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- 仮想通貨ファクトム(Factom)とは?分散型公証システムと呼ばれるファクトムの仕組みと特徴
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2015年4月から短期間だけ販売された珍しい仮想通貨ファクトム(Factom)です。
実は仮想通貨ではなくプラットフォームで、ファクトムを利用するために必要な仮想通貨はファクトイドといいます。
通貨単位はFCTです。
ブロックチェーン上に証明書類や電子書類などを改ざん不可能な形で保存や管理するためのプラットフォームで分散型公証システムとも呼ばれています。
ファクトムの語源となっているファクトは事実を意味します。
データの記録の公平性を担保するシステムがファクトムなのです。
目次
ファクトムは特定の事実を大量に安全にそして安く保管することができるシステム
ファクトムはプラットフォームで、登記簿や証券などの証明書や電子書類をブロックチェーン上に安全に保管することができます。
これまでのように一部のサーバーで管理すると膨大なコストがかかるだけでなく、セキュリティ上の問題も多く抱えていました。
ファクトムの登場により、電子データを世界中に分散して保管することで安全性が飛躍的に向上し、管理コストも激減させることが可能になります。
個人情報を守りつつ大量の情報を低いコストで保管できる
ファクトムはあらゆる書類をブロックチェーン上に安全に保管するためのシステムです。
ブロックチェーン上に保管された情報は一般に改ざんされにくい特徴があります。
あらゆる書類とは以下のような情報になります。
・契約書
・貸付記録
・証券
・保険
・登記記録 など
これらの情報はこれまで第三者によって管理、証明される必要がありました。
そのため多くの手間やコストがかかるという問題がありました。
ファクトムではこれらの書類の証明を、第三者を介することなく管理、記録することができます。
そのためにファクトムではブロックチェーン技術を使っています。
当初はビットコインのブロックチェーンを利用していましたが、イーサリアムのブロックチェーンも利用することでさらに利便性を高めています。
従来、ブロックチェーンに記録を書き込むには非常に高い負荷がかかり、認証までの時間も10分程度かかるなどの問題が指摘されていました。
ファクトムではブロックチェーンに書き込むデータ量を削減することで以下のことを可能にしています。
- 負荷を軽減
- スピーディな処理
以上の理由からファクトムでの書類の記録は改ざんされる可能性が低く、従来よりも低いコストで保管できるのです。
ファクトムとビットコインやその他の仮想通貨との大きな違い
ファクトムとビットコインは同じブロックチェーンを利用していますが、大きな違いがあります。
ビットコインは中央管理者がいない決済通貨です。
一方ファクトムは運営管理者が存在し、管理の元でファクトムが運営されているのです。
またファクトムで使われる仮想通貨ファクトイドを発行しています。
ファクトムはブロックチェーン自体を管理しているわけではなく、ファクトムのシステムを管理し、必要に応じてファクトイドを発行しているという組織です。
管理者がいないという自由度の高さの反面、不安要素もあるビットコインですが、ファクトムでは運営管理者がはっきりしているため、不具合などへの対処などは安心できそうです。
ファクトムの利用にはファクトイドという仮想通貨が必要
大量の情報を第三者の介入なしに証明することができるファクトムは非常に大きな可能性を秘めています。
ファクトムを利用して情報を記録、管理するためにはエントリークレジットをファクトムに支払う必要があります。
エントリークレジットはファクトイドと交換して手に入れます。
ちょうどゲームセンターでゲーム用コインをコイン両替機で両替するようなものです。
一方通行の交換になる点に注意が必要です。
また他の仮想通貨を利用することも出来ません。
常に、ファクトイドからエントリークレジットへの交換のみとなります。
ここで一つの疑問がわいてきます。
なぜファクトイドを直接利用料の支払いに使わないのかという疑問です。
エントリークレジットはファクトムの利用にしか使えません。
その他の仮想通貨との交換もできません。
利用価値の低いものを盗もうとするハッカーは少ないでしょう。
もうひとつの理由である価格変動リスクの軽減とはどう意味でしょうか。
ファクトイドは仮想通貨ですから市場で取引され、為替レートによって価格が変動します。
特に現在は投機目的で仮想通貨を売買する人が多いため、価格の変動幅は非常に大きくなっています。
このファクトイドを直接利用料に設定すると利用料自体が乱高下することになります。
そこで、ファクトイドを好きなタイミングでエントリークレジットに交換しておくことでその時点での価値をエントリークレジットに移すことができます。
利用するタイミングをユーザーが選ぶことによって利便性の高いシステムになっています。
ファクトムが「ビットコイン2.0」と呼ばれる理由
FACTOMを理解するために、まずビットコインのブロックチェーンのシステムを簡単に説明します。
仮想通貨の概念からみるとそもそもFACTOMは厳密には仮想通貨ではありません。
