- 株式投資
- 公定歩合って何?公定歩合の意味と株式市場に与える影響をやさしく解説
当サイトには広告・プロモーションが含まれています。
当サイトでは、複数企業と提携し情報を提供する広告収益モデルで運営しています。 当サイトを経由しサービスや商品のお申込みが発生した場合、各企業から報酬を受け取る場合がございます。公定歩合の上げ下げは株価の上下に連動するその理由とは??
ニュースなどで公定歩合という言葉を目にすることが時々あります。
この公定歩合とはなんのことなのでしょう。公定歩合と一緒に使われる言葉に日銀やゼロ金利政策がありますね。公定歩合と日銀にはどのような関係があるのでしょう。そして公定歩合とゼロ金利の関連はどこにあるのでしょうか。
公定歩合の意味を知り、株式市場に及ぼす影響を理解しておくことで株式投資を有利に進めることができます。
なぜならば一般的に公定歩合が下がると株価が上がると言われているからです。
今回は公定歩合の意味と株式市場との関係性、そして公定歩合が下がると株価があがるその理由について見ていきます。
目次
公定歩合って何?日銀やゼロ金利とどのような関係にあるの?
まずはズバリ公定歩合とは何かを簡単にご説明します。公定歩合とは中央銀行が市中銀行にお金を貸す時の金利のことです。
日本の中央銀行は日銀ですから、日銀がその他の銀行などにお金を貸し付ける際の金利ということになります。
現在日銀はゼロ金利と言われるとても低い公定歩合を設定しています。
現在の公定歩合は0.30%とほとんど0%に近いのでゼロ金利と言われているのですね。日銀ではこの公定歩合を上下させることで金融市場や経済活動に対して働きかけをしています。
金融市場というのは株式市場などの金融商品を扱う市場のことです。ですから、公定歩合によって株式市場はある程度の影響を受けているのです。
公定歩合を変更することによる株式市場に及ぼす影響とその理由
日銀が公定歩合を変更するのは金融市場や経済活動に対してなんらかの変化をもたらしたいと考えているからです。
公定歩合を変更することによって、企業の活動が活発になったり、資金が金融市場に流れ込んだりします。もちろんその逆もあって、企業が資金繰りに困って倒産したり、リスクがある金融商品ではなく銀行預金をする人が増えることもあるのです。
公定歩合を変更することによる企業の経済活動への影響
公定歩合を変更することによって企業の経済活動に変化が起こります。
一般的には公定歩合が引き下げられると企業の経済活動は活発になり、公定歩合が引き上げられると経済活動が引き締められます。
例えば、公定歩合を引き下げる場合を考えてみましょう。
公定歩合、つまり日銀からお金を借りる時の金利が下がれば市中銀行は日銀から安く資金を調達することが可能となります。そうなると銀行も企業などへ低い金利でお金を貸すことができます。
金利が低ければ企業は低いコストで資金を調達することができるようになり、企業の経済活動が活発になります。
公定歩合を変更することによる消費者の生活におよぼす影響
公定歩合の変更は銀行や企業だけでなく私たち消費者の生活にも影響を及ぼします。
企業活動が活発になればお給料も上がることが見込まれますが、その逆では収入アップはあまり期待できません。それだけでなく、公定歩合は金利全体に影響を及ぼすのでマイホームの購入や自動車ローンにも影響を及ぼします。
また、金利が低いため預金に対する利子があまりつかないという現象が起こります。
銀行にお金を預けておいても利子がつかないのであれば、思い切って株に投資してみよう、投資信託を始めてみようという人も増えてきます。
公定歩合が企業や消費者の経済活動におよぼす影響を理解し、株式投資に活かす
このように、公定歩合は単なる金利の上げ下げということではなく、企業や消費者の行動に影響を及ぼします。
一般的には公定歩合が引き下げられれば株価は上がり、公定歩合が引き上げられると株価は下がると言われています。このことを理解することで株式投資に活かすことができます。
公定歩合と株価のこのような関連がなぜ起こるのでしょうか。次章からはその理由を「コスト効果」「アナウンス効果」の2つに分けて説明していきます。
