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- 投資信託のリスクは好みのスタイルを選ぶ事によって最小限に抑えられるからこそ初心者におすすめ
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少し前まで、投資家という響きは一部の富裕層をイメージさせるものでした。
ですが、少子高齢化や人口減少問題の中で社会保障制度が危ぶまれ、普通預金利息が0.01%という低金利時代を背景に、一般的な所得層にも収入源としての投資を考える流れが出てきているように感じます。
株式投資も不動産投資も少ない金額から始められることが可能となり、副収入として気軽に始められる環境も整ってきているようです。
その一方で、資金を自力で確保しようという意識はあるものの、依然として投資という方法自体に不安を持っている方も少なくないのではないでしょうか。
確かに投資である以上、リスクはつきものです。しかし、そのリスクを最小限にとどめることができたら、挑戦してみても良いという気持ちになりませんか。
今回は、そんな不安の多い初心者にこそお勧めしたい投資信託について紹介します。
目次
投資信託はリスクを減らせる優しい投資方法
投資信託(ファンド)とは、自分で投資する代わりに専門家に資金を託し、運用してもらうことをいいます。
投資信託は「投資信託運用会社」で作られ、証券会社や銀行などの「販売会社」を通じて販売されることで、多くの投資家からお金を集めます。
集まった資金は「信託銀行」にて保管し、「運用会社」は何に投資するのかを考えることになります。
以上が一連の流れなのですが、このシステムの何が初心者向けなのかというのが今回のテーマです。従ってここからは、投資のリスクを軽減するという観点から、投資信託を4つのポイントに分けて紹介します。
自分で投資方法や投資先を決めなくて良いし、そのための勉強をしなくて良い!
何といっても初心者の方にはここが一番の安心材料ではないでしょうか。
自力で投資を行う場合、株式にするのか不動産にするのかFXにするのかに始まり、更には、どの企業、どの物件、どの通貨にするのか、沢山の選択肢の中から投資先を選ばなければなりません。
その上で、今度はその分野の知識を増やす必要もあります。
勿論それが投資の面白さではありますが、それなりの時間と労力を要することは言うまでもありません。知識の習得や経験を自分で積みたいと考える方は個人投資すれば良いのですが、仕事をしている方や育児中の方など忙しい人もいるでしょうし、そもそも経済問題などが苦手な人もいるのではないでしょうか。
そういった方のために、投資信託にはファンドマネージャーという専門家がいて運用を考えてくれるのです。
ですから、世界経済や金融についての複雑な知識を習得せずとも、投資を始めることができます。自分で勉強する時間やお金、労力を他のことに回した方が効率良いという方にまず、投資信託がお勧めです。
6,000以上あるファンドの中から選べるので、10,000円程度から始められる!
株式投資や不動産投資の敷居は下がり、個人投資でも少ない金額から始められる方法が増えてきています。
株式では10万円以下で買える銘柄や、5万円以下で買えて株主優待まで受けられる銘柄まであります。不動産ではREITという仕組みがあり、多く投資家から資金を集めて不動産投資するため、一人当たりに換算すると5,000円程度の少額から始められるものがあります。
また、FXではレバレッジにより資金の25倍までを取引することができます。
このように限られた予算でも投資運用できる仕組みは既に存在していますが、投資信託も同様に少ない資金で開始できる商品があります。実は投資信託の種類は6,000以上あるのです。
この数字は上場株式数より多く、中には10,000円程度で購入できる商品もあるのだとか。
色々な会社から色々な種類のファンドが販売されていますので、幅広い選択肢から、自分の予算に合った商品を見付けることができることも投資信託の利点ではないでしょうか。
少しの資金でも大きな資金として分散投資されるので、リスクが軽減できる!
投資信託の一番の魅力は、何といっても分散投資できることだと思います。
投資に伴うリスクというのは、つまり投資先が駄目になる危険性ですよね。その際、ある程度予測できる場合もあるかも知れませんが、例えば地震などの自然災害による暴落は誰にもわかりません。ですから、投資の基本は、相場が予測不可能であることを前提として、いくつかの商品に分けてリスクを分散させることなのです。
例えば、資金が100万円だとして、全額を一つの企業に投資した場合、その企業が倒産すると全て失いますが、10万円だけであれば損失は一部で済みます。
つまり、分散投資こそがリスクヘッジとなるわけですが、個人が複数の商品を所有するには多額の資金が必要となります。そこで、投資信託の出番です。投資信託は、たくさんの投資家から集めた資金を元に、ファンドマネージャーが複数の投資先に分散しますから、リスクが最小限にとどめられるわけです。
自己資金は少額でも分散投資が可能になるという点は、不安の大きい初心者にとって最大の魅力となるのではないでしょうか。
もっと少額、もっと分散する「積立投資」でもっと安心な投資ができる!
