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- 【板読み】板が薄いときはどうしたらいい?
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株の売買をしている中で『板情報』という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?
板情報は気配情報とも呼ばれる、銘柄のどの価格帯にどれくらいの売りと買いの注文が入っているかが一目でわかる一覧です。リアルタイムで変動しますので、株価の値動きを見ながら取引をするときに、使い方次第ではとても役に立つのが板情報です。
板情報ではどの価格にどれだけの注文が入っているのか具体的に一目で分かるように、価格ランクに売りと買い注文を分けて表示されています。
▼実際の板情報表示:SBI証券
例えば1000円の売りの欄に10とあれば、現在10株の売り注文が出ていることになります。また、株式の取引においては先に注文を入れた人から順に売買が成立していきます。例えば、先ほどの10株の売り注文ではすでに10株分が待っている状態で、自分が1株の売り注文を入れたとしたら、10株が売買成立するまで売れません。
ですので、特にデイトレーディングをしている人にはどれくらいの売買が待機していて、どの価格帯に人気があるかが一目でわかりますから、板情報はデイトレードなどの短期売買では特に必須の情報といってもいいでしょう。
この板情報で注文の状況が分かるので、人気がどう傾いているかがわかります。
慣れてくればそこから相場観や今後株価がどのように動いていくかの予想がある程度つくのです。分析のひとつの指標として利用できるので、できる限り板情報はチェックしていたいところです。
目次
気をつけたいのは板情報は万全ではなく、スカスカの状態に気をつけなければならない
しかし、だからといって板情報は万能ではありません。実は板情報には成り行き注文は反映されていないなど、様々な理由や欠点があります。
成り行き注文はご存じの通り、その場で売買の決断をして取引を成立させていくものです。
ですので、根本的に板情報にその売買の注文数は出てきません。
また、リアルタイムに動いているものですから、市場が休みになればその数字は最後の気配値を示すだけで、次に市場が再開したときにその通りに相場が推移することは希です。
従って、板情報が示す内容は必ずしもその通りに相場が動くとは限らないということも頭に入れておきましょう。売買の注文数が増えても、実際には株価の推移に影響を与えないときもありますし、逆の場合もあるかもしれません。また、板情報に惑わされて、投資家が注文を出さなくなることもあります。
こういった注文数が少ない状態をよく板がスカスカなどと言ったりしますが、今回は板情報を利用するときの注意点として、板がスカスカになっている場合について考えてみたいと思います。
スカスカ状態の板情報に投資家は注意を払わなければいけない理由
株式売買をする場合、投資家によって分析や予想をする場合にチェックする指標はそれぞれ異なります。チャートやニュースを見ながら取引をする人もいるでしょうし、会社の業績情報や各種テクニカルを分析しながら取引する人もいるでしょう。そして、板情報を頼りに取引をする人もいます。
ただ、板情報ひとつだけを当てにするのは危険です。また、そもそも板情報が分析の役に立たないことも起こりえます。
例えば、注文のバランスと株価の値動きが異なっているケースや、その銘柄を取引したい投資家が少ないのか、板情報がスカスカになってしまっているときなどです。
とりあえずその板情報がスカスカになっているときには注意が必要です。板がスカスカになっていると、その情報の信憑性も薄れるというか、その数値が市場の値動きに影響を与えるには力不足である可能性もあって、精度の低い情報源となってしまいます。
ですので、板情報に従って売買の決定をしたのに、思わぬ高値で株を買ってしまったり、逆に利益確定のために売ろうと思っても買い手がつかなかったりします。特に成り行き注文を出していると値段の振れ幅が大きいため、利益確定が困難になります。
特に注意したいのは買い板がスカスカの場合で、株価が急落の可能性もある
板情報がスカスカのときに注意が必要ではありますが、より注意が必要なのは特に買い板がスカスカの状態です。こんなときは「ナイアガラ」とよばれる大幅下落の可能性もあるので注意が必要なのです。
例えば、板情報がスカスカであるとき、買い板も売り板もスカスカの場合は全体的に注文が出ていないので、その銘柄が不人気で売買が活発ではないということですから、非常にわかりやすい状態であり、それほど株価は急激に動くことはありません。
ですが、買い板だけがスカスカの場合は急落の可能性が高いと言えます。
このような買い板に数字が並ばないときにそんな銘柄の株を持ってしまうのは非常に危険極まりないです。
逆張りで市場の逆を行って利益を得たいという高等テクニックを駆使する投資家ならともかく、一般的にはこの場合は危険と判断するべきです。誰もが売りたがり、しかし誰も買いたがらない。そうなると売る側の不安があおられて、どんどん売りたい価格を下げていくことになります。ほどよいところで変動が反転すればいいですが、そうでなければ大幅下落の可能性もあります。
一度あおられた不安の火はなかなか消えません。大幅下落したあとにはその銘柄がどれほど回復するかも見込めませんから、安全に確実に投資を進めるのであれば、買い板がスカスカの場合はその銘柄は様子見にした方が得策です。
スカスカの板、表示される注文数が意味するところをいち早く読み取れればチャンス到来!?
