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サンラン株の買い方、企業分析、将来性

サンラン(RUN)株式の買い方、将来性、購入できる証券会社

2023年6月25日

米国ではバイデン政権の施策により、脱炭素系銘柄への期待値が上がっています。

中でもVivint Solar社を買収し、住宅用太陽光発電の最大手となったサンラン(Sunrun、銘柄コード:RUN)の注目度は高いです。

今後の成長に期待が持てるのか、そして株価がどうなっていくのか、気になっている方も多いでしょう。

国内では情報を得にくいサンランの事業内容や決算情報、将来性、財務状況についてまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

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サンランとは

サンラン(Sunrun)は米国サンフランシスコを拠点に、住宅用太陽光発電システムの提供を行っています。

契約形態はリース、あるいは電力購入です。

設置から保守までをサンランが行うため、顧客はほぼ場所の提供だけを行う形になります。

初期費用もほとんどかからずクリーンなエネルギーを得られるため、数十万人もの顧客に支持されています。

このような業態のため、設備投資の費用が非常に大きくなり、現状の利益というよりは、いつ利益が出始めるかという期待感で株価が上下しているようです。

企業ミッションは「太陽光で動くプラネット(惑星)を創る」

サンランは2007年に設立されました。

「太陽光で動くプラネット(惑星)を創る」と掲げたとおり、当初から太陽光発電システムの設置・管理を主業としています。

SolarCity社の打ち出した初期費用のないソーラーリース事業を後追いした形でしたが、2018年にはSolarCity社を買収したテスラ社を抜き、業界トップとなりました。

サンランの競合企業

住宅用太陽光発電と蓄電池のサービスプロバイダーとして知られる「サンラン」ですが、太陽光電池パネル市場の競合他社としては以下の企業があげられます。

サンランの競合企業一覧

  • テスラ(TSLA「ソーラーシティ」)※2016年にソーラーシティを買収
  • ビビントソーラー(Vivint Solar)※2020年にサンランが買収
  • Titan Sorlar Power
  • Freedom Forever
  • サン・パワー(SunPower)
  • モメンタム・ソーラー
  • トリニティ・ソーラー・パワー
  • ファースト・ソーラー(FSLR)
  • サンノバ・エナジー・インターナショナル(NOVA)
  • エンフェーズ・エナジー(ENPH)
  • デューク・エナジー(DUK)
  • サザン(SO)
  • ピナクル・ウエスト・キャピタル(PNW)
  • ネクステラ・エナジー(NEE)
  • ソーラーエッジ・テクノロジーズ(SEDG)

中でも、サンランと激しいシェア争いを繰り広げているのが、「テスラ」です。

そして、2016年にはソーラーシティの買収をきっかけに、テスラが業界トップの座を一度勝ち取っています。

ただ、サンランはその後の2018年にテスラを抜き、業界ナンバーワンとなっています(詳細は後述)。

太陽光発電装置業界は寡占化するような圧倒的に強い企業はいまだ存在しません。

需要の高まる業界であることもあり、今後の動向が注目されています

サンランの住宅用太陽光発電設置市場のシェアは約20%

サンランは、2018年に競合である「ビビントソーラー(Vivint Solar)」やテスラの「ソーラーシティ」をおさえ、米国・住宅用太陽光発電設置市場の業界シェア1位を勝ち取りました。

2019年にはすでに、住宅用太陽光発電設備の容量ベースのシェアを9.2%まで伸ばしています。

▼米・住宅用太陽光発電市場プロバイダー別シェア
米・住宅用太陽光発電市場プロバイダー別シェア
出典:Tesla drops to third place in US home solar installer rankings | Wood Mackenzie

さらに、サンランの躍進はとどまることを知りません。

翌年2020年には、競合相手であった「ビビントソーラー」の買収に成功。

この買収は、業界1位が2位を買収するというインパクトのあるものでした。

ビビントソーラーのシェアは2019年で8.4%であることを踏まえると、サンランのシェアはこの買収により20%弱に到達したと推定されます。

業界を牽引してきたテスラに対して、サンランが新たに強力なライバルとして確かな地位を築きつつあると言えます。

サンランの事業の強み3つ

サンランが手掛けている事業における強みは次の3つです。

  1. 「第3者所有(TPO)モデル」で住宅用市場で脚光を浴びる
  2. 消費者の手間をことごとく省くビジネスモデル
  3. 約50万人の顧客を抱え、3GWを超える太陽光発電の資産を保有