投資信託の魅力について、先に“少額で始められること”と“分散投資できること”を挙げました。
さらにその点を追求したのが、「積立投資」という方法なのです。積立投資とは、そのままの意味ですが、毎月一定額を積み立てて投資していくというスタイル。先ほど、ファンドの中には10,000円程度で購入できるものがあると言いましたが、積立投資なら毎月500円や1,000円程度で始められます。
また、少額という利点に加えて、積立ですから買うタイミングが分散できるというのも魅力的。
先ほど例に挙げましたが、突然の震災では多額の損失を受ける可能性がありますが、積立であれば買うタイミングがずれていきますから、一度で全てを失うリスクが減ります。一気に資金を投入した場合の方が、損失が膨らむのは当然です。
ただしその逆も然り。投資先の相場が右肩上がりに上がった場合には、一気に買っておいた方が多くの利益を生み出します。
つまり、価格が上がるなら一気に購入した方が得ですし、価格が下がるなら積立てて購入した方が安全ということ。勿論、未来の相場は誰にもわかりません。
ですから、ローリターンでも良いから、ローリスクが良いという方に、積立投資が向いていると言って良いのかも知れません。
個人での株式投資や不動産投資に比べて、投資信託はリスクを減らしていけるという点が魅力です。その中でも積立投資はより、失敗した場合の損失を少なくすることができます。
投資信託や積立投資は、初心者の不安を少しでも軽減できる優しい投資方法と言えるのです。
小さな資金でも大きな資金として運用できる! 投資信託の仕組みとは
先に触れましたが、人気商品だった「毎月分配型」によるファンドの販売にブレーキがかかり、投資信託自体が売れなくなっているようです。
しかし、なぜ金融庁はこの「毎月分配型」を批判したのでしょうか。そもそも、なぜ消費者の間で「毎月分配型」が人気だったのでしょうか。これらの問題には投資信託の仕組みが深く関わっています。
投資信託の仕組み1 通常の分配と「毎月分配型」の違いってなに?
個人は手数料を支払いますが、投資による収益を分配金として受け取ることができます。
一般的なファンドでは、この分配金を年に一度受け取ることが多いのですが、「毎月分配型」は、分配金を毎月受け取ることができます。資金を託している個人にとって、頻繁に分配金が受け取れることは安心材料になりますし、投資による収益を得ている実感にも繋がります。
そういった背景から、この毎月分配型は大変人気があるとのことですが、実は毎月分配型にはデメリットがあります。
そして、そのデメリットこそが金融庁による批判の元になっているのです。
投資信託の仕組み2 長期運用することでマネーが増える「複利効果」とは
投資信託では株や債券などに投資して得られた収益を再び投資に回して資産を増やしていきます。
これを「複利効果」と呼び、長期運用する際には最大の利点となります。ですが、毎月分配型はその収益を毎月分配してしまうため、その分の原資が増えていきません。
さらに、一部の投資信託では、収益を分配するのではなく元本を削って分配金に充てる商品もありますが、この場合受け取った分配金は、投資による収益ではなく単に支払った金額が戻ってきただけということになります。
返戻されるなら問題がないようにも思われますが、そうではありません。投資信託を行うことで既に手数料が発生しています。つまり、投資により資産を増やすどころか手数料により資産が減っている可能性もあるわけです。
投資信託の中には、毎月分配金に全額元本を充てているファンドもあるとのことですが、そういった事態を受けて、金融庁は「顧客本位ではない」と批判したわけです。
投資信託の仕組み3 「複利効果」がなくとも「毎月分配型」が人気を博する理由と現状
先の日経新聞の記事によれば、毎月分配型の支持者は依然多いとのことですが、その理由は長期運用に自信が持てないからではないかと分析しています。
日本のバブル期には日経平均株価が3万8915円だったそうですが、現時点で1万9000円台。長期的に上がっていく見通しのない中で資金を長期運用するよりは、短期で現金化する方が、消費者の目に合理的に映るのではないかとしています。
一方、金融庁の立場としては、複利効果により長期で資産を増やす本来の役割を期待しており、その意向を受けて、投信販売の現場にも自粛ムードが広がっているのだそうです。
人気を博した毎月分配型の投信の販売を控える動きの中で、投信市場が失速、最終的に資金は証券会社や銀行の口座で眠ってしまっているのです。
投資信託の仕組み4 結局どうすれば良いの?投資か貯金かに対する答え
