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- なぜ円高になる?北朝鮮ミサイル発射リスクで高まる円の価値とは?
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8月29日早朝、北朝鮮がミサイルを発射しました。ミサイルは日本の上空を越えて、北海道襟裳岬の東方約1180キロの太平洋上に落下しました。
北朝鮮がミサイルを通告なく発射したことを受け、Jアラートが鳴り響き、多くの日本人が早朝からミサイルの存在を意識させられたことでしょう。
一見すると今の日本は北朝鮮のミサイルの標的にされ、非常に不安定な状態にあるように思えます。
しかし、日本の円相場はここで妙な動きを見せました。
なんと円が売られるどころか買われたようで、円相場は一挙に高騰したのです。1ドル109円だった相場は1ドル108円まで価値を高め、その後にいたっても円安になる兆候はなさそうです。
どうやら北朝鮮のミサイルをもってしても、円の安全神話は崩れなかったようです。
目次
もしも今後日本と北朝鮮との間に武力衝突があった場合、日本はどうなる?最悪のケースとは?
例えばの話し、もしも冷蔵庫にある食べ物の消費期限が明日で切れるとわかったら、普通ならできるだけ早めに食べて処分することでしょう。
それは通貨においても同様で、もしも日本円が危ないと思ったら、普通ならば持っている円を全て売ってしまうことでしょう。
円が売られれば当然、円の価値は低くなり、円安となります。
万が一、日本と北朝鮮が武力衝突するようになることがあれば、普通に考えるなら円は危ないと世界中から思われ、日本円は暴落するだろうと考えたとしても、それほどおかしくはないでしょう。
なにしろ日本には軍隊がありません。
自衛隊はあくまで専守防衛、日本を守るための組織であり、憲法を改正でもしない限り、たとえ北朝鮮に攻められたとしても防戦しかできません。
日本という国単独では、北朝鮮と武力衝突が起きた時、絶対に日本が優位に立てるという可能性が低くなります。
ただし、ここにアメリカが関わって来ると話しは異なってきます。
言わずもがな、アメリカは世界でも最大の軍事力を持つ超大国です。
今回、確かに北朝鮮は日本に向けてミサイルを打ちましたが、それは見方を変えると、アメリカを恐れるあまり、方向を日本に変えたとも見て取れます。
日本がアメリカと同盟を結んでいる限り、北朝鮮は日本の背後にアメリカを見ることになります。
万が一、日本と北朝鮮との間に武力衝突が発生したとしても、同盟国であるアメリカは必ず介入することになるでしょう。
今回、ミサイルが日本上空を通過した際に、円は高騰し、円高となりました。
これはおそらく、海外の機関投資家がポジションを解消したのと、株価下落に対する為替ヘッジが要因でしょう。
他にも、有事の際には日本円を買えば良いという、半ば動物的な衝動によって引き起こされた可能性が高いです。
ただ、円高になる傾向こそありましたが、円安になる傾向がないのはどういうことなのでしょう?
おそらく、今回のミサイルが初めてではないことと、Jアラートこそ鳴りましたが大きな被害はなかった事などが原因として考えられます。
今回はミサイルが太平洋に落ちてしまったということもあってか、アメリカも今のところ静観していますが、もしも武力衝突があれば、今度こそ武力介入することになったでしょう。
そうなれば、北朝鮮がアメリカに勝てる見込みはないだけに、日本は結局のところ安全なのかもしれません。
もしも日本円が暴落するシナリオがあるとすれば、それは日本とアメリカの同盟を解消し、尚且つミサイルの迎撃に失敗して東京などの主要な都市が壊滅した場合、などが考えられます。
致命的な被害に遭わない限り、現状を鑑みると、たとえ武力衝突があったとしても、円は円高になることこそあれ、円安になる見込みは低いかもしれません。
ミサイルが発射されてからの経緯を教えて!
