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2018年4月から三菱UFJ信託銀行が「ビットコイン向け信託保全サービス」を開始予定!メガバンクのバックアップで仮想通貨取引の信用性が大幅に高まりそう

2018年1月20日

2017年12月、MUFG(三菱UFJフィナンシャル・グループ)傘下の三菱UFJ信託銀行が、世界初となる仮想通貨の信託手法を開発し、特許を出願しました。

取引所の取引記録を逐一カバーしていき、もしも取引所が破綻したり取引所の関係者が不正を働いたりした場合には、残された記録に基づいて投資家の喪失した仮想通貨を補償するものです。

これで金融庁が仮想通貨を信託の対象となる財産の一つとして正式に認めれば、来年の2018年4月にも「ビットコイン向け信託保全サービス」がスタートする見込みです。

証券会社を選ぶ際に非常に重要なファクターとなる「信託保全」の存在。

これがあるかないかによって、投資家がその会社に預け入れる資産の金額が大きく変動します。

ハッキングやインサイダー取引などのバッドニュースによって信頼性が大きく揺らいでいる仮想通貨業界にとって、久々の朗報と言えるでしょう。

三菱UFJ信託銀行について

三菱UFJ信託銀行とは

三菱UFJ信託銀行は、2005年10月に設立された金融機関です。

預金・融資等の業務を行う一般的な銀行と違い、不動産や有価証券などの信託およびその関連業務を併営できる資産全般のコンサルタント的存在です。

個人の顧客には、住宅ローンの相談、退職金や不動産を活用した資産運用の提案、遺産管理など様々な金融サービスを提供。

法人の顧客からは、証券代行業務や企業年金の相談等を請負っています。

受託財産業務の一つとして、企業から預かった巨額の資産を管理・運用する信託業務も展開。

信託業務において三井住友信託銀行に次ぐ国内トップクラスの業績をあげており、金融業界で圧倒的な存在感を放っています。

信託保全とは?

信託保全とは
出典:みんなのFX

ちなみに「信託保全」とは、証券会社や取引所が資金を信託銀行に託すことを指します。

簡単に言えば、銀行と提携して投資家の資産を別の場所で守る制度です。

圧倒的な資金力を誇っている証券会社といえども、多額の負債を抱えれば経営が立ち行かなくなることがあります。

その際、信託保全を実施している会社なら、万一倒産するような事態になっても信託銀行に託していた資金によって投資家に預入資金を全額返還することのできる体制が保証されています。

逆に言えば、信託保全体制が整っていない会社の場合、破産時に投資家の資金が返還されない可能性があるという事です。

顧客の資産を会社の資金と「分別管理」している会社も信託保全スキームを整えていない側にあたるため、多額の取引資金を預け入れるのは非常にリスキーな行為と言えます。

現在の仮想通貨業界の信託保全体制について

FXが流行り出した頃のFX業界では顧客の資産を社員が持ち出して流用するという悪質な事例が続出していたため、2009年頃に金融庁が大規模な規制強化に乗り出しました。

その結果、現在では全ての国内FX会社が信託保全体制の構築を法的に義務付けられており、トレーダーは安心して自分のお金をFX業者に預け入れることができます。

一方、歴史の浅い仮想通貨取引業界では、まだまだ法整備が遅れているのが実情です。

2017年4月に施行された改正資金決済法に基づき、仮想通貨と法定通貨との交換サービスを行っている業者は、厳格な審査にパスして「仮想通貨交換業者」として金融庁に登録しなければなりません。

しかし、仮想通貨自体が「通貨」として認められていない現在、信託保全は義務付けられていません。

すでに述べたように、分別管理だけでは万一会社が破綻した際に自分の資金が戻ってこない可能性があります。

これは仮想通貨取引を検討している投資家にとって軽視できないリスクです。

仮想通貨業界で信託保全体制が強く求められる理由

2017年12月19日、日本のすぐ隣にある韓国にて、大手仮想通貨取引所のユービットが北朝鮮からハッキングされて資産を大量に盗み出される事件が発生しました。

このハッキングによって失った資産は、全取引資産の約17%!その結果、ユービットは破産申請を余儀なくされる最悪の事態となりました。

破産にまで追いやられたのは稀有なケースですが、ハッキング事件自体は世界中の仮想通貨取引所で頻発しています。

しかも信託保全がないので、もしもハッカーに自分の資金を盗まれたら泣き寝入りするしかないのが現状です。

仮想通貨業界の発展を考えた時に、これは非常に好ましくない状況です。

信託保全体制の確立は最優先の急務であり、今回の三菱UFJ信託銀行のアクションは間違いなく英断と言えるでしょう。

信託保全スキームを導入している国内仮想通貨取引所3選

ちなみに、法律で義務付けられていなくても自主的に信託保全体制を構築している良心的な仮想通貨取引所もわずかながら存在しています。

今すぐ信託保全のある取引所を利用したい方は、以下の3社をチェックしてみてはいかがでしょうか。

1. ビットポイント


業者名:bitpoint
総合口座の預り金、信用取引口座の委託保証金現金、証拠金取引口座の委託証拠金現金を対象に、万一破綻した場合は日証金信託銀行が顧客の資産を返還。

2. コインチェック

コインチェック
業者名:coincheck
二段階認証を設定しているユーザーアカウントを対象に、不正ログインされたことによって被る損害を最大100万円まで補償。

3. ビットフライヤー

業者名:bitflyer
不正な日本円出金に対して、預かり資産の合計が円換算にて100万円を超える二段階認証登録ユーザーの場合は最大500万円まで、それ以外の二段階認証登録ユーザーの場合は最大10万円まで補償。(仮想通貨は補償対象外。)

まとめ

全ての仮想通貨取引所で信託保全が義務付けられれば、さらに仮想通貨取引に参入するトレーダーが増えることでしょう。

しかし、信託保全は決して盤石の資産保護システムではありません。

レートの急変による損失は補償の対象外であり、高値を掴んでしまえば大損する状況に変わりはありません。

値動きの激しい時は注意が必要です。

しかも信託口座の取引は三菱UFJ信託銀行の監視下に置かれるため、マネーロンダリング等に悪用していると疑われるような怪しい動きを見せれば、オーダーをストップされる可能性もあります。

いずれにせよ、大手金融機関が仮想通貨業界をサポートしてくれるのは非常に喜ばしい事です。

忌まわしきマウントゴックス事件から続いている仮想通貨の信用リスクを払拭できるか、今後の展開が非常に楽しみです。

著者情報
投資歴10年。日本株・米国株投資、FX、仮想通貨、不動産、インデックスファンド、なんでも手広く投資中。普段はコツコツ、鉄火場や期待値の高い相場の時だけ大きく張るの…

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