• 石光商事の株主優待は1,500円相当の自社製品。コーヒー豆を中心に紅茶、食料品などの輸入・販売を行う企業
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主力のコーヒー豆は世界約40ヶ国から輸入。コーヒー生豆のパイオニア企業

2017年11月4日

石光商事は主コーヒー生豆の輸入やそれに関するビジネスで利益を上げてきた企業です。
近年のカフェブームやコンビニコーヒーの売り上げ増に伴い、消費量は拡大する一方ですが、競争の拡大により、新規産業と並行してコーヒー生豆の輸入を行う業者も増えています。

今回は、石光商事がコーヒー輸入から始まりどのような軌跡で成長したかということやそれを取り巻く食料品業界の現状、そして株主優待では人気の食品での優待について注目します。

明治39年にアメリカで食料品販売業としてスタートしたコーヒー・飲料の老舗企業

石光商事は明治39年にアメリカ・ロサンゼルスにて企業としての産声をあげました。
創業者の石光季男がアメリカで食料品販売業を始めたことがきっかけです。明治42年には食料品卸売業に発展をし、日本商品の輸入を開始しました。

大正11年には対日貿易が増加したことにより本店を神戸市に移転、北南米、豪州、地中海沿岸国やアジア諸国との貿易活動が活発化しました。しかし戦争の激化に伴い、昭和16年には1度休業することとなります。
事業が再開したのは昭和26年のことで、再開した貿易業ではコーヒーや紅茶などの輸入食品の取り扱いをしていました。

昭和28年にはヨーロッパ、アフリカ、オーストラリア方面の販売力強化とさらなる国際市場参入を果たしました。
その後各拠点を開設するとともにその地方に関する販売力強化を経て収益を向上させてきました。平成16年は日本証券業協会に店頭登録してから2年後のことであり、ジャスダック市場に上場しています。また平成24年、25年にはそれぞれ中国に子会社、タイに子会社を設立しており、さらなる国際競争力の強化を図っています。

石光商事の強みは、全世界をまたにかけたネットワークの広さとマーチャンダイジング力です。コーヒー・飲料部門ではインスタントコーヒーからレギュラーコーヒー及び業務用、家庭用の紅茶パックの製造やパウダー化製品、調合などを行い、食品事業では世界各地から缶詰フルーツの輸入を行い、水産加工品をベトナムやタイといった地域からの輸入、反対に野菜加工品に関しては、北海道から鹿児島まで広がる食材調達網により安定した加工品を生産し海外に向け販売する貿易を執り行っています。

そのほか煎茶や和風食品のアジア市場を中心とした新規開拓先への輸出などを手掛け、日本の食品を海外へ展開することまでを手掛けているため、非常に広範囲な地域から収益を計上する技術があることも強みです。

石光商事株式会社の株価や配当

事業の種類:卸売業 優待の価値:1,500円(3,000円の場合も)
優待の種類 権利確定月・日 優待回数
飲食料 3月(中間配当がある場合は9月も含まれる) 年1回
株価 配当利回り 優待利回り
384円 2.6% 0.78%
必要投資額 単元株数 1株あたりの配当
38,400円 100株 10円

石光商事の株主優待とは

石光商事の株を保有することによって受け取れる株主優待は、自社製品です。

株主優待は1,500円相当の自社製品。人気のドリップコーヒーバッグなど

もともと海外食品の卸売業を生業として経営しているため、自社で取り扱う商品を優待として株主に還元しています。
商品の内容は年によって様々ですが基本的にはコーヒーか紅茶の可能性が高いようです。

食料品の企業の良いところは、その企業の商品が売れることを予想して株を買うことになるので、その企業の商品が売れる可能性が高いということです。
さらに自社製品を株主優待にする企業も多いことから、その売れる商品を投資するだけでもらえるところも魅力として挙げられます。

株主優待に関しては食料品を扱う企業よりも消費が簡単なものを提供するとことは少なく、地域性が高いものも多いので、受け取る側の負担も非常に少なく済みます。

石光商事の場合、株主優待の金額は2種類あり、500株以上の保有で得られる1,500円相当の株主優待と、1,000株以上で得られる3,000円相当があります。1株単位で盛られる金額はどちらも同じですが、投資金額も少なく済むことから、大きくもらうほうが有利といえそうです。