これらの強みを知ることで、今後のサンランの行く末を占うのに役立つと思いますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

「第3者所有(TPO)モデル」で住宅用市場で脚光を浴びる

10数年前までは、米国では住宅用太陽光発電の導入には大きな負担が必要でした。

利用者の多くは銀行からの融資を受け、ローンという形で支払っていたのです。

その状況を変えたのが「第3者所有(TPO:third party ownership)モデル」です。

利用者は設置場所(例えば家の屋根など)を提供し、そこにサンランのような企業が太陽光発電システムを設置します。

管理運用もサンランが行い、利益は生産された電力を売却することで得られます。

利用者には金銭的な負担がほぼなく、サンランは太陽光発電システムの所有権を持つという仕組みです。

この方式によって米国の住宅用太陽光発電は脚光を浴び、シェアを広げることになりました。

この手法を広めたのは後にテスラに買収される「ソーラーシティ」

「TPOモデル」を最初に広めたのはソーラーシティ社でした。

同社はこのモデルによって、「初期費用不要、電気料金は即時節約可能」という触れ込みで販売を拡大し、住宅用太陽光発電市場でトップシェアとなります。

しかし、この初期費用のないビジネスモデルが人気となったことで、後追いしてきた多くの企業との間で激しい競争が生まれることになります。

その結果、ソーラーシティ社はEVのみならず蓄電池事業も手掛け、巨大企業に変貌を遂げつつあったテスラ社に買収されました。

ただしその後の2018年には、サンランがテスラ社のシェアを超え、トップシェアとなったのです。

消費者の手間をことごとく省くビジネスモデル

先に述べた「TPOモデル」により、サンランのような事業者と利用者は、電力購入契約(PPA:Power Purchase Agreement)やシステムリースなどの長期契約をし、わずかながらのイニシャルコストのみで太陽光発電システムを設置できるようになります。

顧客は大金を捻出する必要も、管理の必要もありません。

システムの運用・モニタリング・管理、補修等は事業者側で行うため、設置場所を提供する他は特段の負担も不要で、クリーンなエネルギーを利用することができるのです。

このように顧客の負担を大きく省いたモデルのため、事業者の設置の負担が大きくなります。

初期投資を回収するには長い時間がかかるため、企業の体力が必要となります。

その中でサンランはすでに多くの顧客を獲得し、トップシェアとなっています。

住宅用太陽光発電の分野で、かなり優位に立っていることは間違いないでしょう。

約50万人の顧客を抱え、3GWを超える太陽光発電の資産を保有

以下の表はサンランとビビント・ソーラーのデータと、買収後の「新・サンラン」のデータを比較したものです。

▼サンランとビビント・ソーラー、「新・サンラン」のデータ比較表(2019年第1四半期時点)
サンランとビビント・ソーラーのデータ比較表
出典:Sunrun’s Pricey Deal For Vivint Solar (NASDAQ:RUN) | Seeking Alpha

サンランはビビント・ソーラーの買収を通して、3GWの太陽光発電設備と495,000人の顧客を抱えるリーディングオーナーになりました。

一方で、世界の中でも特にアメリカ国内では、環境変化に高い対応力を誇るクリーンエネルギーを確保する技術の確立が強く求められています。

そして、その業界トップを走るサンランは、家庭用太陽光発電と蓄電池周辺の技術や営業力に磨きをかけ、事業基盤をより確かなものにしていく経営方針を採っています。

業界を引っ張るトップとして、この先もさらなる成長を目指しているのがサンランの現状なのです。

サンランの将来性

クリーンエネルギーが注目されている米国ですが、住宅用太陽光パネルの普及率はいまだ10%にも満たないため、今後の市場拡大が見込まれています。

また、サンランは家庭用蓄電池サービスも提供しています。

太陽光発電システムと親和性の高い技術のため、より選ばれる事業となり得るでしょう。

財政状況では未だ苦しい中にありますが、業界トップとなる目標を達成したため、今後は研究費の削減など、利益を安定させる方向に舵を取っています。

サンラン(RUN)の株価、今後の展開

以下はサンラン(RUN)のリアルタイム株価チャートです。


サンランの株価は過去数年間にわたり、着実な成長を示してきました。

特に再生可能エネルギーへの関心の高まりや環境問題への取り組みの拡大に伴い、サンラン社の株式は注目を集めています。

2015年8月に米・ナスダックに上場後、2018年までの株価は4ドルから8ドルのレンジで推移していましたが、その後は下値を切り上げ、2019年には20ドルを超えます。

