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株式市場の波と景気サイクルの関係から相場を読む

2017年6月2日

株式市場には業績のみによって変動する銘柄もあれば、市場の景況感に大きく左右される銘柄もあります。
その中でも今回は景気敏感株とバーゲンセールになっている復活株について解説します。一般的に株式投資を行う際は、割安になっている株式銘柄と大きく上昇する可能性がある銘柄を選定してポートフォリオを形成していきます。

そのため常にどの銘柄が割安か、これから大化けしそうな銘柄はないか目を光らせなければなりません。
しかし普通に相場を眺めていてもその兆しを発見することは困難です。ここでは景気敏感株やバーゲンセールになっている銘柄の見つけ方、そしてその景気の波の捉え方を解説します。

景気敏感株に注目!

株式投資をする上で皆さんが最も興味がわきやすく、市場をにぎわすことのできる銘柄といえば、アベノミクスでも大幅に上昇した景気敏感株ではないでしょうか。
国の経済対策など、一般人には到底関係のないような話でも、実際に影響を受けるセクターになります。

株式投資をする人もしない人も、景気に関しての感覚、いわゆる景況感は持ち合わせている方のほうが多いのではないでしょうか。

その感覚こそが株式市場を盛り上げるきっかけになり、資金の動き、つまり市場の血液を増加させる要因ともなりえるものです。
ここではその景気敏感株とは何なのかということから触れ、どのように景気サイクルに反応するかについて解説します。

景気敏感株とは?

景気敏感株とは、その名の通り国の景気動向によって業績が大きく変化する株式銘柄のことです。
一般的には鉄鋼、化学、パルプなどの素材銘柄が多くあげられます。これらの銘柄は、景気が上向くときには素材が多く消費されるため、売り上げが上昇します。

反対に景気後退期(リセッション)時には在庫調整という名目で素材の消費が格段に落ち込むため、業績が大幅に下落します。
分かりやすい例として、原油価格が暴落した時期のことは記憶に新しいと思います。

原油価格が暴落すると、特に燃料企業に関しては相場に合わせて仕入れ価格が下がっていくものの、皆さんの実感としてガソリン価格がそれほど下落しなかった印象ではないでしょうか。
それは原油の価格が高騰している際に仕入れた在庫が、損益分岐点を超えて値下がりすると、販売すればするほど赤字を垂れ流す状況であったため、価格の下落は抑えられました。

しかしその時期は原油を扱う会社の銘柄は軒並み暴落を繰り返し、エネルギー産業の投資家は痛手をこうむる形となりました。
こういった景気敏感株をアメリカのでは資源を持っている企業が多いため、資源銘柄などとリンクすることも多いです。
景気が悪い時には資源価格が大幅に下落するため、それに関係する企業の株価は下がる傾向にあります。

ではどのようなタイミングで投資をするとうまくいくのでしょうか。

景気敏感株は業績を追いかけてもなかなか株価を捉えられない

景気敏感株に関しては、一時期の業績に注目をしても短期的に投資成果が上がらない場合が多いです。
それは景気に循環の波があることが理由で、悪い時があれば比較的に良い時期もあり、平和な時期の反対には平和しかないという市場原理があります。

景気敏感株は、一度フラッシュ・クラッシュやファットフィンガーを経験しないと、そのあとの上昇は可能性が低いです。
景気敏感株は市場の大きな変化がない場合、業績に変化がなくなるため、値動きも小さくなります。

このような状態においては今後大きく変化するタイミングを計るために、経済指標や景気サイクルの波を分析する必要があります。
ではどのような経済指標や景気サイクルを参考とするとよいのでしょうか。

市場の利用されてきた景気サイクル、大きく変化した経験のある経済指標

株式市場で利用されてきた景気サイクルには、短期、中期、長期、超長期の4種類のサイクルがあるとされています。
これらはすべてサイクルの6要素でできており、その要素とは①金融相場、②中間反落相場、③業績相場、④逆金融相場、⑤中間反騰相場、⑥逆業績相場の6要素です。また短期的な波から

  • キチン・サイクル……短期の波(40か月周期)、企業在庫の波とも呼ばれます。
  • ジュグラー・サイクル……中期の波(10年周期)、企業設備投資の波とも呼ばれます。
  • クズネッツ・サイクル……長期の波(20年周期)、建設投資の波とも呼ばれます。
  • コンドラチェフ・サイクル……超長期の波55周年周期)、技術革新の波とも呼ばれます。

というように、企業の在庫量や技術革新の伴う景気サイクルとして代表的なものがこれまでも採用されてきました。
またこれらの周期からもわかるように、それぞれの波が独立して循環していますが、上昇と上昇や、下落と上昇のように、タイミングが重なる局面があります。