ビットコインのブロックチェーンシステムから派生したデータ管理システムの名称で、そのシステム利用料はEntry Credit(エントリークレジット)で支払われますが、これはFactoid(ファクトイド)でのみ購入できます。
現在、仮想通貨としてアルトコインにカテゴライズされ、更には「FCT」という単位で取引されるFACTOMですが、市場で取引されているのはEntry Creditを購入出来るFactoidです。
独立した仮想通貨では無くビットコインから派生した仮想通貨の亜種と言えるでしょう。
従来型の情報管理システムでは管理者が存在し情報管理を一手に担っています。
この集中管理型では外部からの進入等でデータが改竄された場合、管理者が改竄の事実を発見しバックアップデータからデータを復旧するため、膨大な時間と労力が必要となります。
しかしブロックチェーンは1つのデータを同時に複数のコンピュータに分散管理するので、常にバックアップがアクティブな状態で運営されています。
たとえ一部の端末のデータが改竄されても、他の端末との整合が取れないことからデータの改竄が露見するシステムです。
改竄されたデータは他の端末との整合が取れないため、棄却され整合の取れたデータのみが採用されます。
多数決で決議を取るシステムをイメージすると判り易いです。
採用されたデータはブロックと呼ばれ、構成は次のとおりです。
〇ハッシュ:ハッシュ関数を利用して演算された不規則な文字や数字の羅列。(ブロックを連鎖させるために必要となります。)
〇ノンス:ハッシュを演算するのに1度だけ使用する数字。
この3つの要素でブロックは構成されています。
採用されたブロック(データ)は過去のブロックとハッシュで繋がれ連鎖していきます。
連鎖することでブロックの過去の取引履歴が証明されるのです。
ブロックを連鎖するために連鎖先のブロックのハッシュ、連鎖元のブロックのトランザクション、ノンスの3つを利用します。
ノンス以外は変更出来ないために、条件を満たしたハッシュが算出できるまでノンスの数値を変更させながら演算を続けることになります。
演算に成功し新たなブロックを連鎖させることに成功すれば、労働の対価としてPow(Proof of work)と呼ばれる報酬を得ることができますが、その演算には膨大な労力が必要なことから、鉱物資源を採掘することになぞらえて「マイニング(採掘)」と呼び、演算作業者をマイナーと呼んでいます。
ブロックチェーンのシステムでは膨大な量の取引を行うために1つのブロック(データ量)の大きさには制限が掛けられています。
現在のブロックの大きさの上限は1MB(1,000KB)とされているのですが、取引の激しいブロックは既に沢山のデータが連鎖されているために、上限値に迫ろうとしています。
ビットコインが抱える
- マイナーへ支払われるマイニング手数料
- ブロックチェーンのデータ量
などの問題点を解決するべく開発されたプラットフォーム「ビットコイン2.0」こそがFACTOMなのです。
FACTOM(ファクトム)が掲げる進化した分散型情報共有システムの特徴
FACTOMの実態が仮想通貨では無く、ブロックチェーンを進化させたビットコイン2.0と呼ばれるデータ管理のプラットフォームであることは先述しました。
ビットコイン中心の取引が行われている仮想通貨市場で、なぜEntry Credit購入用のFactoidが大きく注目され取引されているのでしょう。
FACTOMはファクトムプラットフォームで構成される
- ファクトムサーバー
- エントリーブロック
- ディレクトリブロック
- ビットコインのブロックチェーン
の要素で成立し運用されています。
FACTOMのデータ管理の流れ
- サービス利用者が利用料を支払いデータをファクトムサーバーにアップします。
- アップされたデータは、ファクトムサーバーで暗号化されます。
- 暗号化されたデータはエントリーブロックに保管されます。
- 保管された暗号データは、ディレクトリブロックで分類されます。
- 分類されたデータを取引データ(ハッシュ)としてブロックチェーンに記録します。
FACTOMはデータ管理の中央に管理者が存在するのが、ビットコインとの違いです。
大量のデータを独自のシステムで管理することができるFACTOMは、「あるデータが確実にそこに存在していたことを証明できる」つまり第三者の公証人を介さずにスピーディーに存在証明ができる点で様々な分野からの注目を集め、企業や金融機関、公的機関での取引に採用されることが期待できます。
事実マイクロソフト社との提携で注目を集めました。
ビットコインは高いセキュリティが保障され、為替変動の影響を受け難く両替手数料も発生しないメリットがあるのですが、匿名性が高いあまり資金の流れが不透明となり取引内容が把握できないことからマネーロンダリングに加担しているという印象が強いです。
これによって企業や国家間での取引には採用され難いデメリットもあります。
住宅ローン市場向けに設計されたファクトム・ハーモニーが注目を集めている
ファクトムではアメリカの住宅ローン市場向けに設計したファクトム・ハーモニーを開発しました。
ファクトム・ハーモニーは住宅ローンに関連する情報の管理に最適で、160兆円規模ともいわれるアメリカ住宅ローン市場で2017年3月から利用されています。
住宅ローン市場の情報管理に役立つファクトム・ハーモニーとは?