2020年3月のコロナショックで8ドル割れまで急落しましたが、その後の急騰ぶりには目を見張るものがありました。

コロナショック後、1年足らずでテンバガーを達成

2020年3月のコロナショック後は、コロナ禍による市場の不安定さや再生可能エネルギーへの関心の高まりにより、サンランの株価は急激に上昇しました。

持続可能なエネルギー業界の成長潜在力に注目が集まり、その結果、短期間で10倍以上に上昇し、株価は翌年2021年1月には100ドルを超えテンバガーを達成。

ただし、そこがピークで下落トレンド入りし、1年後の2022年2月には20ドルを割れるほどまでに下落。

2023年6月現在でも15ドル前後の水準で推移しています。

サンランの決算情報・ファンダメンタルズ分析

サンランの業績を売上や利益、財務体質の面から実際の数字を用いて分析してみます。

現状の業績と今後の予測、ファンダメンタルズ的に株価は買いなのか等を検証してみましょう。

サンランの売上高(毎期増収傾向か?)

株価が上昇するためには増収傾向、最低でも横ばい以上の数値が出ていないといけません。

サンランのような成長企業は毎期30%~50%程度の増収率を上げたいところです。

以下はサンランの売上高推移です。
サンランの売上高推移
※業績の通貨単位は「百万米ドル」

売上高成長率は毎期あたり50%以上で推移していて、直近の売上高は13億4900万ドルとなっています。

成長力は文句ありませんね。

ただし年々成長率は減少傾向なので、どの数値で底打ちするのかにも注目です。

サンランの営業利益率(目安10%以上が優良)

営業利益率は売上に対する営業利益の割合を示した数値です。

営業利益は「売上-経費」で計算し、本業によって稼いだ利益のことを言います。

営業利益率が高いということは「儲かるビジネス」を手掛けているというのがわかります。

現在、サンランの営業利益率はマイナスです。
サンランの営業利益率
※通貨単位は「百万米ドル」

直近の売上高営業利益率は-64.2%と売上が伸びるほどに赤字が大きくなっています。

これは後払い決済市場の競争激化が要因の一つだと思われます。

競合となるAfterpayや欧州発のKlarna、PayPal、さらにはAppleもBNPLサービスに参入することがわかり、ますます競争環境が厳しくなっていくことが想定されます。

ただし、CEOのマックス・レブチンは、2023年期中での営業黒字化を目指していると宣言しています。

そのとおりになれば、今までの底ばいで推移していた分、営業黒字化が発表されたタイミングで株価が急騰する可能性が高いです。

サンランのEPS(1株当たり純利益)

EPSは「1株あたりの利益(Earnings Per Share)」を意味します。

計算式は「当期純利益÷発行済株式数」です。

EPSがこれまでの水準より高くなると株価に織り込まれて上昇しやすくなります。

サンランは赤字のためEPSもマイナスで推移しています。
サンランのEPS

EPSがプラスに転じる要素がなければ、株価的にも上昇しにくくなります。

サンランの営業キャッシュフロー

営業キャッシュフローは「本業を運営中に入金または出金されたお金がいくらになったのか?」を表す現金収支の数字です。
サンランの営業キャッシュフロー
※通貨単位は「百万米ドル」

サンランの営業キャッシュフロー(営業CF)はマイナス傾向が続いています。

営業キャッシュフローのマイナスが続くと、現預金を切り崩したり、資金ショートしないように金融機関からの借入や株主からの資金調達などの必要性が生じてくるので、なるべくなら避けたいところです。

サンランの現金等残高(業績悪化の耐性は?)

サンランの決算期ごとの現金残高の推移です。
サンランの現金等残高
※通貨単位は「百万米ドル」

ピーク時の2021年12月期より10億ドル程度減っていますが、現状は2022年6月期より微増して15億3,000万ドル水準となっています。

サンランの自己資本比率(目安40%以上が健全で高いほど良い)

自己資本比率(株主資本比率)は、現状の財務が借金体質かどうかを見る指標です。

高ければ高いほど安定した財務だということになり、数値的には「40%以上:健全」「70%以上=極めて健全」な状態と言われています。

少なくとも30%程度の数値は上げておきたいところです。

サンランの自己資本比率は37.5%です。
サンランの自己資本比率

赤字体質でありながら最低限の自己資本比率はキープできていて、現状では外部からの資金調達に頼ることなく順調な経営が見込める状態です。

サンランの配当金・配当利回り

サンランは現在配当を出していません。

株主に配当を出すよりは、剰余利益を今後の事業成長に割り振りたいという段階なのでしょう。

サンランの当期純利益(毎期増益傾向か?)