それぞれが同じ向きであれば強力な波として、打ち消すような向きであれば短命な波動であるとして受け取られる場合が多いです。
したがって、これらの景気の波を利用するには、これまでにどの程度の時間やサイクルが経過したのかを見ることにより、景気敏感株に乗るかどうかの判断をすることができます。

また景気敏感株に影響を与える経済指標として有名なものは、GDP、原油在庫、企業在庫、マネーサプライ、鉱工業生産などがあげられます。
資源の内容に関するものであれば前述の様に、資源価格の上下によって在庫が積み上げられることはよくあり、それによって資源銘柄の株価が下落することも多々あります。

在庫や資金供給、生産は特に企業在庫を強く反映するため、景気の波と一致しやすく、投資の対象として基準が明確になります。
ではこれらとは違いバーゲンセールとなっている銘柄とはどのようなものでしょうか。

景気敏感株とは違う復活株

復活株は長期的に株式投資の世界に触れている投資家からすると、とても分かりやすく設けることができる銘柄の総称ともいえるでしょう。
景気敏感株とは少し性格が違うものの、勢いがよい企業の陰に隠れて地力をつけている企業は沢山あります。

しかしそういった隠れる性質のおかげで正当な評価を得ているとはいいがたく、株価も適正価格を大幅に下回っている場合が多いのが実情です。
そういったところに目をつけるのがバーゲンセール投資家です。

では一体どのようにしてバーゲンセール投資家は銘柄を見つけているのでしょうか。それを解説します。

復活株(バーゲンセール銘柄)とは

復活株とは、悪い材料や赤字決算などが続いて大幅に売り込まれ、誰も期待していないながらも、同業の業績から鑑みると、非常に割安状態にある銘柄のことを指します。

一般的にはネガティブ銘柄とも呼ばれ、市場から見放されていたり、復活の兆しともいえる革新的な内容がまだ見られていない企業が多いです。
しかしネガティブ情報にさらされた銘柄は非常に財政的に弱体化している企業も多く、風が吹けば倒れてしまいそうな銘柄も多数あるのも事実です。

しかしこういった割安状態にある銘柄の中には、財務的に健全になり、将来へ向けて大きく変革を遂げようとしている銘柄もあります。
そのポイントとはズバリ、財務の健全化がキーワードです。

財務諸表が読めれば倒産の危機はなく復活する可能性があると判断できる

事業会社であればどこでも財務諸表を発表しています。
特に上場している会社の財務諸表は監査法人による認可を受けることが慣例となっていますので、内容としてかなり信頼のできるものであることは間違いないです。
この中でも、一般的にネガティブ銘柄は営業キャッシュフローがマイナス計上である場合が多く、このことがン院で大きく売られています。

しかし財務諸表の中のバランスシート(貸借対照表)中の負債部分、この中でも特に有利子負債の欄が少なく、自己資本の売却によってキャッシュを作り出している場合などは、今後の業績次第では大化け身絵柄になる可能性があります。
多くの企業で営業キャッシュフローがマイナスであれば、浮上の兆しは認められませんが、バランスシートのなかに今後の相場を占うヒントが隠されています。

有利子資本が手元の資産を超える金額であれば債務超過状態ですので全く問題外としか判断のしようがないですが、ここが手元資本のほうが多いのであれば、再起のチャンスは十二分に存在します。こういった銘柄を拾い集めることで、倒産企業との線引きを明確にし、大化け銘柄へと変化するまでの道のりで大きくもうけを出すことが可能となります。

株式投資は景気に左右される投資

マネーゲームの要素をはらみつつ、人の思惑の集合体として株式市場は存在します。
しかしそれとはまったく違う時間軸で企業在庫や資源は推移しており、景気敏感株のみならず仕込むべき銘柄もあります。

単に業績が良いというだけでは説明のつかない上昇や、反対につぶれる寸前であった銘柄が急反騰することは、それに乗る投資家としては本当の株式相場の醍醐味ともいえるのではないでしょうか。
もちろん負けるつもりで株式投資を始める人はいませんが、少しでも勝率を上げる作戦として、景気敏感株やバーゲンセール銘柄はお得な買い物として平和な相場状況でも活躍してくれるでしょう。

また自分のポートフォリオに関して景気敏感株やバーゲン銘柄が入っていない場合は、それのリスクオフとしてその保有銘柄を使い、もう一段会長選的な株を組み入れてみるともっと投資が楽しくなるのではないでしょうか。

著者情報
オールマイティなトレーダーを目指して日々奮闘中 投資で5000万円貯める事が目標。 基本ビビりなので日々可愛い利益をコツコツ貯めています。

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