• 決して万能ではない板情報。特に成行注文を出す時には注意
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なぜ板情報を見ながら成行注文を出すことは注意が必要なのか?

2017年3月31日

短期の株の売買をするときに非常に便利で重要な情報の1つに板情報があります。
板情報は値動きの予想や現在の注文数が分かるので多くの人が活用している情報です。
板情報のみで売買をするデイトレーダーもいるほど重要な板情報ですが、決して万能ではありません。

板情報だけでは読み取れない情報、板情報とは関係ないが重要な情報もたくさんあります。そんな板情報についての注意点と、特に成行注文と板情報の関係について詳しくみていくことにしましょう。

板情報には成行注文は反映されないことに注意

板情報を見ながら取引をする際に気を付けなければいけないのが成行注文です。
板情報では売り注文や買い注文の値段と量がリアルタイムで分かります。

また、株価が上がりそうなのか、下がりそうなのかの予測もできます。しかし成行注文は板には反映されていません。そこに注意が必要なのです。

通常、板情報を見て売り注文よりも買い注文の方が多ければ株価は上がっていくだろうと予想できます。
しかし成行で売りの注文が大量に入った場合はどうでしょうか?板情報とは裏腹に株価は下がることになります。

このように板情報には成行注文が反映されない、ということは板情報を利用して取引する以上避けられないデメリットの1つになりうるということは覚えておいてくださいね。

板情報を取り入れる時の鉄則は?

すでに紹介したように板情報には成行注文は反映されていません。
このように板情報には成行注文が含まれていないことをよく頭に入れておくことが大切です。また、自分で注文を出す時には成行注文ではなくなるべく指値で注文することも鉄則です。
例えば、現在株価が2,100円で売り注文が1,000株あったとします。勢いとしても株価が上がっていきそうなので買っておきたい。そんなタイミングで成行注文をだすと株価が2,200円にあがっていて2,200円で約定してしまうこともあります。

板情報を見ながらの取引は基本的にはデイトレードでの取引になると思います。デイトレードではちょっとしたミスが命取りになることもあります。ですので成行注文は極力避け、指値で注文するようにしましょう。

もう一つの鉄則として、注文がたくさんある厚い板の銘柄で取引をするということもお伝えします。

例えば、あなたが買いの注文を入れたいとき、当然他にも買いたい人がいて、すでに注文をしている場合もあるわけです。買いたい量に対して売りたい人が少ない場合は株価は上がっていきます。

このように、注文数が少ない板で取引をすると株価が急激に動きやすい場合もあります。板情報を見るときには板の厚さも確認しましょう。

指値より成行の方が優先して約定する

もう一つできるだけ指値で注文を出した方がいい理由を説明します。

それは指値より成行注文が優先して約定するとうことです。つまり成行注文を出してしまうとほぼ確実に約定してしまうということになります。
これでは自分が意図していない価格で約定してしまうことにもつながり結果として大きな損になってしまうこともあります。

板情報では取引の質が分からない

板情報では買いと売りの注文数と値段がリアルタイムでわかります。その均衡によって値動きを予想したりするわけです。ということは、板情報からはその注文が何を目的にした注文であるかはわかりません。

特に気を付けたいのは短期での注文です。これはデイトレーダーや証券トレーダーによる短期資金のものだったり、理由はなんであれ一刻も早くその株を処分したいというものだったりします。

もしも一刻も早く処分したいと思っている人の注文であれば、どんな値段でも売ってくるので株価は下がっていくでしょうから、落ち着くまで待つのもありでしょう。

大口での注文が入ればそこから一気に値動きする可能性もあります。
この注文の質を見抜くことができないのが板情報のデメリットの1つです。

注文の質を見極めるための歩み値

以上のようなデメリットを克服するためには「歩み値」というデータを用いるといいかもしれません。「歩み値」は約定した株数をその時間ごとに記録したものです。
約定したものをすべて記録するので成行注文で約定したものも含まれます。

歩み値は注文ごとに処理されているので大口の注文だったのか、小口の注文だったのかも確認することができます。特に節目の価格での大口の注文はその後の値動きが活発になることの合図だとも考えられます。

また、歩み値が小刻みにたくさん流れている場合はどんどん注文が出されては約定している、ということを意味しています。

これは損切でどんどん処分したい人や流れに乗り遅れないようにどんどん買いたい人が増えていることを意味しています。

このように歩み値を見ることで板情報だけでは分からない注文の質もわかるようになります。

なぜ板情報と成行注文は相性が悪いのか?の結論

タイトルにもなっているこの質問の答えを一言でいうと、「板情報は万能ではないから」につきると思います。

板情報を見て、「これから上がりそうだから今すぐ買いたい。え~い成行で注文出しとけ!」と注文を出すのと同時に流れが反転してしまうかもしれません。

そもそも「上がりそう」が見せかけだけなのかもしれません。(わざとみせかけることを見せ玉といい、禁止されています。)

どんな手法でも完璧な手法はありません。買う、売るという判断をする時にはどんなに優れているように思える手法やテクニック、指標であってもそれをうのみにせず、なぜ現状になっているのか、その先はどうなりそうか、ということを複合的に判断する必要がありますね。

今回は板情報と歩み値を取り上げましたが、ほかにも組み合わせて使った方がいいデータがあるかもしれません。

優れた投資家は自分なりの勝てるルールを持っているものです。しかもそのルールは一つとは限りません。

みなさんも本記事を参考に、自分なりの勝てるルールを作ることをおすすめします。

著者情報
自虐に突っ走る投資初心者。腹八分目を肝に銘じつつ、欲と恐れと戦いながらどこまで我慢できるか毎日チキンレース繰り広げてます。

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