住宅ローンには不動産業者、銀行などの金融業者など多くの第三者が関係しています。
不動産業者や銀行を通すことで手数料などの中間マージンがかかるだけでなく、情報管理にも莫大なコストがかかることになります。
アメリカの住宅ローン市場では毎年書類の管理、処理だけで5兆円の費用がかかるともいわれています。
1件の住宅ローンが処理されるのに1,000ページにのぼる書類が必要だというのです。
膨大な手間とコストがかかることがよくわかります。
これらのコストや手間を省くためにファクトム・ハーモニーが利用されます。
ファクトム・ハーモニーを利用することで
・多くの労力を必要とした監査
・ファイルの確認
・文書の保管
・契約締結後の確認
・事務処理
・訴訟 など
上記のような情報管理のコストや住宅ローンに関連して発生する問題への対処のコストも大幅に削減できます。
必要なデータを必要に応じてのみ利用することで情報セキュリティは守られます。
そもそも情報はブロックチェーン上に保存され改ざんされにくいため、改ざんや不正のリスクを排除できる点も大きなメリットとなります。
ファクトム・ハーモニーは住宅ローンだけでなく他の分野への応用も期待される
ファクトム・ハーモニーはアメリカの住宅ローン市場向けに開発されたものですが、他の国の住宅ローンへの応用も期待されています。
トラブル発生時にも情報は誰にでもアクセス可能で変更ができないため、トラブル対応の準備時間を短縮することもできます。
ファクトム・ハーモニーだけでなくDLOCというデバイスも注目されている
ファクトムではファクトム・ハーモニーの他にもDLOCというデバイスを開発しています。
これは簡単に言うとオフラインの書類とオンラインの書類をつなぐデバイスです。
具体的には、Dlockステッカーというデバイスをオフラインとオンラインをつなぐデバイスとして利用します。
主な具体例は以下の通りです。
・Dlockステッカーで読み込まれた情報はブロックチェーン上に保存され改ざんされない。
・Dlockステッカーに保存された情報はQRコードなどで読み込むことが可能。
・医療現場の治療記録やアレルギーなどの情報を確認するためにDlockステッカーの活用が想定されている。
仮想通貨時価総額27位ファクトムの値動きの特徴や取引可能な業者
2015年のリリース当初は1FCT=10円前を推移する比較的小幅な値動きで幕を開けました。
しかし2016年には一気に高騰し1FCT=100円を突破したのを皮切りに、平均1FCT=200~300円まで成長しました。
FACTOM/日本円のチャート推移は下図のとおりです。
リリース2年足らずで資産価値がなんと300倍!!