さて、もうおわかりの通り、板情報とは株の売り注文や買い注文の数量が具体的に示されている情報です。板に表示される数値は注文の数になり、それを気配値とも呼びます。
注文の気配がわかるので、こう呼ばれているわけです。
板情報の一覧には左から「売り数量」「価格」「買い数量」の3つの列が並んでいます。株式売買の上級者になればこの板情報の数字の並びから買い時や売り時が分かってきます。それくらい、売買の予想に対する参考資料としては十分に成り立つ情報源です。
さて、この板の「売り数量」や「買い数量」が極端に少なかったり、まったく表示されないことがあります。この状態を「板がスカスカ」というように表現します。板がスカスカということは買いたい人や売りたい人が少ないということになり、売買が活発ではないということになります。
活発でなければ値動きが小さく、長期保有にはいいかもしれませんが、トレーダーとして投資対象にするにはその銘柄は不適切であるとも言えます。
そして、先ほどは買い板が少ない場合は大幅下落の可能性があるので注意と書きましたが、ここでは反対に売り板の方がスカスカで、買い板の方が多い場合を考えてみましょう。この状態は買いたい人が多いけれど、売りたい人は少ないということを意味します。
このような状態はつまり、多くの人がその銘柄を欲しがっていて手放したくないと思っている一方で、買いたい人は板情報を見て注文の価格を上げていかなければなかなか手に入れることができないということになりまですね。こういう株は今後値上がりする可能性が高いと予想できます。
ですので、逆に買い板がスカスカの場合は売りたい人がたくさんいて、買いたい人は少ないような銘柄ということになります。この場合、その価格で株を買おうという人が少ない状態ですので、それを見た投資家は「買うのを控えよう」と考えることでしょう。そうなするとますます価格が下がり、逆指値注文が出されて、さらに大幅に下落するというような悪循環が起こりえるのです。
板情報の数字からこのようにほかの投資家が何を考え、どうしようとしているのかを読み取れれば、それは大きな利益に繋げていくことができるでしょう。
まずは板情報のマークが意味することをしっかり理解しておくこと!
板情報を見ていると時々「特」「注」「前」「S」などのマークを見かけることがあります。
証券会社によってやや異なることもありますが、意味は同じです。そんなマークは見慣れていないとびっくりするかもしれませんが、これらは実は有益な情報を意味しています。これらを理解したとき、板情報を使った予想の精度が上がってくることでしょう。
まずはそんな板情報に表示される、それぞれのマークの意味を確認してみましょう。
マークの意味
- 「特」
- 「注」
- 「前」
- 「S」
「特別気配」を意味しています。買い注文か売り注文のどちらかに、これまでの流れとは見合わない大量の注文が急に入った時にこのマークが出だされます。
これはその後に株価が急激に変化しないように取引を調整する時間が設けられたということになります。
「注意気配」のことで、直前に約定した価格からかけ離れた価格で注文が出た時に表示されます。特別気配が表示された際は大量の注文が入った時ですが、注意気配は逆に注文が少なすぎる上に、板に表示される注文数が飛び飛びになっているときによく表示されます。このマークの場合でも急激な株価の変化を抑えるため、飛び飛びになった間に注文が入ってくるのを待つ調整時間が設けられることになります。
「寄前気配」を示すマークになります。この「前」のマークは寄り付き時間より前に出だされた注文を示すもので、寄り付きとは午前9時、午後12時30分の前場、後場の取引開始のことで、この開始前に出されている注文気配値を指すことから、その取引が始まるときに値動きがどうなるかの参考になります。
「ストップ高・ストップ安」になると出されるマークです。ストップ高とストップ安は1日の株価変動の値幅制限を超えたときにその銘柄の取引が停止されるもので、これによって株券が大暴落して紙くずになってしまうことを防いだりします。
これらの板情報のマークは必ず憶えておきましょう。これはいわば値動きを表すものであり、マークの出現で万が一見逃すことも防いでくれます。せっかく見逃さなかったマークを活用しないのも意味がありません。これらのマークは株価の値動きを調整したり、取引を一時中断したときなどの事実を伝える目的があります。ですので、このマークを把握しておくだけでも分析や予想の大きな資料になるわけです。
板情報の各種マークの中でも特に「特」の文字に注意が必要なわけとは?
