知ることで勝率を上げる季節銘柄ポートフォリオとは

株式投資を始めるにあたって銘柄を選ぶことは非常に悩ましい問題ではありませんか。
いろいろな情報を集めたり先人に聞いてみたりと成功するために様々なプロセスやアプローチを試みる方も多いのではないでしょうか。仮に失敗した経験がある方も、あの時これを知っていれば、といったことやこの時はこうするべきだったという感情があふれているのではないでしょうか。

今回は四季の豊かな日本であるからこそ、その季節に大きく変動する銘柄を、なぜなのかの解説とともに紹介します。

季節の影響を受ける銘柄の特徴

株式投資をしてみたり、情報を集めたりしていると、その対象の銘柄がいろいろな理由で変動していることがわかります。
決算内容の発表や、企業買収や新事業の発表など、その理由は様々です。株式投資をしている投資家はそれぞれポートフォリオという自分の保有株式の銘柄構成があります。

自分が得意な銘柄に重きを置いていることもあれば、徹底的に分散投資をしてリスク回避を進めることもあります。
その中でもその時々において、チャンスな銘柄があります。特に季節のイベント時に注目を集める銘柄を季節株（季節銘柄）と呼び、春から冬にかけて調子のよい銘柄が移り変わってゆきます。

この季節銘柄をポートフォリオに組み込むことで安定した投資成果が受けられる可能性が高くなりますが、ここでは一体季節銘柄とは何か、またどのような理由で変動するかについて解説していきます。

季節ごとに株価が影響を受ける季節銘柄とは

季節株（季節銘柄）とは、季節の変動によって株価が影響を受ける銘柄のことです。
例えば夏にはビール関連の会社が儲かるということや、冬にはマスク関連の銘柄が儲かるという風な、その時期に特に需要が増える銘柄を持っていればたくさん売れるので業績が上向きやすく、結果株価が上昇するというものです。

非常に初めての投資家にもわかりやすく、実生活において特に食品や衛生用品関係の会社の株価はリンクしやすく、身近に投資しやすい投資手法といえるでしょう。
また季節銘柄なので年間を通しての株価の変動を気にする必要はなく、その時期のみ保有していればいいということで、新規参入にはもってこいの投資法です。体感的な予備知識と、計画的なポートフォリオであれば、比較的負けの少ない投資方法といえます。

季節の影響を受ける銘柄

前述の様に、株価は季節ごとのイベントによって影響を受けます。
小売りや食料品のみならず、流通や服飾系なども同様に季節的な影響を受けるため、その時期に株式の取引が急増することも特徴として挙げられ、一時的に変動幅、ボラティリティが高まる傾向もあります。

春のイベントに大きく左右される銘柄

• ニトリHD…

家具、インテリア系の大手、国内400店舗、海外店舗も持つ家具、インテリアの小売りチェーン店。海外製造拠点も持ち開発輸入によりコスト削減を達成している企業です。春先の転居、新生活の家具、寝具の買い揃えの時期に売り上げを大きく伸ばす傾向にあります。

• サカイ引越センター…

日本最大手の引っ越し業者です。全国展開後は自慢の輸送能力を基盤に近畿から全国区の企業へと成長しました。近年の引っ越し業者の中ではいち早くインターネット決済やマンションごとの契約など、大口受注が増えています。特に春には引っ越しニーズが最大になり、サカイ引越センターの1日2回転の輸送力に定評があり、これからの市場寡占に向け期待が持てます。

夏のイベントに大きく左右される銘柄

• アサヒHD…

国内ビール系飲料最大手企業。夏に強いといわれるビール系の企業で最も有名な企業ではないでしょうか。夏に株価が上がりやすい原因ともなった企業です。夏場は特に冬の2倍の売り上げを記録するなど、好調が続いています。また第3のビールやビールテイスト飲料も積極的に参戦しており、多角的な経営から収益率も非常に高くなっています。

• 壽化工機株式会社…

夏には意外と知られていませんが、愛知県にある独自技術を駆使した排水処理の企業です。毎年夏にはどこかで水不足が起こりますが、純水や飲料水を水処理技術で生み出せる企業です。夏に猛暑が予測される場合や、災害が発生した後の地域における給水活動など、活躍の幅は広がっており、今後の期待もできる企業です。

