- 株式投資
- 利益が赤字の会社のPERはどうやって計算する?活用する意味はあるの?
当サイトには広告・プロモーションが含まれています。
当サイトでは、複数企業と提携し情報を提供する広告収益モデルで運営しています。 当サイトを経由しサービスや商品のお申込みが発生した場合、各企業から報酬を受け取る場合がございます。赤字会社のPERはあてにできないが、参考として考える余地はある
あなたは購入する株の銘柄を選ぶときにPERを参考にしていますか?
PERは株価の割安感を表している指標の1つだと言われているので参考にしている人も多いと思います。
ところが四季報やファイナンスについてのHPなどではPERの表示がない会社もあります。それらの会社は決算が赤字の会社なのです。
PERが表示されていないということは、PERを知りたければ自分で計算するしかありません。
どのように赤字の会社のPERを計算すればいいのか、そして赤字の会社のPERは参考にする指数としてどれほど信頼できるのか。これから一緒に見ていきましょう。
目次
赤字会社のPERの計算方法
PERは株価収益率と呼ばれ、株価の割安感をみるために使われる指標の1つです。計算式は「株価÷1株利益」になります。
PERの計算方法をおさらいしよう
1株利益は「純利益÷発行株数」でEPSと呼ばれます。
ちなみにPERの単位は倍です。PER15倍だとか、PER60倍というように使われます。
PERは株に投資した分の元をとるのに必要な年数の目安としても使われます。PERが10倍ならば10年で元が取れる、というように理解します。
さて、赤字会社のPERも黒字の会社のPERも計算の仕方はまったく同じです。
赤字だとPERマイナスになる
PERの計算に使われる数字をすべて上げてみると、「株価」「純利益」「発行株数」になります。
このうち「株価」と「発行株数」はなにがあってもマイナスにはなりません。
しかし「純利益」は赤字であれば当然マイナスになりますね。
「純利益」がマイナスになると計算の結果出てきたPERの値もマイナスになります。
PERは割安感を判断する指標で低ければ割安となります。ではマイナスのPERはどのように理解すればいいのでしょうか?
マイナスのPERは超割安という意味??
PERは株価の割安感を知るための指標の1つです。
PERが大きければ割高で、小さければ割安、というように判断されます。もちろん、一概にどの数字が割高で、どのくらいの数字ならば割安かは言えません。
一つの目安として同業の他社と比べたり過去のPERと比べたりするわけです。
PERが小さければ割安とういことは、PERがマイナスになるということは超割安という意味でしょうか?
実はそんなことはまったくありません。
PERには「元を取るのに必要な年数」という意味合いもあります。元を取るのに必要な年数がマイナスになることはありえないですよね。
過去にさかのぼるなんてタイムマシーンじゃあるまいし絶対にありえません。
では、PERがマイナスになるということは何を意味するのでしょうか?
その答えは「意味がない」です。禅問答をしているのではありません。
赤字会社のPERを計算してもなんの意味もないのです。
PER以外の方法で株価の割安さを判断してみる
PERは株価の割安感を判断する指標の1つです。指標の1つと言ったのは、ほかにも割安感を判断する指標があるからです。
PER以外にも株価の割安感は判断できる
そもそも株の割安感を判断するのにPERだけを頼りにするのは心もとないですよね。
どんな場面でも1つのソースだけで物事を判断するとあまりいい結果にはなりません。株でも複数の指標を組み合わせて考えることが大切です。
株価純資産倍率(PBR)について
さて、PER以外に株価の割安感を判断する指標にPBR(株価純資産倍率)があります。
PERは利益から株の割安感を判断しますが、PBRでは資産の面から株の割安感を判断します。
計算式は「株価÷1株あたり純資産」で求められます。
PBRは1に近ければ近いほど割安だと判断されます。またPBRが1に近づくほど、底値に近付いていると考えれれています。
PBRを使うことで会社の利益とは関係なく株価が割安か割高かを判断することができます。
収益力からの考える
赤字だったからと言ってその会社が全くダメな会社かというとそうは言い切れません。
例えば、東日本大震災のような大きな災害によって、その期間だけは操業できなかったり、出費がかさんだして赤字になっているけれども、その後は回復するだろうと予想される場合もあります。
また今は我慢の時だ、「実力はあるからきっと今後はV字回復するだろう」と期待されることもあるでしょう。
赤字会社の赤字については一時的なものなのかどうか、そして不可抗力によるものなのかどうなのかもよく分析しなければいけません。
その上で、本来の収益力を見積もって考える方法もあります。
赤字決算を出したものの、その後の業績の回復が見込まれる場合、どの程度まで回復するのかを見積もってPERを計算し直すこともできます。
この方法は将来の収益を見積もるのでとても難しく初心者向きではないかもしれません。
ただ、上場している会社は業績の予想もだしているので、決算が赤字だったしても次の期の予想で回復しているようであれば、そちらの予想PERで株価の割安感を判断できます。
将来の収益が見込めるなら今のうちに買っておく
赤字会社の株価はたいてい下がります。
そこで、将来の収益の回復が見込めるのならば思い切って安いうちに買っておくのもありだと思います。PERがマイナスだから割安だとかそういう意味ではなく、赤字だから安くなっているのです。
そこで今後数年で回復が見込めるのであれば買っておくのも一つの方法です。
今後数年というのが難しいところです。その数年のうちに別の悪い材料が出てきて、最悪倒産ということになるかもしれません。
リスクが非常に高いということだけは頭に入れておきましょうね。
赤字会社のPERについてのまとめ
赤字会社のPERについて要点をまとめてみましょう。
- 赤字会社のPERはマイナスになる
- マイナスのPERは指標としては使えない
- 基本的には赤字の会社の株には手を出さない
- ただし、回復が確実に見込める場合は買っておくのもあり
PERが割安感をはかる指標として使えない場合はPBRなどを使って割安感を判断できますが、通常、指標は組み合わせて使うものです。
その中でPERが使えないわけですから、PBRを参考にしても結局不確定要素が多くなります。そのリスクは常に考えておく必要があります。