• 利益を伸ばしている企業や将来性が期待されている企業はPERが高くなる
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PERを使って割安株投資、成長株投資をする

2017年3月16日

株式投資をするうえで、企業の将来性を知ることはとても大切です。市場参加者がどの企業の将来性に期待しているのかが分かれば、自身の投資判断の参考にできます。

社長インタビューなども企業の将来性の参考になりますが、PERを見れば投資家から期待されているかどうかがある程度把握できます。

ここでは、なぜPERが企業の将来性への期待を表すのか、PERを活かした投資方法にはどんなものがあるのか、紹介いたします。

PERは企業への投資家の期待を表す

株価収益率であるPERは、投資家による企業の将来性への期待によって決まります。
まずPERは銘柄の割安度を測る指標として用いられています。

PER=株価÷1株益で、株価が1株益の何倍あるかを算出します。
株価が1,000円で1株益が100円の場合は10倍で、株価が2,000円で1株益が100円の場合は20倍です。数字が小さいほど割安であり、数字が大きいほど割高を表します。

PERの標準はおおよそ15倍とされています。そして、投資家たちの期待が高い銘柄はPERが高くなります。

「この企業は将来的にも利益が伸び続けそう」など、企業の将来性への期待が高まることで、株主はなかなか株を手放さなくなります。

需要があり通常の売値以上の価格でも十分に売却ができるため、多少上乗せした価格(プレミア)で売ろうとします。

そうすることで株価も上がり、PERも高くなります。株価1,000円で1株益が100円の場合はPER10倍ですが、プレミアがついて株価が上昇して、株価1,500円で1株益が100円の場合は、PER15倍です。

投資家・市場から期待されることで、株価が上昇し、PERがどんどん高くなっていきます。

1株益×PER=株価、株価が上昇するには1株益かPERの上昇が必要

PERは株価÷1株益で算出しますが、1株益×PER=株価にもなります。

つまり、企業がどれくらい稼げるのかと(1株益)、今後成長していけそうか(PER)を掛け合わせたものが株価になります。

1株益は足元の利益、PERは将来性を示しており、株価が上昇するには、1株益が高くなるか、PERが高くなるかのどちらかです。

PERを使った投資戦略は2つ

割安株投資とは、PERを使った投資戦略の1つであり、1株益は高いのにPERが低すぎる銘柄のことです。
こういった銘柄の場合は、安定して稼ぐ力があるのに、あまり投資家から注目されていなかったりして、PERが低いことがあります。市場関係者が「安定して稼げてるし、この企業は良い!」と注目すれば期待値が上がりPERが高くなります。

そうすることで、1株益は横ばいだとしても、PERが上昇し、株価も上昇します。業績は良いけど、まだあまり評価・注目されていない銘柄を見つけ投資することが割安株投資です。

割安株を見つけ投資をする際は、本当に株価が上がるのか?という不安もありますが、当たった場合は、大きな利益を得やすいです。

1株益がこれから上がるであろう銘柄へ投資する成長株投資

PERを使った投資戦略は割安株投資だけでなく、成長株投資もあります。
成長株投資とは、PERは低くない場合も多いですが、1株益が大きく伸びるであろう銘柄へ投資をすることです。
1株益の利益が高まれば、株価も上昇します。既に投資家の期待値から、PERが高い場合もあります。

ある程度、市場から期待されている企業でも、これからさらに利益が上がっていくだろう銘柄を見つけ、投資します。

ただ割高なだけでは?という不安もありますが、毎年のように大きく利益を伸ばし続けている企業もたくさんあり、成長株投資にて大きな利益を得れる可能性があります。

業績、PER、株価の関係高いPERには注意も必要

投資家などの企業の将来性への期待からPERが高まることはよくあります。
しかし、あまりにもPERが高い数値の場合は注意が必要です。例えばPER20倍などであれば、まだ許容範囲で企業にもよりますが、高すぎることはありません。

しかし、PER40倍、50倍などになると、明らかに加熱しすぎです。例えば、任天堂は世界中でヒットしたポケモンGOにより株価が急騰しました。

その時のPERは70倍を超えており、明らかにバブルのように加熱しているのが分かります。

2017年3月現在では、32倍まで下がっています。PERが高すぎる場合に、株を買ってしまうと高値を掴まされる可能性がありますので、慎重に対応した方が良いでしょう。

投資家によっても異なりますが、20倍以上であれば「過熱気味」と判断しても良いでしょう。

人気が高まり始めているが業績、株価はそこそこ、PERは低い会社はどうか?

割安株の可能性があります。

PERが低い理由を知ることが大切です。もしかすると、企業の将来性に対してネガティブ要素があり、多くの投資家が敬遠しているのかもしれません。
株価に関しても、長期スパンでも確認し、現在がどれくらいの位置なのかを知る必要があります。

PERが低い理由が、まだ多くの投資家に知られていないだけであれば、買いを検討しても良いでしょう。

今後、多くの投資家が銘柄の内容を知り、PERが高まり株価が上昇する可能性があります。

業績は伸びているが、PER、株価と共に低いもしくは沈んでいる会社はどうか?

上記同様、割安株の可能性もあります。
業績推移を見て問題がないかを確認したうえで、PERや株価が低い理由を探します。

1株益×PER=株価ですので、単純に多くの投資家に知られてないだけでPERが低く、連動して株価が低いのであれば、割安株として十分に買いを検討できます。

業績が堅調で、外部環境などにネガティブ要因などがなければ、PERは高くなると考えても良いでしょう。

PERは高ければ良いものではない!加熱しすぎに注意!

PERは企業の割安感、割高感を測るモノサシでもあり、企業の将来性への期待を表す数値でもあります。

しかし、PERが高ければ良い、低ければ悪いということではありません。企業の業績は良いのに、たまたま投資家から注目されていないだけの場合もあります。

もしくは、過熱気味で高いだけの場合もあります。
いずれにせよPERを見ることで、どれくらい注目されているか、将来性に期待されているか、割安か割高かなどの判断材料になります。

PERは絶対ではありませんが、非常に役立つ参考指標です。

特に株式投資初心者の方は、覚えることは多いですが、PERの仕組みを理解し、さまざまな業界や企業を見比べてみましょう。

著者情報
自虐に突っ走る投資初心者。腹八分目を肝に銘じつつ、欲と恐れと戦いながらどこまで我慢できるか毎日チキンレース繰り広げてます。

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