2018年3月期は増収増益予想で1Qの経常利益進捗率は−2.6%と黄色信号

石光商事は創業から一貫して海外製品の輸入や加工、輸出で収益を上げてきた企業です。そのため海外と日本の価格の差や為替市場、さらに政治情勢などが経営にかかわる重要なファクターとなります。
売り上げはこれまでの事業の多角化などにより順調な成長を遂げている一方で、海外売り上げ比率がそこまで高くないという課題があります。

一般的に海外食品を扱う企業の場合では、海外売り上げ比率が50%であれば海外との価格差のリスクや為替リスクは低下します。海外売上比率が50%を大きく超える場合は当該国家に依存度が高まり、リスクが高くなります。
さらに海外売上比率が低すぎた場合においては、国内商品ではないため、物価変動率と為替市場による影響を大きく受ける可能性があります。

石光商事の場合では海外比率が比較的低いため、国内市場の物価変動と為替市場とのバランスが直接的に収益を左右します。そのため為替市場が大きく円高に進みながらも国内の物価が下落しない場合においては非常に大きな利益をもたらすことができる反面、為替市場で円安が進んでいる状況下において国内物価が上昇しなかった場合においては真っ先に収益の圧縮が起きます。

直近のデータでは年間の為替推移割合は11%円安になっているのに対して、物価の上昇率は-07%であったため、国内で同じ金額を売り上げたとしても仕入れ額の上昇に追いつくことはありません。
したがって今後の見通しとしては、単純に収益率が増えることは難しいですが、国内市場のみならず海外市場での収益が向上すると円安下でも上昇局面を迎えることがあるということになります。

2017年3月期
売上高は前期比−3.8%の380億9,400万円
営業利益は前期比+87.1%の5億700万円
経常利益は前期比+28.5%の5億4,600万円
利益は前期比−48.4%の1億9,700万円の減収減益でした。
2018年3月期
売上高は+1.1%の385億円
営業利益は+38.1%の7億円
経常利益は+20.9%の6億6,000万円
利益は+128.4%の4億5,000万円の増収増益予想です。
2017年8月9日に発表された第1四半期の業績
売上高が前年同期比−1.2%の93億7,000万円
営業利益が−200万円(前年同期比は1,400万円)
経常利益は−1,700万円(前年同期比は1,600万円)
と進捗状況はよくありません。

中長期保有で応援をしたい方や少額投資希望者にもおすすめ

石光商事を取り扱うときに特に注意すべきなことは、アジア地域の経済状況と為替市場、国内物価の3点です。

アジア地域の経済状況は比較的2015年に比べて落ち着いており、物価の急上昇の波は過ぎ去ったかに見えます。
しかしインフレ率の高い国は依然として多数存在しているため、これからさらなるインフレ率の上昇には注意が必要です。

為替市場では年間の変動幅も10%前後に落ち着いていることもあり、海外比率を高めることでよりリスクを低減できます。

国内物価に関しては消費税の再増税も控えているため、上昇に期待は持てないでしょう。そのため石光商事をお勧めする投資家は「ポートフォリオ内に海外売り上げ比率が50%以上の企業があり、かつ他業種に拡大していて、それでいて配当などのかたいところを狙える株を組み入れる」投資家です。

優待利回りはやや低めだが配当利回りは2%以上初心者でも検討しやすい

石光商事のように国内で輸入品を国内で販売している企業は少なくありません。しかしそれらの企業は国内市場に代替品がある企業が多いため、円安とともに赤字に転落する可能性もあります。

しかしコーヒーなど国内に資源がない商品の場合、最低限の収益を確保することは可能となります。
そのため大崩れしにくい企業として安定して配当や株主優待を受け取る目的を強く持つことで、平均より高い収益を得ることが可能となる銘柄でもあります。
したがって今後の為替市場次第では大化け株の一つとなるかもしれません。

著者情報
株主優待が大好き。 桐谷さんのように優待だけで生活するのが夢。 でも不動産投資やFXにも魅力を感じている今日この頃。

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