2016年末に100万円投資するだけでも1年後には1,000万円になっているというとてつもない状態です。
ファクトムの価格が高騰する事態に、ビットコインからの乗り換え、新規参入を目論む投資家が急増しています。
しかしながら、2017年末の仮想通貨バブルの崩壊後わずか1ヶ月後にはピーク時の価格から4分の1ほどまで大暴落しました。
その後も大きなリバウンドを見せることなく、2018年10月には500円程度にまで下落します。
以降、時々反発する局面はあるものの下落トレンドは変わらず徐々に価格を下げ、2022年現在では40~150円程度の範囲で推移しています。
以下はリリースからの価格推移表になります。
日時 | 安値 | 高値 |
---|---|---|
2015年10月リリース | 11.96 | 23.21 |
2015/12月 | 8.63 | 107.12 |
2016/3月 | 108.6 | 355.69 |
2016/6月 | 84.87 | 178.75 |
2016/12月 | 182.1 | 416.12 |
2017/3月 | 307.59 | 523.46 |
2017/6月 | 1424.79 | 4121.21 |
2017/12月 | 2040.44 | 3325.29 |
2018/6月 | 797.0 | 1928.4.29 |
2018/12月 | 2088.6 | 780.6 |
2019/6月 | 526.7 | 919.5 |
2019/12月 | 180.8 | 447.8 |
2020/6月 | 160.4 | 214.8 |
2020/12月 | 90.9 | 141.0 |
2021/6月 | 129.8 | 220.4 |
2021/12月 | 136.6 | 201.3 |
2022/6月 | 29.2 | 49.6 |
ファクトムを取引できるおすすめ取引所
国内ではcoincheckだけがファクトムを購入できましたが、現在では上場廃止になって取引できません。
ファクトムの売買を検討していたけど、ファクトム以外のアルトコイン全般の取引も考えている方は、取り扱いコイン数が27種類と多いDMM Bitcoinがおすすめです。
以下にDMMビットコインの取引スペックを簡単にまとめました。
これをみればパッと見でDMMビットコインの魅力を知ることができると思います。
レバレッジや取引高上位の仮想通貨のスプレッドは他社と比べて劣る点もあります。
ただし、その他の国内暗号通貨業者と比較すれば、あらゆる点で上位レベルだというのがわかります。
手数料 | ファクトムを取引の際は多少かかりますが気にはなりません |
---|---|
日本円対応力 | 銀行振り込み・コンビニ入金・クイック入金対応 |
独自サービス | オリジナル注文方法「BitMatch注文」を用いて取引コストを削減できる |
レバレッジ取引 | 最大レバレッジは5倍。他社と比べたら低いか |
安全性 | 盗難保証のサービスあり |
スマホアプリ | 見やすく操作しやすいアプリは定番になりつつある! |
スプレッド | スプレッドは多少広いようです |
スワップポイント | 特に目立つ魅力はなし |
サポート力 | サポートはメールフォームのみです。 |
チャート、ツール | 文句なしの5です!操作性はずば抜けていいです |
ファクトムの将来性の高さに多くの企業が注目している
ファクトムにはファクトム・ハーモニーとDLOCという2つのソリューションがあり、多くの企業や国の機関から注目を集めています。
仮想通貨というよりも、ファクトムというプラットフォームがもつ文書管理能力の高さが評価されています。
ファクトムの今後はどうなっていくのか、その将来性には希望が持てそうです。
ファクトムの将来性を支える2つの魅力 低コストで透明性の高い文書管理
ファクトムが開発したシステムにより、あらゆる種類のデータを低コストで安全に管理することができるようになります。
大切なデータをハッカーなどから守るためにこれまでは莫大な費用と手間がかけられてきました。
ブロックチェーン技術を利用することにより書類は第三者の管理下に置かれることはありません。
ファクトムのシステム
- 低コストで安全な文書管理が可能
- 分散的に文書を保管、証明
上記のように改ざんができないブロックチェーン上に文書を保管し、第三者の介入の必要なく文書の証明ができるため、透明性の高い文書保管が可能になります。
ファクトムは今後、中長期的なスパンで実用性を向上させる
ファクトムが最も注目を集めたのはアメリカ住宅ローン市場の管理に導入されたことでしょう。
今後ますます管理業務への導入が見込まれます。
その証拠に多くのベンチャーキャピタルから出資を受け、8億円もの資金を調達したといわれています。
さらに、マイクロソフトやアメリカ国土安全保障省が資金援助などの提携をしています。
さらにウォール街の企業との提携のうわさもあります。
日本でもマイナンバーの導入など、今後証明書類の保護、管理についてファクトムのようなシステムを導入することも十分に考えられます。
これまでに比べはるかに低コストで安全に文書が保存できるというのはそれだけの魅力があるのです。
ただ、この動きは短期ですぐに結果がでるというものではありません。
あらゆる分野に大きな影響を及ぼしかねないシステムだけに、実用性を広めるにはそれなりの時間もかかるからです。
まとめ
ファクトムは分散型公証システムと呼ばれ仮想通貨のファクトイドを利用することで文書の記録、保管を容易にしてくれるシステムです。
これまでの第三者による証明を必要とせず、維持、保管のためのコストも大幅に省くことができます。
また、ブロックチェーンを利用することでセキュリティ対策も万全です。
ファクトムは中長期的に、これまでの情報の証明のあり方を大きく変えていくシステムであり、今後も継続して注目していくべき仮想通貨です。