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- 三角合併とはどんなもの?三角合併により株主の権利や資産はどうなる?
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合併や買収といった言葉、またはM&Aという言葉はよく聞くようになりました。しかし三角合併はどうでしょうか。聞きなれないという人も多いと思われます。今回はこの三角合併について、その概要とどのような場合に行われるのかを見ていきます。また、三角合併に伴う注意点も簡単にまとめておきます。
三角合併が起こると、合併される側の企業の株主は吸収する方の企業ではなく、そのさらに親会社の株式をもともと持っていた株式の対価として受け取ることになります。株式投資をする際、自分が株をもっている会社が三角合併によって消滅するときには、どのような対価を受け取ることができるのかをしっかり確認しておきましょう。
目次
平成17年に成立した新会社法によって明確に認められた三角合併とは
三角合併という制度は平成17年に成立し、平成18年5月から施行された新会社法によって可能になりました。この新会社法では吸収合併される側の株主が受け取ることのできる対価を買収する側の株式ではなく、現金その他の財産を用いることを認めたもので、対価の柔軟化と呼ばれています。
これにより、原則直接の合併が必ずしも認められない外国企業と国内企業のM&Aが加速することが見込まれています。
三角合併の仕組みと外国企業と国内企業の三角合併時の流れ
三角合併の仕組みは言葉で説明するのは少し難しいのですが、なるべく分かりやすく解説していきます。
まず、吸収合併をする時には消滅する側の会社(A社)と存続する側の会社(B社)が存在します。A社の権利義務をB社にすべて承継させるのが吸収合併です。当然A社は消滅することになるのですが、同時にA社の株式も消滅します。この時A社の株主に対しては当然ながら保障としてA社の株式分の対価をB社から受け取ることができます。
B社がA社の株主に対して支払う対価として現金その他の財産を用いることができます。三角合併とはその際の対価としてB社の親会社であるC社の株式をA社の株主に対して支払うことを指します。
やはり言葉だと難しいので例を出して流れをご説明しますね。まず前提条件はこちらです。外国企業C社があります。このC社は国内のA社を吸収合併したいと考えています。
- 三角合併の流れ①
C社がA社を直接合併・買収することは難しいので子会社としてB社を国内に設立します。 - 三角合併の流れ②
B社がA社を合併します。これによりA社は消滅し、B社が残ります。 - 三角合併の流れ③
B社はA社の株主に対してC社の株式を対価として交付します。
このようにA社とB社間の吸収合併にB社の親会社であるC社が関係してくる合併を三角合併と呼びます。
三角合併は外国企業が国内企業を合併買収する際に利用される
上記のように複雑な仕組みの三角合併ですが、どのような場合に利用されることを想定しているのでしょうか。経済のグローバル化が進む中で、外国企業による国内企業の買収やその反対の買収も加速していくでしょう。
以前からそういった国境を越えた合併買収の障害になりうると指摘されていた部分を明確にしたのが新会社法です。これにより消滅会社の株主に支払う対価について現金その他の財産を利用できることが明確になり、三角合併が可能となりました。
外国企業が国内企業を合併買収により実質的には子会社化する場合の三角合併
三角合併が想定されている場面としては外国企業による国内企業のM&Aでしょう。三角合併の流れのところでも説明した通り、外国企業が直接国内企業を買収するのは現実的ではありません。そこで利用されるのが三角合併です。
三角合併が解禁されたことにより、買収する側は莫大な現金を用意する必要なく、価値のある自社株式を使って相手企業を買収することが可能になりました。これによって外国企業は国内企業を実質的な子会社として吸収合併することができ、経済のグローバル化がますます進むことが期待されています。
三角合併が行われる際の注意点と株主としての心構え
三角合併の仕組みや、外国企業による国内企業の実質的な完全子会社化の流れはご理解いただけたと思います。ここからは、三角合併によって消滅する企業の株主に存続会社が支払う対価についての注意点と、消滅する企業の株主が知っておきたい心構えをお伝えします。
三角合併における存続会社が支払う対価の取得方法に関する注意点
三角合併では存続する会社が消滅する企業の株主に対して対価を支払う必要があります。実際には存続会社の親会社の株式が対価として支払われるのですが、その対価を支払うのは子会社である存続会社であることに注意が必要です。つまり、存続会社は対価として支払う分の株式を親会社から取得しておく必要があるということになります。
消滅する企業の株主が持つっておくべき心構え
自分が株主として応援していた会社が消滅してしまうのは寂しいような気がしまね。さて、三角合併によって株主が受け取る対価は存続企業の親会社の株式でしたね。対価として株式を受け取る際には計算上の端数が出てくることも十分考えられます。その場合、その端数分は存続会社から現金として受け取ることになることを覚えておきましょう。
三角合併により国境を越えたM&Aがますます増えていくことが予想される
パッと聞いただけではなかなか理解しにくい三角合併についてできるだけ分かりやすく説明していきました。三角合併は主に国境を越えた合併買収で用いられる手法で、外国企業が国内に子会社を作り、その子会社が買収を行います。その際、消滅する会社の株主に対する対価として外国企業の株式を支払うのが三角合併です。
三角合併により国境を越えたM&Aが容易になり、ますます経済のグローバル化が進むことが予想されています。