやデッドクロスだけでなく、株価との距離も相場を予測するための材料になります。
ひと目で上昇トレンドや下降トレンドを見ることもできますし、分析のテクニックもすべて初歩的なもので、初心者がチャートを使った分析を始めるにもぴったりです。
平均値を表すということは、多くの投資家が株を買っている平均レート、つまり相場であることがわかり、実際のレートが上を行くのか下を行くのか、その後どう動くのかを考えれば、ほかの投資家を先回りして売買ができるようになります。
移動平均線は多くの投資家が意識している価格でもあります。ローソク足や位置関係、ここで紹介してきたテクニックを駆使することで、ほかの投資家がどんな心理でどんな動きをするか、予想が立てやすくなります。
ですので、まずは移動平均線のことをしっかり理解し、かつチャートを開いたらどんなときでも移動平均線とローソク足をセットで見るという習慣を身につけるべきです。
それだけで勝率はかなり変わってくるはずです。