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- 中国で規制されても、なお暴騰を続けるビットコイン。その理由を解説
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今でこそビットコインブームに世界中の投資家が注目し、今後の値上がりが期待されていますが、数ヶ月前の2017年8月から9月頃においてはここまで上昇するとは誰もが予測できなかったことでしょう。
何しろこの時期、中国ではICOを全面的に禁止するなど、ビットコインにとってマイナスになる事態が発生していたからです。
ICOとは仮想通貨を使った資金調達の手段のことで、株式におけるIPOのようなものです。
ICOではトークンと呼ばれる独自の仮想通貨を発行し、それを投資家に販売することで、発行元の組織や企業などは資金を調達することができます。
ICOが本当にIPOと同じモノであれば中国が規制することは無かったでしょう。
ただ監査のあるIPOと違い、ICOでは発行元の素性を確かめる手段がほとんどなく、テロリストのような反社会的組織の資金獲得手段になるリスクが高いなどの指摘があります。
そのようなデメリットもあり、中国はICOを全面的に禁止するばかりか、ビットコインの取引に規制をかけ危険視している風潮があります。
既に中国の取引所が停止に追いやられたり、マイニングも禁止される可能性が高いなど、不穏な動きのある中国では、当然ですが既に保有しているビットコインを売却しようという動きが目立ちます。
もともとビットコインを大量に購入していた人達というと主に中国でした。
中国政府の規制が強まれば、ビットコインの暴落は避けられないと当時は誰もが予測していましたが、現実は真逆。ビットコインはICO禁止後に大暴落したものの、やがては復活し、2017年11月末には100万円を突破するほどの大暴騰を見せました。
一体なぜ、このような逆転劇が起きたのでしょう?
目次
ICOの全面禁止だけではない?中国政府の規制で停止する取引所
2017年9月30日、中国最大の仮想通貨取引所であるBTCChainaが操業を停止することになりました。
この発表を受けて、ビットコインはさらに大きく下落しました。
停止の理由は中国当局の取締宣言を受けたからとのことで、中国政府がいかにビットコインを危険視しているのかがよく伝わってきます。
当時、中国は世界で最も仮想通貨を取引している国であり、BTCChinaはそんな中国において最大規模の取引高を誇る取引所でした。そんな世界有数の取引所が停止に追いやられるわけですから、ビットコインの売り注文が殺到してもおかしくはないでしょう。
実際、この時期のビットコインのチャートを見ると、1BTCあたり50万円だったビットコインは30万円まで暴落しています。これだけでも、いかに中国のマネーがビットコインに流れていたのかが伝わってきます。
閉鎖していた理由はICO規制が影響か?
中国当局がBTCChinaの操業を停止させた理由というと、やはりビットコインを危険視しているからでしょう。
中国はICOにおけるリスクを大きく警戒しているようで、それはビットコインも同様です。ビットコインは匿名性の高い送金手段なだけに、政府の目をかいくぐってお金のやり取りができるビットコインは非常に目障りな存在なのかもしれません。
特にICOはテロリストや犯罪者集団の資金源になりやすいだけに、政府として規制に乗り出すことはそれほどおかしくはないでしょう。
中国はICOを金融詐欺やねずみ講だと非難するほど、強い警戒心を抱いています。それは現在も同様で、取引所の操業停止も、そんな中国の規制の影響を受けたからでしょう。
中国取引所が閉鎖していたのに、ビットコインの価格は上昇!既に100万円突破!
中国の規制を受けて、確かにビットコインの価格は一時的に暴落しました。
中には、そのような暴落騒動を見て、やっぱりビットコインは詐欺だったんだと思った人は多くいることでしょう。
しかし、暴落は一ヶ月も経たない内に終息するばかりか、10月頃には反発し上昇するようになりました。
中国のICO禁止や、取引所の操業停止という措置はどう考えてもビットコインにとってマイナスの要因です。値下がりすることはあっても、値上がりする要因ではありません。にも関わらず、なぜビットコインの価格は上昇したのでしょう?
中国の規制と反比例するビットコインの値動き
今や中国人は世界中でビジネスを展開しています。
日本やシンガポールなどのアジアだけでなく、アメリカやヨーロッパで活躍する中国人は多くいます。そんなグローバルな活動を続けている中国人が、政府の規制程度でせっかくの儲けのチャンスを潰すようなことはまずありえないでしょう。
確かに取引所は停止されましたが、その一方で個人間のビットコイン取引はむしろ中国において活発化しています。
英語を話せる中国人ともなると、海外の取引所を利用してビットコインの取引をしているほどです。たとえ英語を話せなくても、最近の翻訳サービスは非常に発達しているため、クリック一つで簡単に外国語を理解することができます。
これが人民元の取引であれば、中国当局に摘発される恐れがありましたが、匿名性の高いビットコインでは政府の規制は及ばず、未だに積極的な売買が個人間で行われています。
確かに一時的に暴落こそしましたが、中国人の対策が功を奏したのか、ビットコインは10月頃より取引が活性化し、大暴騰を起こすようになりました。もはやビットコインの人気は、中国当局の規制では止められないほど高まっているようです。
10/24に再開、11/1にZB.comが取引開始!そのカラクリとは?