さて、そんな板情報のマークですが、特に注意が必要なのが「特別気配」を意味する「特」のマークです。これが出されると取引を調整する時間が設けられると説明しましたが、これに関してはもう少し詳しく見ていった方がいいかもしれません。
単純に考えれば大量に注文が出された結果ですので、人気銘柄なのではないかと思いがちですが、必ずしもそうではありません。
金融市場は人々の思惑で動いてもいますので、どこかの誰かが何かを企んでいるか、あるいはその銘柄に関するなんらかしらの情報を掴んで大量の注文を出したと考えられます。特に「特」のマークがつくときは、それまでとは見合わない注文が出たときですから、人気銘柄と思わず、注意が必要です。
特にこの「特」である特別気配のマークが出されると注意が必要である理由は、約定の方法が「ザラバ方式」から「板寄せ」方式に変更されるからです。
ザラバ方式というのは別名オークション方式と呼び、市場が開いている時に投資家の売りたい価格と、別の投資家の買いたい価格が一致したら、すぐさま売買を成立させる方式です。要するに普通の取引ですね。
板寄せ方式というのは簡単に言えば寄せや引けの時点で出ている注文をすべてバランスが取れる価格で約定させる方式です。板寄せ方式に変更するのは即時に売買が成立しないようにするためです。というのは、例えば急に株価が大幅に下がると不安からパニックで売ってしまう投資家もいます。そんな投資家が多数、同時に出ると市場が大混乱を起こし、株価が不安定になります。そうならないようにする方式が板寄せ方式なのです。
板情報に「特」が出されると5分は対応注文が出るまで現状を維持。しかし、5分を過ぎると買いであれば繰り上がるというのが板寄り方式です。この時、その価格ズバリで指定した指値注文はもとの板に据え置かれますが、それ以外の注文を出している場合は5分ごとに繰り上げられます。
このように板寄り方式になると大量に出された注文を処理するため、投資家の注文とは関係なく自動的に価格が繰り上がったり下がったりしますから、本来の板寄せ方式の目的のように株価を安定させるためとはいえ、自分が思ってもみない高値で買わされてしまったり、逆に低い値段で売らされてしまったりします。これは投資の成績にも強く影響を及ぼすことでもありますから、「特」のマークが出た時には注意が必要です。
まとめると、スカスカの板情報はまずは注意して注目しなければならない
さて、板情報の注意点はしっかり理解できましたか。特にスカスカと言われる状態では、何はともあれ注意が必要です。板情報の中でも全体的にスカスカになっている株銘柄は、単純には取引が活発でない不人気銘柄ということになります。それはもうわかりやすいことかと思います。
では「スカスカの板情報に注意を払う必要がなぜあるのか」ですが、これは活発でないために情報ソースが少なくなり、誰がどんな理由で注文を出してくるのかが分析しにくい、つまり、値動きが分かりにくいという理由が挙げられます。スカスカの板においては、場合によっては急激な値段の変化が起こることもありえるのです。
そんな中でも特に「特」のマークがついているときには注意してください。投資家が狙っていた株価ではなく、勝手に自動的に株価が上がる、あるいは下がっていくので、狙いとはまったく違う成績になってしまいますから注意が必要です。
スカスカから読み取れることはできる限り読み取って分析に生かす!
それから、証券会社のチャットやネットの口コミで「スカスカの板」という言葉はよく見かけますが、スカスカと一口にいっても、大きく分けて「全体的にスカスカの板」、「買い板がスカスカ」、「売り板がスカスカ」の3つの場合があります。ですので、そのスカスカがどんなパターンに当てはまっているのか、またそれぞれのスカスカの状態が何を意味しているのかを注意深く分析してみなければいけません。そのパターンによって今後どうなるかが大きく変わってきます。
その中でも特に買い板がスカスカの場合、株価が暴落する危険性もあることをしっかり憶えておきましょう。利益を得られる可能性のあるスカスカならともかく、損失だけは避けるべきですから。
それから、板情報に時々出てくる各種マークがありますが、これらの意味もしっかり理解しておくべきです。もしそれらのマークを目にしたらより注意深く投資戦略を考える必要があります。時には売買を控えて様子見がいいかもしれませんし、時には一気に買いに走るべきかもしれません。
ただし、これらのマークのうち、特に「特」のマークには注意を払いましょう。
なぜなら、この特別気配が出されると取引方式がザラバ式から板寄せ方式に変更され、5分ごとに株価が自動的に上げられる、もしくは下げられてしまうからです。場合によっては意図しないほどの高値で株を買わされたり、低い価格で売るはめになってしいます。自分のコントロールできない状態に陥るとそれは投資ではなくギャンブルです。株式売買をギャンブルとしてはいけません。ですので、マークには注意を払って、何が起こるかをすぐに考えなければならないのです。
株取引では板情報を頼りにする場面もあると思いますが、このようにスカスカの板、それから板の上に「特」が出されているときには様子を見ながら取引をするのがいいのかもしれませんね。