今回、北朝鮮がミサイルを発射したと見られる時刻は午前5時58分頃であり、6時3分頃にJアラートが鳴ったとされています。
ミサイル発射からJアラートが鳴るまでの間がたった5分ということもあり、これでは本当にミサイルを打たれた時、逃げるような暇がないということで、問題視されています。
さらにもう一つ、今回日本はミサイルが発射されるにあたり、迎撃を行いませんでした。
ミサイルを迎撃しなかった根拠は3つあり、1つは通過することが予測できたこと、2つ目は当たらないミサイルに向かって高価な迎撃ミサイルを無駄撃ちできないから、3つ目はたとえ上空であろうとも迎撃をすればそれが開戦の合図になりかねない、などがあります。
迎撃ミサイルの目的は日本への被害を減らすことであり、高高度を飛んでいるミサイルを打ち落とすことは難しいようです。
それだけに、今回のようにはるか上空を飛んでいるミサイルを迎撃することは難しく、仮に迎撃したところで失敗した可能性の方が高いようです。
発射されたミサイルはその後、午前6時6分頃に北海道上空を通過し、6時12分頃に襟裳岬1180キロの太平洋に落下したとされています。
その後、6時24分頃に安倍首相が会見し、6時40分頃に官房長官が会見したという流れとなっています。
ミサイルはどこから発射されて、どこに落ちたの?また、どんなミサイルだったの?
菅義偉官房長官の会見によれば、今回発射された北朝鮮のミサイルは北朝鮮西岸より北東方向に向けて発射され、その後に北海道襟裳岬の上空を通過しました。
その後、襟裳岬の東1180キロの太平洋上に落下したと推察されているそうです。
発射されたミサイルは中距離弾道ミサイル「火星12号」の可能性が高いとのことで、このミサイルの飛行距離は約2700キロ、最高高度は約550キロとのことです。
今回のミサイルは通常よりも高い角度で打ち上げる「ロフテッド軌道」と呼ばれる形態であろうといった見方が示されています。
北朝鮮がミサイルを撃ったことで、日経平均はどんな動きを見せた?
今回の北朝鮮のミサイル発射を受け、日本の株式市場は一時的に下落しました。
米ドル/円相場は円高へ、日経平均は200日移動平均線の1万9321円を割り込む勢いで下落したようです。
今回の下落の要因といえば、やはり北朝鮮のミサイルによる地政学リスクが原因でしょう。
北朝鮮がいつミサイルを日本に向けて発射するかわからない限り、海外の投資家としてはリスクがある以上、日本株のポジションを増やす気にはならないのかもしれません。
ただし、早朝こそ突発的な事態もあってか下落したものの、お昼頃からは下げ渋るようになり、大きく下落することがくなりました。
確かにミサイルの影響で一時的な下落こそ見せたものの、むしろこの下落をチャンスと捉え、下落した段階で日本株を買った投資家もいるのかもしれません。特に防衛関連の石川製作所の株はこれを機に急伸を見せたようです。
今回のミサイル発射騒動は世界にどれくらいの影響を与えたの?
確かに今回、北朝鮮が事前通告なしにミサイルを発射したことを受け、円高と株安という事態が進行しましたが、それはあくまで一時的なものであり、お昼を境に円相場も日経平均株価も安定した動きを見せるようになりました。
ミサイルの発射という有事に関わるニュースがあったため、一時的に円高、株安となったものの、徐々に情報が増えるにつれて、特に大きな被害が見つからなかっただけに、市場は安定を取り戻したのかもしれません。
ただ、いくら被害が無かったことがわかったにせよ、すぐにでも円安になる、株高になるといった気配はなく、どちらかといえば投資は控え、様子見しているといった様相を呈しています。
正直なことをいうと、確かに今回は北朝鮮の突発的な行動に世界は驚きましたが、では具体的に何か被害があったのかと言われると、何もないとしか答えようがないだけに、今回の騒動が世界経済に与える影響は小さいかもしれません。