サンランの当期純利益は赤字拡大が続いています。
サンランの当期純利益
※通貨単位は「百万米ドル」

毎期ごとに売上は大幅な増収を達成するも、それに連れて赤字幅も大きくなる傾向があります。

引き続き増収傾向はキープしつつ最終的な利益も確保できるようになると株価は上昇に転じるでしょう。

サンラン株の買い方、購入できる証券会社

ここからはサンラン株を買うことのできる証券会社と手数料や銘柄数等のスペックを比較していきます。

サンラン株式の現物取引が可能なネット証券会社一覧表

サンランの売買が可能なネット証券会社は以下の表のとおりです。

現物取引可能業者 米国株取扱銘柄数 手数料 サンランの取扱い
DMM 株 2,099銘柄 無料
※売買時の為替スプレッドとして1ドルあたり 25銭がかかる
丸印
あり
楽天証券 約5,000銘柄 約定代金の0.495%(税込)
※最大22米ドル(税込)
丸印
あり
SBI証券 3,040銘柄 約定代金の0.495%(税込)
※最大22米ドル(税込)
丸印
あり
マネックス証券 約5,000銘柄 約定代金の0.495%(税込)
※最大22米ドル(税込)
丸印
あり

上記は現物取引に対応している証券会社となります。

レバレッジを効かせて大きく利益を狙うならCFD取引がおすすめ

米国株式への投資をするには現物取引以外にもCFD取引をする方法があります。

CFD取引とは、差金決済取引のことで言わば『自由度の高い信用取引』と言えます。

空売りが可能で、金利がかからず、FXのようにレバレッジ取引(最大5倍)にも対応しています。

少額から株投資を始めたいという方にとってはCFDはまさにうってつけの取引方法です。

サンランへの投資であれば、1株あたり200円~300円程度で取引を開始できます。

サンラン株のCFD取引ができるネット証券会社一覧表

下の表は米国株の個別銘柄のCFD取引に対応しているネット証券各社を比較した一覧表です。

CFD取引可能業者 米国株取扱銘柄数 手数料 サンランの取扱い
GMOクリック証券 147銘柄 無料
バツ印
なし
IG証券 約17,000銘柄 2.2セント/株
丸印
あり
サクソバンク証券 約6,000銘柄 約定代金の0.15%
丸印
あり
SBIネオトレード証券 31銘柄 無料
バツ印
なし

現在サンラン株をCFD取引できる証券会社は、IG証券サクソバンク証券の2社です。

サンランへの投資を検討中の方は、上表に記載の証券会社の中から口座開設してみてくださいね。

まとめ

以上サンランの企業情報や株の買い方について解説しました。

革新的なサービスを提供しているサンランは注目のハイテクグロース銘柄ですが、今現在は株価がピーク時から10分の1程度にまで暴落して底値圏で低迷し続けています。

サンラン株への投資のポイントは以下3点です。

サンラン株への投資のポイント

  • 全米が注目する「後払い決済サービス」の新興成長企業
  • インフレ懸念による米国長期金利の上昇等の影響でサンランの株価は大きく調整
  • 赤字が続いているが黒字転換すれば株価も一気に上昇していく可能性が高い

「伸びしろの大きいサンランへ投資したい」

という方は、サンランの取引が可能な証券会社へ口座開設をしておくことをおすすめします。

以下がサンラン株を取り扱っているネット証券会社4選です。

  1. DMM 株
  2. 楽天証券
  3. SBI証券
  4. マネックス証券

CFD取引でサンランの売買をしたい方は以下2つのネット証券を利用してください。

  1. IG証券
  2. サクソバンク証券

上記したネット証券の口座開設はいずれも無料です。

ノーリスクで手続きができるので、口座開設がまだの方は米国株投資の準備の一環として、ひとまず開設だけしておきましょう。

著者情報
投資歴10年。日本株・米国株投資、FX、仮想通貨、不動産、インデックスファンド、なんでも手広く投資中。普段はコツコツ、鉄火場や期待値の高い相場の時だけ大きく張るの…

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