秋のイベントに大きく左右される銘柄

• スノーピーク…

アウトドア用品の製造販売を手掛ける日本企業、近年は災害対策などで注目されがちですが、アウトドア用品の国内シェア1位を記録したこともあります。特に秋にはアウトドアの活動が一度に増えるため、海のレジャーから山のレジャーまで対応可能な需要度の高さが注目の要因です。

• ファーストリテイリング（ユニクロ）…

国内服飾メーカー最大手企業。日経平均株価の9.2％もの寄与度を持ち、日本経済にも影響の大きな企業です。秋も深まってくると、ユニクロ独自のヒートテックインナーやライトダウン事業も好調です。また国内店舗のみならず海外店舗も豊富にあるため晩秋のヒートテック事業は将来的に世界規模になってもおかしくはありません。数少ない世界で戦える企業です。

冬のイベントに大きく左右される銘柄

• ホクト…

長野県に本社を置くキノコ製造の総合商社です。冬場の鍋需要に特化しており、国内のキノコ事業者のトップを走っています。ブナシメジやマイタケ、ヒラタケなど何世代にも及ぶ品種改良で安定供給と栄養価の向上を目指している企業でもあります。

• アルペン…

名古屋に本社を置く日本のスポーツ用品メーカー。傘下にスポーツDEPOやゴルフ5などを展開しています。スキーやスノーボードなどのウィンタースポーツのメーカーでもあり、国際的なスキーヤーも使用するなど知名度は高い傾向にあります。スキー板やボードは買い替え品は高くありませんが、ウェアやケア用品なども手履けており、冬季に順調な売り上げが予想されます。

株価にも季節性がある

これまで述べたように、株式を上場している企業でもそれぞれ得意な時期というものがあり、それによって季節が分けられるため季節銘柄と呼ばれています。
株式投資を始める方の多くはこの企業に興味がわいたから始めてみようという方も少なくないのではないでしょうか。

実際に投資を始めるにあたり、興味のない企業を調べるのは非常な重労働となりますが、季節性があり、かつ自分の生活とリンクしていればいるほど想像もつきやすいため、投資をしている方も始める方も株価の季節性というものは非常に重要になってきます。
実際に季節銘柄でポートフォリオを組むメリットは何があるのでしょうか。これから解説します。

株価の季節性を意識することで資産運用計画が上手く建てられる

一般に株式投資における分散投資といえば、複数のセクターに分かれた株式を保有することで一つの業種が曇りになったときにリスクを分散し、他業種で収益を上げ、カバーする投資方法です。

これは広く投資家の間では浸透しているため比較的誰でも取りやすいポートフォリオタイプです。
またほかにも分散投資をするときの目安として、季節銘柄分散があげられます。投資をする上では投資基準や手段が多いほうが勝率も高いとされているため、季節による投資分散も有効であるといえます。株式市場全体の流れと季節要因を組み合わせることでより投資効率を上げることもできます。

株式投資を株価指数系にあわせながら行うときの季節性アノマリーとして。秋に安くなりやすく、春に高いというものがあります。
季節として秋口には企業の中間決算などが増え、配当をとる人もいれば決済する人もいます。中間決算の動向としては比較的年度初めに掲げた予算の達成率が問われますが、概ねやや下方修正する企業が多く、また想定為替レートを低めに設定することから予想収益率の低下が起因した期待値不足という状況になります。

またその後春先にかけて上昇しますが、特に日本においては年末年始や冬場にお金がかかるイベントが多いため、企業の収益が増加しやすく、自社株買いや消却も行われ、年度末における一株当たりの収益も最大化しやすいため、期待が高まることが背景として挙げられます。

こういった特性を利用することで、季節銘柄をより高収益の銘柄に変化させることができます。

株の季節性というテーマで株式市場を解説

株には季節性があり、その季節を先読みすることで秀英気を増加させ、さらにそれぞれの時期において分散投資をすることでリスクオフもできるという特徴を持つのが季節銘柄です。
しかし気をつけなくてはいけない部分もあります。

それは季節性の銘柄がその季節に上がるためには、例年以上の売り上げがある、または新しく商品を開発し市場に供給している、そして財政的に安定しているということが最低条件としてあるということです。
また複数のポートフォリオを形成すときには最近ブームになっている自社株買いや消却を行う企業で、最低限前年度と同じくらいの売り上げを予想している企業に投資することが重要です。

これを怠ってしまうと、季節性銘柄の美味しいところを享受することができません。
しっかりと安定した企業の季節性銘柄で美味しいところを吸収していきましょう。