投資の仕組みにのみフォーカスすると、毎月分配方よりも複利効果を期待して長期的に資産を増やす方が効率的ではないかという印象を受けます。毎月分配されることで安心感を得るという消費者心理はわかりますし、分配金を生活費として使うのであれば良いのかも知れません。ですが、もしも分配金をそのままストックするのであれば、運用に回す方が理論上は効率良くマネーを増やせるのではないでしょうか。事実、貯金し続ければキャッシュが減ることはありませんが、インフレによりお金の“価値”が下がる可能性もあるわけです。インフレが進めば、数十年後の預金は金額自体が変わらなくとも価値は下がっています。つまり、安心だからといって運用せずにストックすることが最善策だとは言えないわけです。経済全体から見てもマネーが口座に眠っていることは決して良い流れではありません。
ですから、もし自力で資金を増やすことを検討してはいるものの、初心者を始め投資に対する不安があるのであれば、投資信託をお勧めします。個人投資よりも投資信託の方がより安全な面があるからです。先ほども触れましたが、まずファンドマネージャーによる分散投資により、暴落した際のリスクヘッジが期待できます。さらに、投資信託協会によれば、もしも投資信託に携わる機関(販売会社、運用会社、信託銀行)が破綻した場合には、投資額が守られる制度があるそうです。そういった面でも、投資信託には一定の安全性がありますし、初心者やリスクを減らしたい方にお勧めできると思います。
投資信託に必要な自覚とは 丸投げは厳禁、投資信託をする上で押さえたいポイント!
初心者にお勧めだと言っても、何もわかっていないのはやはり危険です。
先ほどファンドマネージャーが運用してくれるので、投資、経済、金融に関する詳しい知識は必要ないとしましたが、それでも検討しているファンドの内容は押さえておきましょう。
ファンドには6,000種類以上あるとしましたが、投資先によってリスクには偏りがあります。
例えば、投資信託協会のホームページにもありますが、一般的に株式よりも債券の方がリスクは低いと言われます。株式市場は相場変動が激しいのに比べ、公社債などの債券は償還期限や利払い日が予め決まっているため安定するのだそうです。
さらに、債券市場の中では国債や公的機関の発行する公共債は一般企業の社債と比較して安全だとみなされるようですし、株式市場では国内株式に比べて海外株式の方が不安定であるとされています。
リスクとリターンは表裏一体ですから、リスクの軽減を重視するのかリターンの増幅を重視するのかという問題に集約されます。ただし、こういった傾向を踏まえて、どのファンドが良いのかという答えを外に求めるべきではないということ。
ランキングなどを鵜呑みにしてファンドを選ぶのは大変危険です。
大切なことは、どういったファンドが自分の希望に合っているのかを自分で検討する姿勢であり、それを人任せにしてはいけないという危機感を持つことです。
先に毎月分配型のファンドについて触れた際、分配金は元本の切り崩しによるものがあるとしました。
この問題についても、元本を切り崩していること自体が絶対悪なのではなく、そこを理解しているのか、理解していないのかというのが大変、重大です。何かあってからでは遅いので、ファンドの内容は把握しておくことが賢明です。
投資に元本保証はありません。ファンドマネージャーが運用してくれるといっても、相場が外れた場合に責任を取ってくれないのが現実です。
今回は、できるだけリスクの低い安全な投資について紹介しましたが、投資である以上どんなにリスクを軽減してもリスクゼロは不可能なこと。
ファンドマネージャーや投資機関に対する信頼は、自己資産への無責任と同義になりませんから、自分の資産を守れるのは自分しかいないという自覚が最低限、必要になるのです。
まずは自己分析と資金の運用計画を立てることからはじめよう!
今回は投資信託について紹介しました。初心者の方にお勧めしたいとしましたが、全ての初心者に当てはまるわけではありません。
金融庁の批判も然りですが、短期運用よりも長期運用の方が理論上効果的であることは先ほど述べましたので、短期運用を検討しているのであれば合理的でない場合もあるでしょう。
またファンドマネージャーの力や分散投資という方法でリスクが軽減できる分、手数料が発生しますし、個人投資に比べてリターンが軽減する可能性はあります。
ですから、ご自身がどの点を重視するのか、どのような運用計画を持っているのかをまずは明確にすることが重要ではないでしょうか。
例えば洋服を買うときに自分の好みや体型にあったものを選ぶように、投資も自分の資金力や好みのスタイルを選ぶことが重要です。誰にとってもピッタリな洋服などありません。
まずは自己分析をするとともに、資金力や目標を明確にして、身の丈に合った運用方法を選ぶことが肝心です。その上で、選択肢の一つに投資信託や積立投資を検討してもらえればと思います。