公定歩合の変更が株価に影響を与える理由その1 コスト効果
先ほど、公定歩合が変更されると企業の経済活動に影響を与えるということをお話ししました。
公定歩合が変更されることで銀行の金利にも影響を及ぼします。企業は設備投資などの再生産のための投資にかかる費用を銀行から調達することが多く、その際の金利は単純にコストとなっています。
銀行の金利が変更されれば、企業にとってのコストも変わってくるということなのです。これを「コスト効果」と呼びます。
公定歩合を下げた場合にはどのようなコスト効果が見込めるか
公定歩合が引き下げられると、銀行は日銀から低い金利でお金を借りることができるようになります。
銀行にとっても資金調達にかかるコストが低く抑えられるわけです。ではその削減したコストの分をどこに還元するかと言えば、銀行自身がお金を貸す時の金利に反映させます。
普通に考えて日銀の金利が低くなったのに銀行の金利が高いままでは信用を失うことにもなってしまいますよね。
ですから、公定歩合の引き下げによって銀行がコストを削減できる分は銀行の利益にするのではなく、銀行が設定している金利に反映させます。
銀行がお金を貸し出す際の金利が下がれば、企業は金利をほとんど支払うことなくお金を借りることができます。
その借りたお金は設備投資に回したりして企業活動、つまり利益をあげる活動に充てます。このように活発に経済活動を行うことで企業は利益を上げます。
企業の利益が上がれば、それは業績アップということになり株価が上がるのです。
公定歩合を上げた場合のコスト効果は下げた時の逆の効果
公定歩合を引き上げた場合に期待されるコスト効果は公定歩合を引き下げた時の逆です。
銀行の金利があがり、企業は銀行からお金を借りにくくなります。お金を借りにくくなので経済活動が停滞し、企業の評価が下がり株価は下がる傾向にあります。
公定歩合の変更が株価に影響を与える理由その2 アナウンスメント効果
公定歩合の変更による影響としてコスト効果のほかに「アナウンスメント効果」があります。「景気は気分だ」と言った宰相がいましたが、アナウンスメント効果とはまさにこの気分のことで、市場関係者の気分に対する効果のことです。
本当に気分の問題である「アナウンスメント効果」が株価に影響を与えるの?
アナウンス効果は市場関係者の気分に対する影響です。現実問題として民間での経済活動がこれだけ活発で大きな規模を持っている日本において公定歩合の上下が経済全体に与える影響は限定的です。
しかし、公定歩合が変更されると、銀行などの金利も変わるのではないかという期待が生まれます。
市場関係者の気持ちのなかで、「きっと金利があがってくるぞ」とか「また金利がりそうだ、金融市場が動き出すぞ」といった期待、予測が生まれるのです。これがアナウンス効果です。
市場関係者の気分の中で生まれた期待は取引の場にも影響を与えます。
金利が下がることを予測していれば企業の業績アップまでを予測し、株式市場が活発になり、結果として株価が上がることにつながります。
公定歩合の上下と株価の上下はコスト効果、アナウンス効果で連動する
公定歩合が上がると株価はさがり、公定歩合が下げられると株価はあがります。
公定歩合が引き下げられれば企業はその活動を活発化させ、利益を上げます。利益の上がる会社は業績への評価が高まり株価はあがっていきます。また、公定歩合が下がることで金利が下がることを期待し、多少のリスクをとってでも金融市場に資金を移動させる投資家も増えてきます。
一般消費者の視点から見ても、金利が下がると貯金をしているのがばからしくなります。
現在の銀行預金の利子の額を見てため息をついてしまう人も多いのではないでしょうか。日銀のゼロ金利政策で金利が低くなり利子がつかないのです。こうなってくると銀行に預金しておくよりも多少のリスクをとってでも株式などの金融商品への投資に資金を回す人が増えてきます。
株式市場への資金が増えると需要が増えることになり、需要と供給の関係から株価が上がります。
公定歩合と株式市場の関係を理解することで株式投資の際の判断材料の一つになりますね。