一時は当局の規制を受け、中国の取引所は操業停止にまで追い込まれました。
しかし、一部の取引所の中にはその後、無事操業を再開し、取引を開始した取引所もあります。
中国は現在も仮想通貨の取引に対して強い警戒心を抱いているようで、当局による規制は続いています。ビットコインの取引を認める動きはありません。にも関わらず、一体どのような方法で取引を再開させたのでしょう?
例えば10月24日の共産党全国大会の終了日に合わせて中国取引所が営業を再開するとのニュースが広まり、11月1日には取引が開始されたとのことです。取引所のZB.comより11月から取引が可能になるとのニュースは仮想通貨業界にポジティブなニュースとして伝わったようで、その日以降よりビットコインの価格は高騰しました。
ZB.comによれば、中国のみならず世界中の人たちが利用できるプラットフォームとのことで、中国語のみならず英語でも利用が可能です。
果たしてZB.comはなぜ取引を再開できたのでしょう?
その背後には中国政府がバックにいるのではないのか、などとネット上では囁かれています。
なにしろ10月24日は共産党全国大会の終了日なのです。政府との間で何かしらの取引があった可能性は否定できないでしょう。それだけに、すぐに規制されるだろうとの意見もあります。
再開してからの影響は?ビットコインの価格が上昇して暴騰!
一時はすぐに規制されるだろうと思われていたZB.comですが、今のところは順調に営業を続けています。
それどころか、ビットコイン以外のアルトコインの取引まで始めているほどです。
中国の取引所が規制されず、安全に運営されるのであれば、今後は中国の巨大なチャイナマネーが仮想通貨市場に投入される見込みが非常に高く、ビットコインはますます上昇することでしょう。
実際、ビットコインは11月に大きく暴騰し、ついには100万円台に到達しました。
このような暴騰の背景には、中国の取引所再開も要因として含まれていることでしょう。
さらに中国の取引所の中には規制を嫌い、日本や韓国など仮想通貨取引ができる国に移動し、そこで営業を再開した取引所もあります。
中国人の商魂は非常に逞しく、当局が規制をした程度で終息するものではありません。むしろ規制をした当初、多くのビットコインは海外に流れ、中国のマネーが国外に流出した可能性すらあります。
当局としては確かに犯罪に使われるかもしれないビットコインを規制したいのかもしれませんが、だからといって規制を強めると自国のお金が流出してしまうリスクがあります。もしかしたら、それを防ぐために、仕方なしにZB.comを再開させたのかもしれません。
上に政策あれば下に対策あり?中国の取引所の今後の動向
中国といってもそこに住む中国人には色々なタイプがいます。
ただ、中国には上に政策あれば下に対策ありという諺があるほど、政府のことを信用しない気質があります。これは日本とは正反対の価値観でしょう。
このような諺が浸透する背景には、中国国民の政府に対する不信があるのかもしれません。
現在の中国は一見すると経済が好調で、世界最大の経済大国の一翼を担っているように見えますが、その実態はなかなか複雑です。政府を信用しないばかりに、国外へ移住する富裕層の数は非常に多いです。
そんな政府に対する不信感が強い中国人にとって、ビットコインは非常に便利な代物です。なにしろビットコインは当局の影響が及ばない通貨なだけに、利用したい人は多くいることでしょう。
財産の私有が禁止されている中国では、いつ大事な土地を政府に奪われるか誰にもわかりません。そのような不安を抱えている国民にとって、政府に奪われるリスクの無いビットコインはとても貴重で、価値のあるありがたいものです。
そのため、中国政府にとってビットコインは非常に不都合なモノなのですが、だからといって規制を強めれば、利に聡い中国人ほどすぐに国外へ逃れることでしょう。結局、規制を強めて損をするのは中国当局の方なのかもしれません。
そのような複雑な事情を抱えている中国では今後、取引所への監視はあるでしょうが、だからといって急に規制することは出来ないかもしれません。
ビットコインの人気はもはや、中国の規制に太刀打ちできるほど、強固なモノへと成長しているようです
。中国の取引所は今後とも、規制を受けずに営業し続け、仮想通貨の世界に大きな影響をもたらすかもしれません。